ブログの活用法を記事にしました。

15. 【新人】通訳ガイド:通訳ガイドの語学力【不測の事態と通訳】

オペレーション

通訳ガイドの語学力

ツアーが予定通り何事もなく催行され、怪我人も病人も出ず、
ゲストが想定外の質問をしないという限りにおいては、
高度な語学力は必要ありません。
しかし、何事も起こらないツアーは、レアケース
対応が必要となる不測の事態の定番は次の通りです。

食事、食材、食事作法、アレルギー関係

食事は、お客様の満足度を大きく左右する超大事な要素です。
あるベテラン先輩は、こうお話していました:

ホテルが良くて、食事が美味しければ、
それだけで、ツアーは成功したも同然。

ほんと~にその通りですが、そんな団体旅行は、稀です。
多くの場合は、団体旅行用の”それなり”のお食事でも、
楽しく、美味しいと思わせるように演出することも、
通訳ガイドに求められる超重要スキルのひとつです!
故に、料理系の語彙や表現力が大い必要となります。

アレルギーなど食事制限関係に関しては、↓こちら。
25. 【新人】通訳ガイド:食事制限・好き嫌い問題【切実】

食事制限ゲストの座席問題

多くの食事店様は、そうした特殊ゲストのお料理を、
分かりやすい場所に配膳したいと希望されますが、
えてして、ハジッコにされがちになるため、
ゲストが嫌がることも多々ありますから、
座席に関しても、必ずゲストの了解をとらないと、
文句の原因になります。

団体旅行でそのような人が複数人いる場合、
正直言って、やってられませんので、筆者は、
「間違いを避けるため」「追加対応に応じやすくするため」などと言って、
ゲスト本人の口からOKを言わせるように誘導しちゃいます。
団体なのに自分が特殊だからと遠慮して快諾してくれる人もいれば、
「権利」を主張してゴネる人もいます。
後者の場合は、「困ったちゃん」である可能性がありますので、
よく観察して、クレームを言わせないような対策が必要になります。
いずれにしても、何事も、本人に決断させることが肝心!

アレルギー客にかまけていると、こんどは、他のゲストが、
ガイドがアレルギー客を依怙贔屓していると感じてしまうらしく、
「なんで、そこまで氣を使わなきゃいけないのよ。
そんなに思い通りにしたいなら、団体旅行ではなく、
個人で来ればいいじゃない」と耳打ちしてきたりします。
その通りですが、私達ガイドが言っちゃダメなのですね~。

アレルギー問題は、命に係わることもありますので要注意。
食材系、調理方法、食べ方、美味しさの表現など、
食事関係の語彙と表現は、多ければ多いほど、
ツアーを盛り上げることができます。

 

食材と料理法、和食の基礎知識とその訳語と説明、
和食全般、会席料理、懐石料理、精進料理に関する説明、
和食のいただき方と作法を、淀みなくお話できますか?

お箸を持つ順序と持ち方、お箸のマナーを、
スムーズに担当外国語で説明できますか?
ゲストから聞かれる前に、食材や調理法、食べ方はご案内し、
≪実際より美味しく味わっていただけるよう≫にするのです。

自然災害と列車の遅延・不通

台風や大雨などの天候不順、自然災害などによって、
乗車予定だった列車や新幹線が大幅に遅れることは、時々あります。
大幅に遅れても動けば何とかなりますが「不通」は、大変困ります。

自然災害は不可抗力ですから、
行程の一部が催行されなくても問題ありませんが、
—ゲストのご機嫌はもちろん下がりまくりますが—
その日のうちに目的地に着かないと、泊まるところがなくなるのです。

通訳ガイド業務をすれば、そのような事態に遭遇する日が来るでしょう。
ただでさえ統率しがたく、動き回って迷子になりそうな人をなだめて、
語学力、精神力、気合、忍耐、余裕の演技力と笑顔で、ツアーを回すのです。
不測の事態におけるガイドの対応は、ゲストも、ことのほか、
注意深く観察しており、全体の評価にも大きく影響します。

行程変更が発生する場合は、必ずツアー担当者に連絡をして指示を仰ぎます。
ゲストには、現状と今後の予測を説明し、不安感を取除きながら、
ベストな選択をして、ツアーを続けなければなりません。
ついでに、ガイドが勝手に動いているのではなく、
すべて、旅行社のツアー担当者に連絡のうえ、
その指示に従っているということも、併せてお伝えします。
事態が悪化した時に「ガイドのせいだ」と言われかねないからです。
(いつ何時も保身を考える)
不足の事態が起こっても、状況が許す限りにおいて、
何か楽しそうなことをしたり、お話をするなどして、
不安を少しでも遠ざけ、楽しい時間を作るよう最善を尽くします

