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II-1. 【新人】通訳ガイドの動線ナビ:浅草寺-1

動線Navi

浅草寺-1

朝に成田着のフライトの行程では、
最初の訪問先が浅草寺になることが
よくあります。

成田から浅草へ向かう場合

成田空港から、浅草へ向かう場合、
ディズニーランドを通過したら、
すぐに浅草のガイディングを開始。
途中、東京スカイツリーが見えたら、
スカイツリーを手短にご案内。
これから行く浅草寺境内からも見えると
いうこともお知らせします。
別な場所から向かう場合も、
ガイディングの所要時間から逆算して、
毎回、どのあたりから説明を
始めたらよいかを計算しておきます。
オススメは、計算よりも
少し早めのガイディング開始です。

珍しいもの、面白いもの、有名なもの、
ランドマークなどが見えたら、
たとえガイディング中であっても、
説明を一旦中断して、
【今目の前に見えているもの】を優先。
その後、途中だった説明に戻ります。
また、ゲストから質問が出た場合、
できるだけその場で対応するほうが、
お客様の満足度に繋がります。
常に臨機応変にする必要があるので、
時間には余裕を持つようにします。

迷子対策【重要】

最初の訪問地に到着する前に、必ず、
迷子対策を確実にし、徹底周知します

特に最初の訪問地で迷子になったゲストは、
不安感でいっぱいになり、
ガイドに対して不信感を抱きます。
当たり前ですね。

お客様は、自分の非を認めない
屁理屈の天才
ですから、
万が一トラブルが起こっても、
確実に保身出来るよう対策が必要です。

関連記事:24. バス車内での確認と安全注意事項
関連記事:27. 旅の情報と注意事項(1)

肝心なことは、
万が一迷子になったらどうするか
具体的な連絡方法を
バス降車前に確認しておく
こと。
浅草では、バス降車場所と、
出発用の乗車場所が異なります
ので、
降りた時、見学途中、帰りの集合など、
行程と手順をよく理解していただきます。
聞いてない人は、必ず一定数いますので、
説明は2~3回繰り返すこと。

隅田川近辺

東京スカイツリー、アサヒビール、
フラムドールなどが見えたら、
ガイディングを一旦休んで、
いま見えているものを案内します。
このあたりまで来ると、
じきにバス降車となりますので、
以下の項目を確認します。

バスを降りるときに持つもの
・貴重品は必ず身に付けること。
・雨が降りそうなら傘や雨具など、
日差しが強そうなら帽子やサングラス。
・薬が必要な人は忘れないこと。
・バスを降りてから、どのくらい歩き、
どのくらい後にバスに戻るかの情報。

到着直後は、何よりも迷子を出さずに
正確に全員を引率することが大事です。

宗教関係の知識

日本到着後、最初の訪問が浅草なら、
現地到着前に、
日本には神道と仏教という
2つの主要な宗教があること、
神道と仏教の違いと、
神仏習合についての説明が必要です。

一神教ではない宗教に接して戸惑う人は、
意外と多くいます。
さらに、異なる宗教が相互補完的役割を担って、
同じ敷地内に同居するという例は、
世界でも極めて珍しい現象であるため、
混乱してしまう人さえいます。
二者択一や、対立構造から、
頭が動かない人もいるのです。

神道と仏教の違いについては、
すんなり理解できる方と、
そうでない方がいます。
宗教の詳しい説明は簡単ではない、
と心得え、半分は諦めの境地ですね🤣

ベテランガイドさんの素晴らしい説明でも、
帰国直前になって、
「鳥居があるから、お寺なんですよね!」と
自信満々に言われるという話で、溢れています。

国籍を問わず、最後まで、
2つの宗教を混同したままの人達もいますが、
帰国してから解るかもしれないので、
聞かれたら何度でも繰り返し説明します。
説明をするのは、ガイドの本分ですから、
メンドクサがってはいけません。

日本の名所旧跡は、
神社仏閣が非常に多いので、
宗教の知識は不可欠ですが、
最初は、分かりやすい特徴的な
ことに絞って説明するにとどめ

少しづつ、情報を追加していかないと、
お客様は飽きてしまいます。
ゲストにとっては、宗教の説明よりも、
目の前にある数々の珍しいものや
建築の説明が優先事項
です。

混雑場所での誘導

近頃は、イヤホンガイドを使えることが
増えたのでとても助かりますが、
観光名所は、どこも混雑して雑音も多く、
別団体のガイドの音声が入ってくることもあります。
その場合は、すぐにチャンネルを変更します。

訪問箇所の説明は、
到着前までにバスの中で済ませ、
現地では、重要ポイントを
具体的に示す程度にしています。
現地に行ってしまうと、
そもそも写真撮影に夢中になっていまい、
何を言っても耳に届きません。
詳しい説明よりも、
お客様がハイライトを見逃さないよう氣を配り
「コレコレはちゃんと見ましたか?」
と声をかけましょう。

