【厳重注意】個人情報保護、ツアー情報管理
ルーミングリストをはじめ、
ゲストの個人情報は、
厳密な取扱が求められます。
ルーミングリストには、氏名のほか、
生年月日が記載されている場合もあります。
ゲストの個人情報書類や、
行程表を含むツアー情報は、
すべて厳重管理対象ですから、
体から離すことのないバックに
入れナナメ掛けすること、
と規定している旅行社様もあります。
ゲスト同士で情報をやりとりする分には、
各人の自由ですが、
同じ団体のメンバー同士であっても、
ガイドは、ゲストの情報に関しては、
何一つお伝えしてはいけません!
同じ団体の参加者が、
同じ団体の別な参加者のお部屋に
電話したいと言われても、
ガイドは、ゲストのお部屋番号は、
絶対に教えてはいけません。
ゲストが直接フロントに連絡して、
繋いでもらうのが筋です。
もしも、TL(添乗員)付きのツアーで、
その添乗員が新人のようなら、
念のため、顧客情報については、
一切伝えてはいけないことを確認します。
個人情報保護規則
EU圏内のゲストの個人情報を
紛失した場合は、
24時間以内に報告義務がある
重大案件となり、
それに対する制裁金も
課される可能性が出てきます。
カリフォルニア州消費者プライバシー法
(California Consumer Privacy Act)も
厳しい内容となっているようです。
思わぬ場面で、重要情報を開示していないか、
常に注意します。
特に、ホテルのチェックイン手続中は、
フロントでルーミングリストを見ます;
ホテル担当者とガイドだけが見る分には
問題ありませんが、
無関係の人に見られたら、
個人情報を開示していることになります。
間違っても、移動中の電車内などで、
厳重管理情報を見てはいけません。
リスクは、どこに潜んでいるか
分からないからです。
ルーミングリストを見る時は、
周囲の様子にも氣を配り、
それを出す時間は最低限にとどめ、
他人の目にさらさないよう徹底します。
厳重管理対象情報を扱っている最中に、
ゲストから声をかけられても、
氣をとられることなく、
先に、重要な書類やお財布などを
仕舞ってから、対応します。
大切なことをしている時に限って
声をかけてきたり、
肝心な時に迷惑な問題を起こす人は
いるものですが、そういう人達には、
「困ったちゃん」が多いので要注意 !!!
ルーミングリスト@ホテル
ホテルでチェックインするとき、
各客室の鍵と朝食券が入っている封筒に、
稀に、部屋割りが入っていることがあります。
ゲストに封筒を配る前に、
ガイドが実際にゲストの封筒の中を見て、
間違っても、部屋割りが入っていないか、
確認してください。
極めて珍しいことですが、とんでもないことです。
全員分を見なくても、
2人分程度を確認すれば分かります。
筆者は、そのような事態に遭遇したことがあります。
部屋割が、ゲスト全員の封筒に
入れられていたことがありました。
その時は、添乗員さんと2人で、
慌ててすべてを出し、ホテル担当者にも、
厳重に事態を説明しましたが、
若い人達で、ポカンとしていました。
何事についても、先にガイドが
確認をすることが肝心です。
団体は、赤の他人同士の集まりです。
自分の知らないうちに、
個人情報が知られたとなると大問題。
また、ハント目的も兼ねて
参加している人も中にはいます。
とりわけ1人参加の女性ゲストには、
心配りが必要です。
それは贔屓ではありません。
実際、「そういうコト」で、
トラブルが起こったりするそうです。
それにもかかわらず、
ガイドや添乗員の気遣いを越えて、
イロイロなことになる場合は、
各々の自由ですね。
繰り返しお伝えしているように、
何事についても、
ガイドのせいだと非難されないよう
予防対策が必要ということです。
苗字が異なるカップルがいっぱい。
最近は、結婚せずに一緒に住む
カップルが多いからですが、
中には、上記の例のように、
自分の配偶者ではない異性と、
お忍び旅行をする人達もいるわけです。
それ自体は、ツアー催行とは
全く関係ありませんからね~。
どのような関係であろうと、
私達にとっては大事なお客様です。
”そういう関係”を、
一体どうやって嗅ぎつけるのか、
他のゲストさんたちから、
「あの人達は不倫よ」と、
耳打ちされて、驚いてしまいます。
なんで分かるのかと聞けば、
そんなの理屈ではないと、
「行動を見てれば分かる」のだそうです。。。
団体旅行に参加した人がいました;
なぜか、それを嗅ぎつけた
本来の配偶者が連絡をしてきて、
どこかからか情報が洩れて、
ツアー中に修羅場が展開された、
そういう事態に直面した経験があったと、
上記でご一緒したTLが話してくれました、
怖い怖い。
【厳重管理】各種クーポン券や チケット関係
ゲストの個人情報以外にも、
行程を含むツアー関係の書類、
JRチケットや団券、
各種クーポン券などの管理は、
厳重に管理します。
JRチケットや団券は、
ツアー情報が記載された金券です !!!
