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1. 【新人】通訳ガイド:オペレーション【概要】

オペレーション

1. 業務オペレーションの概要

このブログは、通訳案内士として、
皆様が、初仕事からスムーズに、
お客様をご案内できるように
支援するナビゲーションです。

通訳案内士試験に合格後、
各都道府県へ登録を済ませた後、
旅行会社様からの、
実際のお仕事アサインを前提として
お話します。

稼働スタンバイ状態にする

新型コロナ感染拡大により、
2020年のガイド業務は、消滅してしまいました。
それから、日本だけが周回おくれを繰り返し、
2022年秋、インバウンドは僅かに回復、
2023年春は、かなり回復いたしました。
まだ以前ほどではありませんが。

2011年の東日本大震災の後も、
インバウンドは壊滅的な打撃を受けましたが、
戻る時は、怒涛のように業務が急増し、
旅行社も対応に追いつかないほどでした。

2022年1月、春に向けて集客は揃い、
日本政府のGOサインを待つだけだったのに、
さらに、日本政府は、更なる鎖国を決定し、
またしても、仕事はすべて消滅しました。

今後も、このようなことが発生したら、
そのような時期に、
原稿の加筆訂正や、資料調べ、
現地調査など、下準備をしておくのです。
綿密な下見をして動線を覚え、
自然と体が動くようシミュレーションをしたり、
実際に現場を歩くなどして実践力を蓄え、
常に、稼働開始スタンバイ状態にしましょう
準備不足のまま、無理にお仕事を受けると、
ゲストに喜んでいただけないだけではなく、
最悪の場合はクレームになりかねません。

新人といえども、クレームがついたら、
暫くはお仕事を干されます。
ごく最初のうちは別として、基本的には、
同一労働同一賃金ですから、
新人という言い訳は一切通用しません。

国家資格を持った全国通訳案内士として、
業務をするからには、全員がプロなのです。
ポカをすれば、同業者全員に迷惑がかかることを
肝に銘じてください

オペレーションの重要性

通訳ガイドの初仕事、
あなたは、自信を持って
オペレーションできますか?

通訳ガイドとして業務に就いたら、
日本に関する様々な事象について、
流暢な外国語を駆使して、来日ゲストに、
色々な説明をするイメージが強いでしょう。
もちろん、そうですが、
基本オペレーションができなければ、
ガイディングどころではありません。

当たり前ですが、初仕事から、
プロとしての立ち廻りが求められます。

  • 行程のすべてを把握していること
  • 豊富な情報を持つ経験豊かなプロであること
  • スムーズで効率的動線でのご案内
  • 相応の語学運用能力があること

通訳ガイドとしてのキャリア

「このガイドさんは、もしかして新人?」
と思われてもいけません。
初仕事で、ゲストから業務経験を聞かれたら、
「まだ10本くらいです」
「10本ちょっとくらいですかね」 
程度に答えるのが定番と言われています。
ゲストは、ほんとうに、
「何年くらい、ガイドをやっていますか?」と
聞いてきます。
軽い気持ちで、聞いてくる人もいれば、
新人かもしれない?と疑って、聞く人もいます。
これまでのツアー本数を聞いてくる人もいます。

プロフェッショナルと信じ込ませる!

言葉も風習も分からない国にやってきて、
たった1人だけ便りになる存在が
通訳ガイドなのですから、誰だって、
自分達の通訳ガイドが優秀であり、
”信頼して全てを任せられる人である”
という確証を得たい
のです。
その第1の判断基準が、
オペレーションなのです。

【ツアーの回し方】とも言います。

団体旅行で訪日するゲストは、
かなり旅慣れており、
ガイドの経験値を簡単に見抜きます
その結果、どうやら新人らしいと
思われたとしても、
オペレーションがスムーズなら、
ゲストは安心します。
なぜならば、
全行程を無事に見学すること
それが最重要課題だからです。

ガイドが信頼されてこそ、
説明が耳に入り、内容が届く
のです。
ガイドが信頼されなれていなければ、
どれほど素晴らしい語学力で説明をしても、
ゲストの耳には届きませんし、
ガイドの言う通りに動いてはもらえません。

通訳ガイドは、
行程を催行する業務上の指揮命令責任者

御一行様を率いるリーダーですから、
「この人に付いて行けば大丈夫!」
と思わせることが肝心
です!

