ブログの活用法を記事にしました。

II-3. 【新人】通訳ガイドの動線ナビ:皇居前広場と皇居東御苑

動線Navi

皇居前広場

行程には皇居と記されますが、皇居前広場を散策するだけです。
どの訪問地についても、到着前にバスの中で説明をしてしまいます。
皇居の敷地内に入れないのは、私達には当たり前のことですが、
これを知って落胆するひとがたくさんいます。
宮殿のバルコニーまで一般人が行ける日は、普通は1年に2回だけ、
入れないのがデフォルトなのだとお知らせしておくことです。

楠公駐車場

専用車利用の場合は、楠公駐車場へ入ります。
バス降車前に、出発時間と最終集合場所をご案内します。
もちろん、みんなで出掛けるわけですが、迷った場合は、
バスに集合とするのが無難です。
お手洗い場所をご案内すると行く人がいますので、
楠正成の銅像前で待ち合わせます。

楠正成


まずは、みなさん写真撮影に夢中になります。
このような像があると、この人が誰で、なぜ銅像になっているのかを
早く知りたいので、そこにいる人達から、楠正成についてコメントを始め、
次々と集まってくる人達にも、順番に同じコメントをします。
全員揃ったら、皇居前広場を通り、二重橋へ向かいます。
【ポイント】銅像の人の名前とかは、ほとんど重要ではなく、
いつ(何世紀の前半・中頃・後半)、何をして評価されたのか、が重要なのです。
これが1904年に完成したとき銅はとても高価だったことも忘れずにお話します。
たまに、銅像がショボイと言う人がいます。
確かに、欧米の銅像に比べたらそうかもしれませんが、
銅像の歴史がありませんから、仕方ありませんね。

皇居へ出発

信号は、青信号でも点滅したらもう遅いので、渡らないこと。
ここに限りませんが、逓減式点滅信号について説明すると、
次までの目安が分かるようになり、あまり無茶をしなくなる傾向があります。
皇居前広場に植えられている黒松は、もちろん売り物ではありませんが、
盆栽として値段をつければ、1本600万~2700万円の評価額。
これは、担当言語のお国で使っている通貨に換算してメモしておきます。
剪定はもちろんすべて手作業。
常緑樹である松は、日本ではおめでたい時に使う一般的な説明でOKです。

皇居前広場


この石は、1個2トン。
ここが正面入口。儀式があって車列が通るときは、フォークリフトで寄せるそうです。
皇居正門を使う公の行事は、そう頻繁にはありません。

日本に着任した新大使の信任状捧呈式の馬車列を見かける場所です。
もし、信任状捧呈式の馬車列が通る時に居合わせた場合は、
馬が驚くのでフラッシュを使わないよう、係員の指示に従うようご案内ください。

二重橋前では、全員の写真撮影を確認しつつ、正門近くまで登ります。
大事なランドマークでは、必ず写真の撮り忘れがないか確認しますよ。
正門鉄橋が二重だったことから、二重橋と言われた云々の説明もしますが、
よく見えませんから、石橋と鉄橋と重なって見えるから、
という説明でもイイみたいですよ。

皇居内地図の使用について

Googleなどを使えば、皇居内部の施設配置もかなり詳しく分かります。
それを見せれば、みんな面白がって写真に撮だろうと、簡単に予測できます。
なんでもかんでも、片っ端からとりあえず写真に撮りまくるという行為が、
個人的に好きではありませんし、わたしは、
皇居内の建物配置図を安易に晒すことはしたくありません。
Googleは、どの言語でも使えるツールですから、
どうしてもそこまで知りたい人は、自分で調べればいいのです。
もちろん、googleで見られますよ、などということも一切言いません。

なぜ入れないのか、なぜ見えないのか

海外ゲストは、皇室について本当に興味津々です。
贅沢な暮らしを人々に知られると嫉妬されるから、
見えないようにしているのだろうと言う人もいます。
海外ゲストには、分かりにくいかもしれないのですが、
日本の皇室は、質素倹約を旨としています。

初代天皇が即位し、日本建国が、紀元前660年、
神武天皇元年の1月1日、現在の暦に換算すると2月11日。
世界最古の国家であり、天皇家は世界最古の家柄です。
王朝の交代はなく、ひとつの家で一度の例外もなく男系で継承され、
今に至っていることから、外交プロトコルでも、
日本の天皇陛下がいちばん上座に就きます。

イロイロあるにしても、雑音系の話はしないこと!
【重要】皇紀何年目なのかを毎年計算し、言えるようにしておくこと
2021年で、建国から2681年目になります。

ネットを賑せる有名な話としては、皇居を訪れた色々な国々の王族が、
会談をするお部屋に「何もない」ことに驚くそうです。
たしかに、ほとんど何もないのですが、
最高級の材質、最高の匠の技で作られた、
質素でありながら、最高の格式を誇る作りであり、
誰もが、空気の清浄さまで感じ取るといわれます。