【註】必ず楽しい話をしなければならないという意味ではありません。
怪談とかでもいいんですよ、ゲストが嫌がらなければ。
日本の昔話は、どのような状況でも、たいへん好まれます。

病人、怪我人

若干の体調不良ならば、薬局へお連れして薬を買ってもらいます。

ガイドが持っている薬をゲストにあげてはいけません;
絶対にダメ!!! 頼まれてもダメ!!!
「その薬は飲んだことがあるから大丈夫」と言われてもダメ!!!
医師でも薬剤師でもない人が、薬を処方すると薬機法違反になります。

薬局では、体調不良の症状説明し、ゲストが今飲んでいる薬があれば説明し、
アレルギーの有無や、その他諸々についてのやりとり、
買った薬の内容、飲み方なども、薬剤師さんの話を通訳します。
たいしたことないように聞こえるかもしれませんが、けっこう大変です。
一般的な体調不良関係の用語は、いつでも言えるようにしておくこと。
また、婉曲表現で体調不良を訴えてくる人もいます;
確実に意味を捉えられていないと感じる場合は、
こちらからは、直接的な表現で構わないので必ず確認すること。

必ず、専門用語が出てきますから、辞書があると圧倒的に便利です。
スマホのアプリで便利そうな辞書を、入れておきましょう。

通訳ガイド業務では、病気・怪我・薬関係の語彙は、絶対必要です。

専門分野の問題になると、まぁ英語しか情報がありませんが、
アルクが【キクタンメディカル】シリーズが出版されています。
1. 人体の構造編
2. 症状と疾患編
3. 診察と臨床検査編
4. 保険医療編
5. 看護とケア編
6. 薬剤編
このうち、通訳ガイドに最も必要とされそうな、
2.の症状と疾患、6.の薬剤の2冊は、
Kindle Unlimited対象になっています!
音声もゲット可能。(回し者ではありません)
用語に日本語で説明があるところも高ポイント。
英語以外でも、西欧言語の方は、あると便利です。
Kindleのメンバーならぜひ、ゲットをお勧めします。

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誰かが「ドラッグストア」へ行くとわかると、
一緒に行きたいという人達が現れます。
薬以外の色々な商品がお目当て。
特に、移動中に、バスをどこかに止めたまま、
ドラッグストアへ立ち寄ることになる場合は、
一緒に行く人の人数を確認して出発すること。
バスで待機している間にも、必ず外に出て、
ウロツク人がいますから、出発前には必ず人数確認をお忘れなく。

クリニック

ゲストをホテル近くのクリニックへお連れすることもあります。
通訳すべき内容は、薬局のときと、ほぼ同じです。
外国人は全額自費になりますから、行く前に保険の話をします。
自分の保険会社と協議してから、医師の診察を受けるかどうかを決める方もいます。

保険会社に払戻手続きをするには、診断書が必要です。
診断書の料金は、6000円+税 以上の料金がかかります。
通常、診断書は日本語ですから、
帰国後に法定翻訳が必要となりますが、翻訳費用は分かりません。
診断書をもらい、法定翻訳をしてから保険払戻手続きをすれば、
かえって高くつくこともありますので、状況次第で判断します。
筆者の経験では、数千円程度の診療費なら、
そのままという人ばかりでした。
1回の診療で症状が治まって数千円で「安かった」と言う人もいました。

診断書を、「簡単でいいから、訳してよ」と頼まれても、応じないこと。
公式文書は、法定翻訳が必要で、半端に介入をすると、
かえって誤解が生じ、ご迷惑がかかりかねないと、
論理だてて説明すれば、普通は大丈夫です。
とはいえ、結局、病名など伝えないわけにはいかないので、
「これは公式な翻訳ではない」という点は強調しましょう。
(ほんと、メンドクサイ)

受診するクリニックに行く前に、営業時間を確認するときに、
外国人を連れて行くが、全額自費での概算費用を聞きます。
みんな、答えに困ってしまうのです、
そりゃそうです、見てみないと分からないのですから。
それでも、ゲストの症状を簡単にお伝えして、おおよその予算を聞くのです。