2. オペレーション編の内容

通訳ガイドとしてのデビューに備え、
通訳ガイドの必須スキルと詳細について、
順次お伝えいたします。

  • ガイド業務前の準備
  • 旅行会社との関係
  • ツアーの構成
  • 貸切バス(専用車)
  • ツアー中のオペレーション諸々
  • 訪問地の動線
  • 不測の事態
  • 病気・怪我の発生と対応
  • 筆者の失敗談
  • その他

通訳案内士の業務とは

行程という筋書きの舞台に、
様々な大道具・小道具となる事柄を整え、
特徴あるゲストが、色々な役割を演じる
舞台全体の指揮する総合舞台監督
日々発生する多種多様な不測の事態にも、
臨機応変な対応
が求められます。

3. 業務前の下見

下見をする順番

下見に出かけたら、見学の動線と、
必要なオペレーションを確認します。

下見は、居住地近辺から始めるのがお薦め。
関東在住なら、東京都内、鎌倉、箱根、日光。
関西在住なら、京都、奈良、大阪、姫路、
岡山、広島の一般的見学場所。
さらに余裕があれば、直島や高野山など。

たとえば、関東在住の人が、
京都や奈良などの下見から始めるなど、
居住地から遠い場所の下見から
始めても問題はありませんし、
モチベーションも上がるでしょうが、
ふつう、新人の初仕事はホームベース周辺で、
awayはその後が一般的です。

下見は初期投資

下見にかける投資がいつ回収できるかは、
見当つきませんが、
ある程度の見学地の下見が済んでいると、
旅行会社様に対しては、
大事なアピールポイントになります。
そもそも、新人は使わないと決めている
旅行社様もありますので、
まずは、どのツアーでも必ず行く見学地を、
押さえておくことが肝心です。

繁忙期に人手不足になれば、旅行会社様も、
”とにかく空いてる人”を探すわけで、
その時こそが、新人のデビュー戦になります。
お仕事をアサインする際に優先されるのは、
現場を知っており、
スムーズにツアーを回せそうだと判断される人。
そうなのです、語学力やガイディングよりも、
スムーズにオペレーションできるかどうかが、
優先されるのです。なぜならば、
オペレーションがスムーズにできないと、
ツアーそのものが成立しないからです。

毎年春、桜の季節に、来日ゲストが集中します。
中堅以上は、かなり前からロングツアーが
アサインされていて、空いていません。
FITは、直前に決定することが多いのですが、
新人ガイドのデビュー戦は、FITがほとんどです。
また、アサイン済みのガイドが、
何らかの事情で予定ツアーができなくなり、
しかもそれが繁忙期の場合の場合も、
新人に声をかけざるを得なくなり、
FITもやったことのない新人が、いきなり、
ロングツアーを担当する可能性も出てきます。
そのようなケースは、英語では稀とはいえ、
いくつかの例を聞いていますし、
他言語なら、新人でも、合格翌年から、
団体ツアーをアサインされる可能性があります。

2023年には、3年分の合格者が
一斉にスタートラインに並びます。

当たり前ですが、合格年度順に
アサインされるわけではありません。

通訳ガイドの信用の生命線

素晴らしい語学力で、
優れたガイディングを展開しても、
オペレーションで躓けば、
ガイドの信用は一氣に失墜します。
行程に記された訪問場所を
すべてスムーズに見学できないと、
契約違反になってしまうからです。

新人研修だけでは不十分

訪問場所がどこであれ、一度下見をすればOK。
あとは、業務で同じ場所に行くたびに、
少しづつ追加情報を蓄積していけばいいのです。
改装工事、博物館などの展示替え等は、
再度行ければ理想的ですが、
何度か行った場所なら何とかなります。

毎年、通訳案内士試験の合格発表後に、
通訳案内士の各団体が行う新人研修に
参加できればベストですが、
日程や人数制限もあり、
参加できない方も多いでしょうし、
限られた時間では、伝えきれないことも多く、
新人研修への参加が、下見にはなりません。

実際、新人研修に参加しても、

「まさか、今日来ただけで、下見も含めて、
全部カバーできたとは思っていないでしょうね。
あとで、自分で下見をして確認してください」

と言われます。
新人研修では、駆け足で主な動線を辿るだけです。
新人研修に参加する人達は、
免許取り立ての新人ガイドばかりなので、
皆熱心で、講師の言う通りに動きますが、
実際のゲストは、各々勝手動きます
もちろん、新人研修は有益でしょうが、
どのみち、改めて下見をする必要がありますし、
研修に参加する場合でも、
事前に色々分かっていると理解が深まります。

4. 求められる通訳案内士とは?