皇居を公にしない理由、それは、皇居は神聖な場所だから、
神聖な氣を保つ必要があるからですね。
皇居、皇室は、何よりも、穢れをたいへん嫌います。

そう説明したら、お客様の1人が、私の説明にこう言ったことがありました:
「ぼくたちは、穢れているから入れないんだね」と。
お答え:「そうです。」

ガイドによっては、ゲストを不愉快にさせるようなことを
言うべきではないと考える人もいるかもしれませんが、
わたしは、そのあたりは、正直にお伝えして問題ないと考えます。

補足

聞きかじりですが、風水の説明もしています。
大いなる霊山である富士山から、
大きなエネルギーが3方向から皇居に流れ込んでいるという話です。

最大のパワースポットは、皇居中心にあるらしいく、
それゆえに、この場所に江戸城が築かれたとも言われます。
(江戸城があった場所と現在の皇居の場所はズレがありますが)
よって、敷地内に入れなくても、
日本でも最大級の強力なエネルギースポットなので、
ぜひ、存分に深呼吸をして良いエネルギーを取り入れるように、
それができるのは、ここまで来た人の特権ですよ~と話すと、
ほぼ全員、深呼吸をしまくります。

皇居正門からの景色


皇居正門から見える景色をご案内します。
日本の経済の中心地である丸の内地区は、ほとんど人が住んでいない。
地下は、1平米、3400万円、これも、ゲスト国の通貨に換算しておきます。
あまりにも高すぎて「絶対にウソだ」と言い張る人もいますよ。

行政の中心地である霞ヶ関地区、
桜田門向こうの、大きなアンテアが目立つ警視庁と警察庁、
法務省などの省庁地区などをコメント。
第一生命ビルについては、バス駐車場からのほうが近くて分かりやすいでしょう。

皇居見学は、いがいとあっけないものです。
これまでによく起こったこととしては、正門近くでなぜか皆が集まってきて、
そこで、質疑応答が盛り上がってしまうという事態です。
できれば、バスの中でやりたいと思いますが、
ゲストが「今聞きたい」「いま知りたい」と感じているのがよく分かると、
時間の許す限り、その場所で、皇室のいろいろについて説明をする。

桜田門

もし時間に余裕があれば、桜田門まで行って、
桝形を説明しながら、日本の城の防御についてサワリを説明できます。
FITや少人数で、スムーズに催行できれば、桜田門まで足を延ばせます。
ここで、「桜田門外の変」の話は不要です。
前後関係が分からないと意味不明で混乱するだけですから。
それよりも、目の前にある警視庁、警察庁、法務省などを
ご案内するほうが実感を持っていただけます。

皇居見学終了、出発

バスが駐車場に入って停車してから、見学が終わって出発するまで、
早ければ45分、最長でも1時間以内で回す場所です。

皇居周辺では駐停車禁止

皇居前広場は乗用車やハイヤーも乗降禁止です。
駐車場でしか乗降できません。

車窓となっている場合

「車窓」から見ることなっている場合は、バスのスローダウンをお願いしますが、
混雑状況によっては、ドライバー様も思うようにスローダウンできないこともあります。
できれば、どこかで折り返して、右側・左側のどちらにいるお客様からも、
均等に見えるようにしてもらえるといいのですが、
こればかりはドライバー様と道路状況次第ですから、
お客様にはそこまで言わないことです。

もし、それが可能な場合は、
「反対側から、もう一度通ってくれるそうですよ~~」と盛り上げます!
ドライバー様がサービス精神いっぱで良いお仕事をしていることをアピールするのも、
ガイドの大切な任務のひとつです。
これにより、お客様からドライバー様へのご祝儀に結び付く場合があります。
昨今のお客様はなかなかゲンキンになってしまいたが。。。

皇居東御苑

東御苑まで行く場合は、かなり時間がかかります。
それでも、行程は相変わらずギリギリに組まれていますので、
皆様に協力していただかないと大幅に遅れが出てしまう危ない場所となります。

ツアー前の打合せの時に、東御苑で絶対に見るべきものは何かを、確認すること。
たとえば、三の丸尚蔵館には入るのか、入らなくてもいいのか
どこまで行かなければいけないのか、時間次第で適宜切り上げて戻っていいのか、など。
団体の場合、百人番所から潮見坂を上り、天守閣跡まで行くコースが基本です。
庭園を見たがる人も多くいますが、その場所でしか見られない場所を優先します。
FITの場合は、ゲストの希望優先でいいのですが、団体の場合は行程に従います。

楠公駐車場から大手門まで

団体ツアーで東御苑まで行く場合は、
楠公駐車場から大手門まで歩くだけでもかなり時間がかかるのに、
お客様は写真をいっぱい撮りながらノロノロ歩きます。

大手門まで行く途中、坂下門から見える宮内庁庁舎、
行幸通りと、その先の東京駅を、サックリご案内。
パレスホテルは、トランプ大統領が来日されたときに宿泊。
和田倉噴水公園は、1961年に現在の上皇様のご成婚を記念して整備されたとご案内。