JR利用に際しては、当たり前ですが、
原本がないと乗車できません。
指定列車や指定席をメモしていても、
コピーを取っていても、ダメです。
チケットを紛失すると、
ガイドが弁償しなければなりません。
JR利用が記載された巨額な金券です !!!
たとえば、
東京~京都~広島~姫路~新大阪、
新幹線20人分の金額は、
どれほどになるか考えてみれば、
団券の重大さが分かるでしょう。
最後の駅で団券を駅員さんに渡す時の安堵感は、
何物にも代えがたいとさえいえるほどえす。
減員がある場合は、厳重に保管し、
清算書と共に旅行社に送り返します。
さらに多くの新幹線や特急を
利用するツアーもあります。
団券ではなく個札の場合は、
「絶対に無くさないよう」繰り返しお伝えします。
飛行機利用の場合も同様です。
JR団券の取扱の事故例
- 実際に駅の改札で団券を係員に提示した
タイミングで、ゲストがアホな行動を
しているのに気を取られているうちに、
氣がついたら団券がない・・・ - 新幹線のホームで、ゲストが写真撮影に
夢中になるあまり、危険なので、
黄色い線まで下がらせる対応をして、
氣がついたら団券がない・・・ - JRのカウンターで係員とやりとりを
している時に限って、ゲストから、
声をかけられて対応していたら、
団券がないことに氣付いた・・・
以上は、実際に起こった事故のアレンジです。
決して離さない。
団券を出している時間は、
必要最低限にする。
改札で駅員さんに見せたら、
すぐに鞄に仕舞う。
そのために、号車や座席番号は、
別な紙に、筆者の場合は行程表に、
あらかじめメモしておいて、
オリジナル団券を出す時間を
最低限にするようにしています。
別な団体ツアーを観察していると、
通訳ガイドが、いちいち団券を出して、
座席番号を確認しているのを見ると、
見ている方が、冷や冷やしますよ。
ゲストへの対策
肝心な時に限って奇妙な行動をする人は、
いるものです。
長距離列車を利用するときには、
注意事項が多いので、ガイドに従うよう、
事前に何度も注意喚起して協力を呼びかけます。
ゲストは切符を持っていないので、
はぐれたら乗れません。
団体ツアーは、本隊メインで動きますから、
ガイドの注意を聞かずに勝手な行動をして、
利用予定の列車に乗れなかったら、
別途、自分で切符を買い、
その日の宿まで来てください、
ということまでお伝えします。
2007年に新人研修を受けたときは、
そのように教わりましたので、
教わった通りにご案内していたら、
ある時、
「人を脅かすようなこと言うなんて意地悪」
と言われ、カチン!ときました。
全員に団券を見せました。
その金額を見れば、重大さが分かるはず。
脅しでも意地悪でもないことを示しました。
ガイドの注意事項を守ってくれれば、
スムーズにいく話です。
分からず屋は、ごく一部ですが、たまにいます。
JR係員にちょうど団券を見せている時に限って、
騒ぎだすゲストはいるものです。
「お財布をなくした」「忘れ物をした」と、
大声で騒がれると、気を取られがちになりますが、
団券を確実に仕舞ってから対応しましょう。
最優先で守ります。
現金、クーポン類、JRの切符や団券は、
絶対になくさないこと。
ガイド自身の対策
とても簡単、言うまでもないことですが、
改札を通る時に団券を係員に見せ、
OKなら、すぐバッグに仕舞う。
【注意】減員があるときは、
減員情報記載とハンコをもらうこと。
できる限りバッグから出さない。
駅ホームでの対策
時には40名近くを新幹線に乗せる場合もあります。
実際の利用列車名、利用号車、指定席番号は、
行程表にメモしておきます。
それとは別に、列車利用時は、
指定席番号メモを作っておき、それを参照します。
座席番号もツアーの重要情報ではありますが、
万が一無くしてもツアーに影響しません。