有名観光地の説明表示は、
加速度的に多言語化しました。
スマホアプリの通訳・翻訳機能も
飛躍的進化を遂げました。
3万円程度の多言語自動通訳機があれば、
簡単な内容なら通訳者は不要です。
大都市圏では、電車内のアナウンスも、
バイリンガルになっています。

スマホややタブレットのGPSを使えば、
迷わずに道を歩くことができ、
電車の時間や料金はもちろん、
各駅でのホームの発着番線まで表示されます。

 

では、通訳ガイドに期待されることは何でしょう?

  • 現地の人と交流を持ちたい。
    その現地の人が、通訳ガイドでもあります。
  • 歴史や地理、観光地の情報を、
    臨機応変にゲストの疑問に応えてほしい。
  • ガイドブックに書かれていない
    話題や情報を伝えてほしい。
  • 困った時に手助けをしてほしい。
  • 安心して旅をしたい。
  • 世間話にも付き合ってほしい。
  • お父さん、お母さん、先生であり友人。
  • 究極:すべて任せられる人にいてほしい。

通訳ガイドは講師ではない

様々な情報をゲストにお伝えするのは、
ガイド業務の生命線ですが、
Wikipediaやミシュラン等のガイドブックの
内容やデータを語るだけなら、
通訳ガイドは必要ありません。

いい想い出を作る演出家

ゲストにとって、最も身近な現地人が、
通訳ガイドです。
ゲストは、せっかく旅行に来たのだから、
現地の人と仲良くなり、
世間話も含めた色々なことについて、
親しくお話したいと思っています。
団体が大家族のようにまとまって、
皆で楽しく過ごすことが一番大事。
限られた時間と状況のなかで、
「素敵な想い出」を作る演出家になり、
あの人と過ごせて良かったと、
思っていただくことが一番大事です。

筆者は、「笑っていただいてナンボ」
という感覚を、いつも大切にしています。
旅行中、できるだけ多くの時間を
笑顔で満たしたいと思うからです。

通訳ガイドの使命

ITCの飛躍的進化を駆使してツアーを回し、
お客様に有益な情報をお伝えし、
みんなでよく笑い、楽しい時間を共有し、
大変なことがあっても一致団結し、
お客様を幸せな気持ちにすることが、
通訳ガイドに期待されている使命です。

正直、激務ですし、必ず諸問題が発生し、
精神的なプレッシャーも多い業務ですが、
ゲストの皆様との交流を通して、
面白い発見も沢山あります。
ゲストにご満足いただける、
いい想い出になるツアーは、
ガイド自身もハッピーになって実現します

通訳ガイドは、
ツアーという総合芸術の舞台監督ですから、
どれほどICTが進んでも、
人間にしかできないお仕事ですよ。
AIには、絶対に無理!

【外交】の意識

通訳案内士は、民間外交官とも言われます。
”外交”の第一義は、国益を守ること、
そのために調整・交渉をすることです。

交渉とは、一方的ゴリ押しを許さない
能力のことで、通訳ガイドにも必要不可欠。

業務中は、ゲストを守る立場として、
グループの仲間同士として動きますが、
常に、ゲストに対する警戒心は解くべからず。

政治・外交・軍事はセット;
外交が失敗すると戦争になり、
戦争も外交で解決可能なこともあります。

通訳案内士という、日本政府の国家資格で
業務を行うからには、あなたの国籍を問わず、
日本の国益を守る立場で業務をすること。

勿論、嘘はダメですが、ものは言いようです。
ゲストの中には、故意に日本の長い歴史を
貶める発言をしてくる人もいますが、
日本は、世界で最も長い歴史を持つ国家です。
悠然と構え、ニッコリと笑って、
淡々と事実を説明しましょう。

ツアーの締め括り(ガイドの使命)

最後にお別れする時、
「ほんとうに、沢山のことを教えてもらえた」
「実に、楽しい時間をすごすことができた」
「日本のことを、本当によく理解できた」
と言ってもらえるよう、能力を鍛えましょう。

ほとんどのゲストとは、一期一会。
「あの世でまたね!」と言い残す人もいます。
そう考えると、あの世では、
膨大な数の知り合いと再会できそうです。
≪袖触れ合うも他生の縁≫ならば、
見知らぬ人同士が、初めて顔を合せた瞬間から、
短くても1週間、長ければ2週間、
あるいはそれ以上の間、
朝から晩まで一緒に過ごすのですから、
相当深いご縁のある方々に違いありません。
珍しく貴重な体験ができるお仕事なのです。

次は、このブログを書く理由をお話します。

2.【新人】通訳ガイド:業務オペレーション【この記事を書く理由】

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