ブログの活用法を記事にしました。

II-19. 【新人】通訳ガイドの動線ナビ:名古屋駅経由~高山へ

動線Navi

ツアーの行程

これから、三島駅から新幹線に乗り、名古屋経由で高山へ向かいます。
1週間から10日程度のツアーに、高山方面が入ることは稀。
2週間程度のツアーになると、高山方面も行程に入り、
白川郷と金沢もセットで組み込まれます。

関西地方から高山へ行く場合は、大阪か京都から金沢へ行き、
そこからバスで白川郷~高山という順路が一般的。

関東地方からは、多くの場合、新幹線で名古屋まで行き、
名古屋駅で在来線の「特急ひだ」に乗り換えて高山へ向かいます
今回は、このルートで高山へ向かいます。

長距離列車のオペレーションの参考記事:32. :公共交通機関利用【長距離列車】
今回は、個人的な経験談が続きますが、ご容赦いただければ幸いです。

名古屋駅経由~高山へ

インバウンドの団体ツアーで、
東京からいきなり名古屋で乗り換えて高山へ向かうことはありません。
(FITなら、そういうこともあります。)
たいていは、東京~鎌倉~箱根~というルートを辿ったあと、
高山方面に向かうことが多いので、
小田原か三島駅から、ひかり号利用で名古屋へ向かうことになります。

前回の箱根の記事にも書きました通り、
ひかりは、1時間に1本しか運行されませんので、
乗り遅れないよう万全のオペレーションをしてください。

新幹線で名古屋まで行き、在来線への乗換改札を通り、
「特急ひだ」のホームへ向かいます。

私が始めてこのルートで移動をしたのは、
まだ駆け出しだった頃、FITぶっつけ本番でしたので、
「特急ひだ」にも、生まれて初めて乗ったわけでした。

「特急ひだ」の特徴

進行方向

この列車は、名古屋が始発/終点ですから、
少し早めに入線しますので焦らずに乗車できます。

車内アナウンスがありますが、名古屋を出ると、
岐阜駅までの約10分間、後ろ向きに走行
岐阜駅でスイッチバック、単線の高山本線に入り、
その後は、前向きに走行します
珍しいケースなので、ガイドとして覚えておきましょう。

単線

所々の駅で、対向列車と待ち合わせをします:
対向列車の通過時刻が遅れると、こちらの出発時刻も遅れます
日本の列車は正確な時刻で運行されると言われますが、
この線に関しては、ビミョウなことが多々発生します

単線ゆえ、ほとんどが1時間に1本の運行ですから、
遅れたら、その後の行程に甚大な影響が出ます

車内販売

「特急ひだ」に限りませんが、
最近は、在来線の特急列車の車内販売はありません。
飲物などは、乗車前に購入しておきましょう。

見える景色

スイッチバックをする岐阜からは、
しばらくは住宅街~郊外の景色を山に向かって走り、
ほどなく右手に犬山城が見えるので、ご案内します。
日本語と英語でもアナウンスがありますので心配ありません。
遠くに見えるだけなので、あまり盛り上がりませんがご案内必須。

それからほどなく、木曽川沿いに走行。
ここからは、しばらく山と川の景色が続き、
美濃大田を過ぎると飛騨川は徐々に急流になり、山も深まってきます。

この列車に初乗車したときのFITゲストだったスイス人のご夫妻は、
「まるで自国の景色のようで、外国に来たとは思えない」というほど、
風景が似すぎていると話していました。

そのうち、左手にも川が見えて、山間の風景になってきます。
川の水はどんどん澄んでいくのがわかります。
そうして、高山到着を待つのみです。

お弁当の積込

このツアーに限りませんが、長距離列車利用時には、
ランチは、車内でお弁当になることがあります。

お弁当を受け取る場所は、乗車号車の前が一般的です。
これも、ツアー前に連絡を入れて確認しておきます。
自分達が乗る車両の前で、それらしいと思われる方とミート:
個数や内容を確認し、控えの伝票を受け取ります

箱のまま車内のデッキに積み込んでくれます。
お弁当と飲物(水など)と、別々の箱。
インバウンド団体だと、プラスチックのフォークを付けてくれますが、
そのこともツアー前に確認してください。
あると無いとでは大違いです。

全員が着席し、落ち着いたら、ガイドがお弁当と飲物を配ります。
普通、ゴミ用のレジ袋が1人1枚づつ付いているので、
食べ終えたらそれに入れて、デッキの段ボール箱に入れてもらいます。
団体客が、一斉に普通のゴミ箱にゴミを入れると、
あっという間にあふれてしまいますから、
必ず、自分達専用の箱に入れてもらいます。

「特急ひだ」— まさかの運休発表!