あとになってから、
「見てない!」などと言われると、
大問題で、クレーム対象になりかねません。

仲見世

お買物は旅の大きな楽しみですから、
仲見世の商品情報なども忘れずにお伝えします。
浅草神社や浅草寺自体より、
仲見世でのお買物のほうが大事
という人は大勢います

浅草寺は見なくてもいいから、
その分仲見世を長く見たいと
申し出る人さえ出る場所です。


よく、「きもの」を買うという人がいますが、
99%、それは浴衣のことであり、さらに、
仲見世で販売されているお土産用「きもの」の
実態に関する補足説明が必要です。
最近は、中国製ですらなく、
東南アジアで作られた、
テラッテラのポリエステルで、
日本人なら恥かしくて買いませんが、
お土産だから、それでもいい人達もいます。
くれぐれも、それは、
日本の本物の着物ではないことと、
外国でも外での着用は控えるよう、
といった程度のことは、お伝えします。

本物の「着物」は、
とても買えるものではありません。
もし買えるとしても、
付属品が膨大に必要ですし、
そもそも自分で着ることができません。
本物の着物売場を見たい方には、
デパートの呉服売場をご案内すると便利です。

浅草に限らず、お買物に際しては、
Made in Japanかどうかを確認する
よう
お伝えします。
最終仕上げだけ日本で行われていれば
Made in Japanを名乗ることができるので、
「どうよ・・・」という話ですが、
Made in Japan でないということは、
全部が外国で行われているわけです。
別の国の製造品であると分かっても、
安いからいいなど、納得できていればOK。

仲見世での注意事項

食べ歩きをする人達がいるので、
ぶつからないように、
洋服など汚されないように注意します。
仲見世も裏道も、他の観光地でも同じ

浅草は、いつも混雑しているので、
新人ガイドが団体を引率するには、
本当に緊張します。
ぜひいちど、団体のオペレーションが
どのように行なわれているのか、
様子を見にいくといいと思います。
観光シーズンなら、必ず外国人の団体が
いると思います。

ましてや、三社祭、金龍の舞などの
お祭と重なる場合は、

オペレーションを相当程度、
工夫する必要があります。

お祭を見つけると、ゲストは、
すべてを忘れてそちらに集中し、
大幅に混乱します。

集合場所の説明をする前に走り出して
いなくなる人さえ出るなど、
精神構造に問題がある人も中にはいます。

浅草に限らず、お祭に重なる場合は、
綿密にリサーチしても、実際は
その通りにできるとは限らないので、
オペレーション計画には
柔軟性を持たせておく必要があります。
常に大混雑している浅草で迷子が出たら、
どうしたらよいのか、

様々なケースを想像し、
対策も考えておく
べきです。

本来、ご本堂に入る前には、
手水舎で身を清めるものですが、
浅草寺の手水舎は、
マナーとは一切関係のない外国人観光客が
多すぎるため、
私は「衛生上の理由により」、
説明をするだけにしています。
浅草寺手水舎の特徴は説明しますが、
あまり近寄りません。
ウガイする人までいたりしますから💦💦

浅草での降車と駐車場

繁忙期は、基本的には、
団体バスの降車場所は、
あらかじめ決められています。
降車は、基本的には言問通りです。
指定場所での乗降しか認められず、
指定場所も複数ある場合もありますので、
ドライバー様と確認しておきます。

でも、雷門通りで降車できれば、
雷門を全員で正面から見て説明できますから、
東京のランドマークとしての印象は深まります。
言問通りで降車となっていても、
ドライバー様が雷門通りに停めてくださると
ご協力していただければ変更可能です。
これは、あくまでも状況次第でで、
ドライバー様に無理を言わないこと。
誘導をする係員さんに急かされても、
焦ることありません。
ここで、ゲストがバスの中に忘れ物しても、
取りに戻ることができないので、
下手に焦らせても仕方ないのです。
出発は、二天門駐車場からです。

A:言問通りでバス降車~二天門から入る場合

雷門ではなく二天門から入る場合でも、
お客様にとっては、日本的で珍しい風景を見て、
写真撮影に熱心になります。

二天門に向かって左側を通れば
団体でも通りやすいのは確かですが、
山門から入らないと、
日本文化と歴史に触れる意味がありません。
社寺仏閣に出入りするときは、
一礼し、真中を避けて歩くようことをご案内。
入ってすぐ右側に、
全体の境内案内地図がありますので、

現在地、これからの予定と、
最終的な集合場所と時間を伝えます。
写真に撮影してもらうとより確実です。

浅草寺の境内では、まずは浅草神社について説明。

浅草訪問後は、
二天門駐車場から出発します
ので、
多くのガイドは、
浅草神社前を集合場所にします。
ここに、何時何分に集合という事と、
お手洗いの場所をご案内。
しかし、集合は、仲見世などの
フリータイムの後になりますから、
まだ「ガイドに付いてくるように」
お伝えします。

時間に余裕があれば、浅草神社境内。
時間ギリギリなら、鳥居とご祭神の説明だけ。

本来ならば、手水舎でお清めをしてから
ご本堂に向かうべきですが、
上記の通り、衛生的に問題がありますので、
手水舎の龍神を説明するにとどめ、
ご本堂に入り、中をご案内。
引続き、大香炉、おみくじ、
お守り関係、五重塔、宝蔵門を説明。