【携行金】旅行社から預かるツアー中の携行金
筆者が心配性で貧乏性なだけでしょうが、
携行金(ファンド)のお財布には、
丈夫なゴム紐を付け、
バッグに結び括り付けています。
もしも手から落ちても、
物理的に下に移動するだけで、
行方不明にはなりません。
お財布やバッグのファスナーは、
必ず締めること(当たり前ですが)。
わたしは、常に身に付けておく
バッグには貴重品だけを入れ、
その他のものは別持ちしています。
各々、できる限り安全な対策を
考えて実施しましょう。
食事制限も個人情報の対象
食事店様には、食事制限のある人について、
お名前様はお伝えしません。
何名様が、何の食事制限である、
という伝え方をします。
これも個人情報ですから厳守必須。
その人が家族やグループと離れないような
席割やその人数は、お願いできます。
個人情報保護開示が場合によっては許される場合
ツアー中に誕生日の人がいて、
みんなでお祝いをする場合は、
その月日のみ、
みんなに分かることになります。
【年】はダメ。
ツアー中にお誕生日の方がいると
事前に分かっていれば、
ツアー担当者から指示があります。
何も言われなかったら、
お誕生日の人がいないかどうか、
聞いてみましょう。
最近は、個人情報保護の観点から、
生年月日の記載が激減しましたので、
お誕生日を迎えるご本人が自分から言い出すか、
家族の方が言わない限り、
分からないことが増えました。
直前に分かっても、
お祝い対応ができなくて困ってしまいます。
誕生日対策準備
突然発覚するお誕生日問題にも、
前もって対策を講じておきます。
お手頃予算で、かさばらず、
老若男女を問わず使えるものを、
常にスタンバイさせます。
綺麗な絵柄のクリアファイル等の文房具は、
必ずしも日本的絵柄である必要はなく、
綺麗なものならOK。
扇子:本格的なものは高級品なので、
そこそこのもの。
ツアーのランクも考慮する。
ツアー中にゲストが見つけられない。
お菓子など食品は好き嫌いが激しく、
日持ちもしませんし、
アレルギーも多いので、食品のギフトはNG。
お誕生日を知られたくないゲスト
ある時、御1人様参加の女性のお誕生日が、
現地エージェントから日本側に、
前日になってから伝えられたことがありました。
念のためにご本人に、お誕生日のことを、
皆様にお知らせしてもいいかどうか尋ねたら、
希望しないので黙っていてほしいと言われました。
事前に旅行社から指示されている場合を除き、
お誕生日でも、ご本人の了解なく
個人情報を開示しないこと。
個人情報・重要情報のまとめ
個人情報の管理の徹底は、
各旅行社で運用ルールが決まっています。
毎回、面倒がらずにかならず熟読し、
慣れていても気持ちを引き締めて、
個人情報の漏洩がないよう管理を徹底します。
ツアー終了後、早めに必ず、
シュレッダーにかけます。
心配なら、すべて精算書と一緒に送り、
自分の手元には残さないこと。
PCのデータは、精算が終了し、
お支払いをいただいた時点で、
関連データをすべて消去します。
万一、ウイルス感染などで
PCを乗っ取られたりして、
あなたのPCから、ツアー・ゲストの
個人情報が漏洩することになれば、
損害賠償請求の対象にもされかねません。
さらなる機密情報【おまけ】
通訳案内士の業務料金表も機密情報です。
たとえ同業者同士といえども、
勝手にその内容を知らせてはいけません。
実際は、まぁバレバレとはいえ、
勝手に開示してはいけません。
必要があれば、旅行社様から
直接ガイドにその情報が伝えられるのです。
ゲストの個人情報と同様、取扱は厳重注意。
次回は、バス(貸切バス)についてです。
21. 【新人】通訳ガイド:貸切バス(専用車)
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