大手門から

大手門から入ったら、高麗門と桝形、鯱を説明。
桝形と鯱は、日本の城の基本なので
あちらからも、こちらからも狙われて、「私達はもう死んでいますね」、
というあたりまでお話します。
次の門をくぐったあと、事務所前を通って通行札を受け取ること
それを無くさないこと、帰りにはそれを戻すこと、をご案内。

集合場所と集合時間は、三の丸尚蔵館前など、分かりやすい場所に決めます。
東御苑まで来る場合、バスを集合場所にすると、迷子が出た時に収集がつかないので、
見学後は、大手門から全員揃って出発します。

見学場所と順路

ツアー前打合せで、見学場所と順路は時間次第でガイドに一任とされた場合、
三の丸尚蔵館には、普通入りません。
入ってすぐ出てくるような小さな所ですが、御一行様30名ともなれば大事です。
さらに、熱心に見て詳しく説明を求められたりすると、時間不足になりますので、
団体の場合は、行かないようにします。
FITや少人数なら、ちょっと立ち寄りましょう。
無料ですし「どうしても入りたい」という人がいたら、
集合時間と場所を指定し、ガイドの携帯電話番号も確認して適宜調整します。
その場合、天守閣跡までは行けないこともお伝えします。
限られた時間内で、あっちもこっちもは行けないのは当たり前ですが、
我儘を言う人に限って、あり得ない文句を言ってくるので警戒しましょう

三の丸尚蔵館に向かって左手にある売店に、皇居説明ガイドや文具があります。
お薦めは、江戸城と今の東御苑の絵が描かれたクリアファイルで、
広げるとA3、半分に折るとA4になるので説明に利用できるほか、
お客様もお土産にも嵩張らず、お手頃価格でオススメできます。
疲れて休みたい人には、飲物を買って座って休む場所もあります。

もっとも、百人番所や天守跡などはどうでもよくて、
なにがなんでも庭園を見たいという方も、臨機応変に対応します。

【最重要課題】出発時刻に遅れないよう、駐車場に戻ること。

皇居内部のこと

皇居、御所、皇居にあるその他の施設、宮邸などにあがられたことがある方へ:
お客様から、皇居に入ったことがあるかと聞かれて、Yesと言うのは構いません。
但し、宮殿や宮邸でのことは黙秘が常識ですから、詳細については慎みましょう。
他国の宮殿でも、事情は同じとお話すれば、分かる人は分かっています。
常識のない人は、なぜダメなのかと食下がってくる人もいますが、
「そういうものだから」とお答えする他ありません。

どの団体にも「そんなの当たり前でしょう」と援護射撃してくれる人がいるものです。
担当する団体のレベル次第で、その程度の常識も分かりそうもないと思ったら、
「行ったことはない」と言っておけば、無難です。

宮殿内などの様子について、公になっている画像を見せるのは構いません。
楠公駐車場や東御苑の売店で販売されています。
宮内庁のホームページにも画像はあります。

これに限りませんが、書籍、図像、動画など、著作権問題には常に注意が必要です。
最近のお客様は、なんでもかんでも写真に撮りたがりますので要注意です。
Your eyes only と言っておくのが最も無難です。
個人的利用だから大丈夫などとという屁理屈に流されて法律違反をしてはいけません。
参賀など、大衆が集まる公の行事について語るぶんには、問題ありません。

メモ

皇居、皇室の項で、不敬になるかもしれませんが、
通訳ガイドの業務対策ですから、お許しいただきます。
これまで、ほぼ例外なく、陛下に側室や愛人は何人いるのか、とか、
ハーレムがどうなっているのか、ということを聞く人が必ずいました。
「不敬」といっても、通用しません。
「いやいや、でもさ、いるでしょ、何人よ?」とシツコイのです。
最近では、某内親王殿下に関するスキャンダルについてもしつこく聞かれます。
国のライセンスを持つ通訳ガイドとして、不敬にならないよう、
上手にかわす話題作りも考えておくことです。

わたしは、当時の天皇陛下が、史上初の恋愛結婚であったこと、
—イロイロなことは言わない—-
どれほど、お二方は仲が良いか、
なぜ、美智子さまをそれほどまでに評価されたのか、についてお話しました。

テニスコートでの恋については、
美智子様は、どんなに難しいボールがきても、けして諦めない。
皇太子妃殿下、いずれは皇后陛下というお立場になるということは、
相当な覚悟ととてつもない努力が必要であることから、
この人なら頑張れるだろうと思われたというお話もしています。
ただ、綺麗なお姉さんだったからというワケではないのですよ。
こんなお話をすると、愛人云々、という話題は次第に消えるものです。

次回は、秋葉原・日本橋・銀座です。

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