ゲストが体調不良となり、ガイドが病院へ付き添うかどうかは状況次第です。
繰り返しになりますが、必ずツアー担当者の指示に従うこと。
ツアー催行中は、ガイドは本隊を動かすのが先決ですから、
日中にクリニックへ行くとなれば、
ゲストの負担で通訳を依頼する必要が生じる場合もあります。
まだまだ、外国語が通じるクリニックや病院は、稀です。
「英語OK」という医院を探してもらって安心したら、
全然ダメ、話し慣れていないだけかと思ったら、
書いても全くダメだったということもありました。
ましてや、それ以外の言語が通じる医院など、
まぁ、ないと考えるべきです。
しかも、地方での外国語対応は絶望的といっていいでしょう。

現実問題としては、団体旅行に参加するゲストが、
医院へ付き添ってもらうために通訳を雇うということは、
費用的に、かなり非現実的な選択となるため、
夕方に観光が終わったあとから夕食までの時間に、
ガイドが付き添ってあげる、ということになりがちです。
僅かばかりの休憩時間が全部消滅するわけですよ(@_@~!!!

ゲストが体調不良になった場合は、薬局で薬を買って済む場合でも、
念のため、ツアー担当者に状況を連絡し、指示に従います。
クリニックや病院へ行く場合は、受診前にも受信後にも、
ツアー担当者と連絡を密にして、状況を報告します。

救急車

まだ駆け出しだった頃、人生で初めて救急車に乗りました。
その日は、東京から伊勢までバスで移動する日でした。
朝に弱い筆者が、その日に限って、予定時刻よりもかなり早い時間に、
いつでもチェックアウトできるようスタンバイできてしまい、
部屋から出ようとしていたところ、
朝の6時40分に、ホテルのマネージャーから電話があり、
ウチのゲストが客室内で、ナイトテーブルの角に頭をぶつけ、
頭から出血してフロントに来て大騒ぎにになり、
救急車を呼んだと言われたのでした。

すぐに、ツアー担当者に連絡して指示を仰ぎ
バスのドライバー様にも連絡し、私達の荷物だけをバスに乗せ、
本隊はガイド無しで出発することになったのでした。
この時は、旅行社のツアー担当者の指示だけではなく、
団体のツアー・リーダーである組合長さんの希望も聞いて、
そのように決まりました。

この事件のときの率直なガイドの心情
ゲストが怪我をしたのは大変なことですが、客室内でよかった
ゲスト自身の責任ですからね。
ツアー催行中だったら、ガイドの責任問題にもなりかねないところでした。

このときは、近くの病院の脳外科へ行ったところ、
レントゲンでは異常無し、傷も浅く心配ないとのことでした。
頭部は血管が多く、小さな傷でも大量に出血するため、
驚いてしまうのだそうです。
診察、レントゲン検査、薬代込で、全部で1万円くらいでした。
それに対して、6000~7000円払って診断書を依頼し、
それに法定翻訳料金を払ってまで、保険金を請求しますかね?
診断書や法定翻訳料金も、保険金請求の対象になるかどうか?
そこが問題です。

診察代、診断書料金、法定翻訳などの個々の状況や条件は、
すべて明確にお伝えすることは必須不可欠ですが、
上記のような費用がかかる診断書をどうするかなどは、
ゲスト自身に判断してもらいます

急性心不全【タクシーで大病院へ】

4か所もバイパス手術をしていたという87歳のゲストが、
急性心不全と診断され、ツアー4日目にして、
「搭乗拒否されないうちに、帰国せよ」との診断で離日しました。
長~い話になるので割愛しますが、
筆者のほうが、急性心不全になりそうでした。

この場合は、費用がどのくらいになりそうか、
まったく見当がつきませんでしたが、
大病院で、クレジットカードが使えたのでとても助かりました。
クレジットカードが使えるかどうか、行く前に聞いておくと便利です。

怪我人、病人が出たら

直ちに、ツアー担当者に連絡して状況を伝え、指示を仰ぐことが最優先事項
団体の中に、お医者さんや看護師さんがいることもありますので、
協力をお願いいたしましょう。
クリニックや病院で診断してもらうにしても、
同国人の医療従事者がいると心強いものです。
病院へ行くまでの間の救急処置も、いろいろと知恵を出してくれます。
「自分はいま休暇中。仕事しに来たんじゃない」と言った医師には、
周囲がドン引きしたこともありましたが、レアケースです。

いわゆる「通訳」

訪問地で説明員や学芸員の通訳をすることがあります。
もっとも代表的な場所は、酒蔵です。
工場見学、製造工程見学、窯元などが行程に入っていたら、
いわゆる通訳業務としての準備をします。
企業系の工場通訳などの場合、資料は必ずもらいましょう。
旅行社の担当さんのなかには、「通訳業務」がいかなるものか分からず、
通訳=魔法使いみたいに考えている人も多いので、
資料が必要となる説明が必要かもしれません。
  