あるシリーズツアーを引率していた時の出来事をお話いたします。
そのツアーは、東京始まりで、鎌倉を観光したあと熱海に宿泊し、
その日は、熱海からひかりに乗って名古屋へ向かい、
在来線の「特急ひだ」に乗り換えて高山へ向かう行程でした。

無事に「特急ひだ」が発車するホームに到着し、
お昼のお弁当の受取が完了しました。

いつもと様子が違い、私達が乗る予定の1本前の「特急ひだ」が、
まだ出発せずに停車していたので、お弁当が入った大きな箱は、
そのままホームに置いたまま、係の方は帰って行きました。

不具合などが発生しても、JRは、アナウンスがない!
何が原因で何が起こっており、これからどうなるのか、
まったく分からないのは、本当に困ります。
しかも、ホームには駅員さんがいない。
あまりにも情報がないので、改札までも行きましたが、
それでも人がいないのでした。

そのツアーはTL(添乗員)付きで、お客様は満員御礼で16名、
TLとガイドとで合計18名でした。

あまりの情報のなさに、添乗員もゲストも、
日本の鉄道に不信感を抱いても致し方ありません。
これは、日本人だって非常に困っていることです。

お客様も飽きてきて、しかもホームにベンチもないため、
床に座りたいと言い出す始末。
床に直接座るのは汚いからダメ、新聞でも敷かないと」と言うと、
誰かがキヨスクで新聞を買い、みんなに分けて、
そのうえに座りはじめました。

1時間に1本しか運行しない「特急ひだ」。
私達が乗る予定の前の大幅に出発が遅れている「特急ひだ」は、
ほとんど1時間近くの遅れとなっており、やっと、
「信号が変わり次第出発します」というアナウンスがあったものの、
私達が乗る列車がどうなっているかは、ずっと謎のまま。

こういうときは、ホームから離れるものではありませんね!
アナウンスを聞いて、目がテンになりました

本日の「特急ひだ号」の運転は、この列車が最終となります。
繰り返します!!!
本日の「特急ひだ号」の運転は、10時48分発のこの列車が最終となり、
これ以降の「特急ひだ号」はすべて運休となります。
高山方面へお越しの方は、現在停車中のひだ号にご乗車ください。
この列車は、あと数分で発車いたします。
高山までお急ぎの方・ご利用の方はお急ぎください!!!

これを聞いて絶句しつつ、目をテンにしているヒマなどない。
その時は、ホームに多くの外国人観光客がいましたが、
このアナウンスは、日本語でしか流れませんでした。

ガイド無しで日本語の分からない人達は、可哀想でしたね。
でも、こちらは自分が引率する団体のことで、いっぱいいっぱいです。
—–こういう事もあるのだから、ガイド付けてね♪—

すぐさまTLに話し、大声でお客様全員に集合をかけ、
全員がいることを確認して事情を説明。

今、この列車に乗らないと、今日はもう運行がない。
但し、私達の指定券は適用にならないので座席がないけど、
これに乗らないと高山へ到着できず、今夜泊まるところがない、
時間がないので、複数の口からとにかく乗り込みます!
全員を乗せ、私とTLが、お弁当と飲物の箱をデッキへ運び込みました。
こういう時、欧米人の男性ゲストさん達は、
非常に協力的で、その箱を持つのを手伝ってくれたり、
他にできることはないか、と聞いてくれるのでした。

乗車直後は、ほぼ全員がデッキ付近にまとめていてもらい、
全員がいることを把握して、お弁当を1人づつに配り、
食べ終わったら袋に入れて、この箱に入れることを伝達。
高山までは2時間半近く乗車しますから、
どこでもいいので空いてる座席があったら座り、
その座席の持主が来たら立つほかないことをお伝えしました。

その後、お客様が座れているかどうかを見回っていたら、
まだ立ったままのお客様がいるというのに、
TLがちゃっかり座っていて、唖然。。。まぁ、いいわ。。。

それでも、それから少し時間が経過したら、
全員が着席できたのを見届け、私も座ることができました。

本来は、ツアー担当者に連絡してから行動すべきところですが、
このときは、そんなヒマなどありませんでしたので、
私の一存で即決しました。
ツアーの経歴としては、TLのほうがはるかに長いのですが、
数十回も来日して、そのシリーズツアーに慣れているといっても、
日本人ではなく、日本語も分からいので、結局は、
「あなたに任せる」と言われるわけです。

この件に関しては、他の選択肢があったとは思えません。

その列車はその後も遅れに遅れ、高山駅に2時間以上遅れて、
私達が乗る予定だった列車の到着時刻よりもさらに遅れて到着
2時間以上の遅れなので、特急料金の払戻申請をすべきところです
高山駅でアナウンスがかかりました。曰く:
全員の特急料金の払戻に応じている時間がないので、
改札でハンコをもらえば、最寄りのJR駅で後日、払戻手続きできます。