仲見世が見えると、
お買物のことで頭がいっぱいになり、

説明が耳に入らない人が激増するので、
要注意です。

このあたりで、2つの選択肢を示す方法があります:

1. 浅草寺の象徴である雷門を説明するので
ガイドと一緒に歩き、その後、
仲見世で自由時間(買物)にするグループ。
2. それよりも、お買物優先で
すぐに自由時間にしたいグループ。

どちらでも自由ですが、ここでもう一度、
集合場所と集合時間の確認は必須。
ガイドと一緒に来ていたはずの人が、
途中でお店に吸い込まれてしまうのは普通です。

宝蔵門を背にした右側、幼稚園の前に、
浅草寺の歴史を描いた絵と
日本語の文章が並んでいます

浅草寺様のサイトにもあります
浅草寺さんの歴史

FITなら、それを見ながらお話すると
喜ばれますが、団体ではほぼ不可能。

この絵のことも、バスの中であらかじめ、
お話をしておくと、ちゃんと覚えていて、
「その絵はどこにあるのか?」と
現地で聞いてくる人達もいますから、
場所を教えてあげると喜ばれます。

ガイドと一緒に雷門へ行く場合は、
仲見世の中央通路を通ると、
人が多すぎて前に進めないので、
横の小路を通ります。

雷門前は、常にごった返しており、
イヤホンガイドを付けていても
声が聞こえないので、
雷門前のスクランブル交差点を渡り、
観光案内所前から説明するほうがやりやすい。
スカイツリー、アサヒビール、
フラムドールも併せて説明し、
お客様が写真を撮り終えたら、雷門へ渡り、
今一度、集合場所と時間を確認して解散。
仲見世は約250m、お店の数は約90軒あること、
大混雑しているので思うように歩けないので、
時間には余裕を見るように、念を押します。

B:雷門通りで降車する場合

降車場所は、普通は言問通りですが、
当日、ドライバー様が大丈夫と言えば、
雷門通りで降車できます。
繁忙期は、スケベ根性を出さず、
予定通りの場所で降りましょう。

雷門を右に見て200mほど先に
団体バス降車場があります。
さっさと降りないと係員から
怒られますが、焦っても仕方ありません。

通行人の邪魔にならないよう注意を促されます。
スカイツリー、アサヒビール本社、
フラムドールなどが見えるため、
足元も見ずに歩くので、
段差や交通安全に注意
です。
歩道を自転車が頻繁に通ることに、
欧米人は慣れていませんから、
バスを降りる前に、そうしたことも、
注意事項としてもご案内ください。

信号も、そもそも見ていませんので、
ガイドが注意します。
雷門前のスクランブル交差点を渡る前に、
雷門の概略を説明。
スクランブル交差点は、
面白がって何度も渡る人が出てきます。
すると、「有名なスクランブル交差点」に
ついて聞いてくる人もいます。
渋谷のスクランブル交差点が行程に入っている
ツアーなら、「行きますよ」と言えば安心します。
渋谷へ行かない場合は、上手にカワしましょう。
フリータイムで行ける時間的余裕があれば、
別途、ご案内をします、但し全員の前で。

仲見世でのショッピングは
貴重なフリータイムです。

宝蔵門で待ち合わせる場合は、
お店が途切れた広場にある
雷門と同じような形の建物で、
【ここと同じように大きな赤い提灯がある
250メートル先にある次の門】に
何時何分集合とするか、
ご本堂【=突き当りの建物】にするか決めて、
いったん解散します。

集合場所は、宝蔵門でなくても、
ご本堂前でも、どこでもいいのです

要は、分かりやすく、動線に無駄がなく、
人数を数えやすい場所にするこ
とです。

宝蔵門で集合する場合、宝蔵門、
大きなぞうり、五重塔、おみくじ、
大香炉、手水舎を説明し、ご本堂へ入ります。
ご本堂での説明が終わったら横から出て、
浅草神社へ移動。
時間に余裕があれば、浅草神社へも入る。
時間がなければ、お手洗い時間だけとって、
二天門駐車場へ向かいます。

浅草寺でのフリータイムは、
仲見世でのお買物に費やされることになります。
お客様から、欲しいものがどこで買えるか
聞かれることが多いので、

仲見世のどのあたりに、
どんなお店があるかを知っていれば、便利。

フリータイムは、ギリギリまで使っても
時間が足りないという人達がいる一方、
お買物は一切興味がなく、
ウインドウショッピングすら興味がない人には、
ご本堂に向かって左手の影向堂と薬師堂が
ある一角をご案内します。
FITでは、色々な話をしながら、
このあたりまで回ることも多くあります。
鯉の泳ぐ川や石橋など、
いかにも日本的風情を楽しめます。

浅草では、フリータイムの時間の
取り方がいちばん悩ましいところ。
ご本堂や神社見学は短めにして、
自由時間を少しでも多めにするほうが、
一般的にはお客様の満足度が高いようです。

次回は、浅草から出発するとき、公共交通機関利用、
隅田川クルーズ利用の場合について、お話します。

II-2. 【新人】通訳ガイドの動線ナビ:浅草寺-2

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