酒蔵や美術館・博物館は、多くの場合サイトがありますから、
各施設様のサイトを参考にしましょう。
事前に単語帳を作り、必要な説明を担当言語に直して準備します。
翻訳しておいて、原稿を持参すれば、かなり役立ちます。
当日、若干内容が変わっても、下準備をしていれば、
たいていのことには対応できるようにしておくこと。

固有名詞の説明には、少し工夫が必要です。
酒蔵で、山田錦(やまだにしき)をそのまま言っても、
それが何なのか分かりません。
人物でも、豊臣秀吉(ひでよし)といっても、
それが誰のか分かりません。
「え~~~、ヒデヨシを知らないの?!」と驚かれたりしますが、
その方は、ゲストさんの国の歴史上の人物を知っているのでしょうか??

たとえば、山田錦なら、日本酒作りに用いられる米の代表的な品種、とか、
豊臣秀吉なら、16世紀後半に活躍し、日本を初めて統一したと言われる、など、
手短にそれが何なのかを補足しないと、ゲストは理解できません。

通訳もスムーズにできると、ゲストの評価が爆上がりします。
立場を置き換えると、自分達のガイドが能力の高い人だと分かれば、
誰だって嬉しいでしょうし、さらに信頼感されます。

訪問場所次第ですが、説明員さんを依頼できる場所では、お願いしましょう。
ボランディアガイドさんでも、ゲストには「学芸員さん」と紹介します。
≪わざわざ感≫が緊張感を漂わせつつ現場を盛り上げ、
ガイドが通訳をすると、大人数の団体でも、真剣に話を聞きます。
欧米系ゲストは、情報を非常に大切にします。
専門家がわざわざ説明してくれる内容が通訳される、
そのような体験は、大いに特別感を演出できますので、
ぜひ有効活用することを、お勧めします。

大勢で全然まとまらない団体でも、
「学芸員さん」が登場すると、かしこまって直立不動になり、
ほんとうに真剣にお話を聞くのです。
たとえ僅か10分程度でも、非常に充実した時間になります。

行程に余裕はありませんから、
「時間ギリギリなので、10分以内でお願いしたい」などと、
希望をお伝えしておきます。
あまり長くなるとゲストも飽きてきますので、
適度な緊張感が続くのは10分程度でしょう。

初めての場所で、いきなり、
「ボランティアガイドがいますので、説明いたしましょうか?」
と聞かれたら、よほどの事情がない限り、
体当たりでも頑張って通訳することをオススメします。
このような事態に備えて、各訪問場所についての事前準備は必須です。

特に、説明員さんをお願いする必要がなくても、
良い緊張感が生まれて、特別感が醸し出されますのでお薦めです。

不測の事態対応の語学力

以上の通り、日本的事象のガイディング力はもちろん大切ですが、
時事経済社会問題と、不測の事態やトラブルに遭遇した場合、
ある程度の語学力がないと、対応できません。

自然災害、天候、台風、鉄道関係、薬、代表的な病気、
旅行中におきそうな怪我関係の単語帳を作っておくと便利です。

ツアー担当者に連絡が付かない場合

ツアーの事前打ち合わせで、ツアー担当者の緊急連絡先を確認します。
さらに、ツアー担当者に連絡が付かない場合の緊急連絡先もあります。
後者は、直接の担当ではありませんから、具体的な状況は把握できませんが、
ツアー担当者と電話がつながるまで待てない緊急事態が発生した際には、
そちらに連絡をし、要領よく状況を説明したうえで、
その方の指示を仰ぎます。

中小規模の旅行会社では、
ツアー担当者に連絡が付かない場合の緊急連絡先が、
設定されないことのほうが多い印象です。
万が一、想定外ともいえるような事態が発生した場合、
ガイドはどう対応したらいいか、
事前打ち合わせで、しっかり確認しておくことです。
もしも、「大丈夫ですよ~」などと言われるようなら、
何があってもガイドの責任にしないよう、
何らかの対応が必要になると、わたしは思います。
但し、そこまで踏み込むと、小規模旅行会社の場合は、
うるさい人は使わない、という傾向にもなりがちですから、
各自の責任において、ご判断ください。

次回は、少し息抜きで、お客様に人気のトピックについてお話します。
16. 【新人】通訳ガイド:人気の話題・ネタ増強・重要説明事項

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