改札でハンコをもらい、特急料金払戻手続きの件はクリア。

【疑問】払い戻された特急料金は、どこへ行くのだろうか?
まさか、乗客1人づつに返金するとも思えない。ナゾ。まぁ、いい。

あまりにも列車が遅れたため、予定の半日観光は不可能。
かろうじて、古い町並みの散策へは行ったものの、
ほとんどのお店は17時で閉店するのでビミョウでした。

ほどなく駅へ戻って荷物を受取り、シャトルバスでホテルへ向かいました。

この一件は、ガイドを入れて18名だったので事なきを得ましたが、
30名以上だったら、どうなっていたかと思うとゾっとします。

不測の事態

少々の列車の遅れなどは、行程に影響がなければ、
いちいちツアー担当者に連絡する必要はありません。
しかし、このように、明らかに行程に大きな影響がある場合は、
早めにツアー担当者に連絡します。

電話に出なければメールやショートメッセージで連絡します。
問題発生の報告と、それに関する指示を聞くだけではなく、
問題が発生して連絡が必要になったら早めに担当者に連絡をする、
その証拠を残すことも目的です。
ガイドがちゃんと仕事をしていることを示す証拠にもなります。

「大丈夫かもしれないかな・・・」などと迷うヒマはありません。
大丈夫なのか、そうでないのか、どちらかです。
問題があるなら、早急に解決方法を決めなければいけません。

このケースでは、遅れても高山へ到着でき、
その日の夜は予定通りのホテルに宿泊できました。
しかし、列車が全然動かないとなると、移動自体が不可能。
その場合は、その日に泊まるホテル、その後の移動手段など、
ずいぶんと多くの手配をする必要が出てきます。

この時は確か、土砂崩れ関係が原因だったため、
自然災害起因で不可抗力が適用となりました。

とはいうものの、名古屋駅でのビミョウ感、
指定席のない長距離列車に飛び乗ってすぐには座れなかったこと、
その日の高山観光がボツになったことなど、
ゲストの疲労と残念感が消えるものではありません。

さいわい、そのツアーは比較的富裕層向けで、全員揃って、
「仕方ないよ、そういうこともあるって!」と言ってくれました。
予定外の列車に飛び乗っても立ってた時間は短く、すぐに座れたし、
高山到着後も古い町並みだけは少し散策できたし、
大丈夫大丈夫、と理解を示してくれる大人の方々でした。

自然災害に起因する不可抗力とはいうものの、
添乗員が、ワンドリンク・サービスをすると言い、
日本側旅行社も別な食事の時にワンドリンク・サービスを
提供した記憶でした。

以上の通り、「特急ひだ号」に限らず、
不測の事態が発生した時のことは、時々考えておき、
選択肢をできるだけ多く揃えておけると助けになります。

高山駅到着

JR高山駅は、飛騨の匠をアピールし、木の香りが漂う、
素敵で近代的な駅舎に生まれ変わりました。
JR高山駅
 

荷物預け

高山に到着してすぐに観光に入る行程があります。
長距離列車を利用する場合、大きなスーツケースは別送となり、
行程によりますが、1泊か2泊分の荷物を各自持って移動します。
それにしても、観光をするには、その荷物が邪魔になりますから、
駅到着後すぐから観光に入る場合は、荷物を預ける必要があります。

高山駅近くには、荷物預かりサービスをするお店が複数あり、
旅行社が、店舗を指定し、連絡・予約を入れておいてくれます。
ツアー前確認の際にも必ず連絡を入れて、内容を確認し、
齟齬がある場合は、ただちにツアー担当者に連絡します。

ホテル・旅館へ

高山で宿泊するホテルや旅館が駅から徒歩圏内なら、
直接そこへ行って荷物を預けてから、観光に出発します。

高山市内は、ほとんど徒歩での観光となります。

高山市では、高山市内の観光地図を複数言語で用意しています
どのホテルや旅館にも英語版は必ずありますが、
担当言語のversionを是非用意したい場合は、
高山市役所観光課にお願いすると、必要な部数を送っていただけます。
事前に必要部数の地図を入手できれば、宿泊ホテル/旅館、訪問場所を
マークしておいたものをゲストに渡すことができます。

特に、高山祭が行程に入っているツアーの場合、
いつ誰が迷子になるか分かりませんから、地図は必須です。
カップルに1枚とかではなく、1人1枚必ず持たせます。
高山祭などで迷子が出ると、まぁ探し出すことは困難と心得ましょう。
携帯電話番号は教えますが、周囲が煩いと聞こえません。
そんな事情もありますから、いざという場合は、
自分の宿泊ホテル/旅館を誰かに言って、方向を教えてもらうなどの手段も
予めご案内しておく必要があります。

 

明日は、実際に高山の観光に出掛けます。

 

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