高野山へ行く前の注意
インバウンド・ツアーでは、
一度は日本の伝統的な旅館に宿泊し、
会席料理を楽しみ、
温泉を経験する日程が入るものです。
旅館宿泊に関しては、ゲストにとって
慣れないことばかりですから、
様々な説明をしても、
誤解や不具合が生じる困難な業務となります。
高野山や比叡山などでの宿坊宿泊となると、
そのハードルはさらに高くなります。
チェックポイント
どのようなところに宿泊し、
どのように行動すべきかを、
明確・具体的にお伝えし、
場合によっては対策を講じ、
ゲストの不安を取り除くことが肝心です。
寒い!!!
標高約900メートル前後ですから、
4月初めでも雪が降ることは珍しくなく、
朝は0度~マイナス3度まで冷えます。
10月中旬でも最低気温がヒトケタになる日もあり、
それでも暖房が入らないこともあります!!!!
暖かい服装で行くこと。
カイロ持参。
バス移動なら、荷物が多くても問題ありません。
4月初めまでは、高野山は行く前に、
訪問日の天気予報や気温をお伝えし、
それほど寒い予報ではなくても、
念のため、持参したなかで、
一番暖かい服装で行くようご案内します。
コンビニでカイロを買えればいいのですが、
春先にはカイロの販売をやめる店舗も多いため、
ガイドが持参して配ることも考えましょう、
小さな奉仕です。
寒さでゲストが風邪をひいて、
体調不良になるのも可哀想ですし、
ガイドに風邪を移されることが一番困ります。
寒いだけに桜の開花も遅め。
桜がいつ咲くか?これは重大な要因です。
一番桜が綺麗と思われる日程を選んでも、
予測通りにはきません。
下界では3月末に桜が満開になった後、
4月初めにゲストが到着した時に、
東京や京都では桜が散っていても、
高野山や高山では、
およそ10日~2週間遅れで桜が咲きますので、
桜を愛でられることが多く、
お客様も安堵されます。
もちろん、その年とお天気次第ですが。
5月中旬以降なら、寒さ問題は大丈夫でしょうが、
4月中はまったく氣を抜けません。
秋も10月以降は要注意です。
暑い時期は、虫よけスプレー必須。
ゲストの疑問
- 電気は通っているのか?
- 電話は繋がるのか?
- Wifiは使えるのか?
- 大部屋に全員ごろ寝をすると聞いたが、
自分は誰の隣に寝るのか? - シャワーは使えるのか?
- そもそもお湯は使えるのか?
- 野菜しか食べないようだが、
葉っぱしか食べないのか? - 朝のお勤めは3時頃から始まるのか?
- その他
以上は笑話ではなく、
実際にゲストから寄せられる質問です。
お客様はそれぞれの地元の旅行代理店で、
パッケージツアーを購入します。
その小さな旅行代理店の担当者が、
日本のことに詳しいハズがなく、
ましてや、宿坊がどうなっているかなど、
分かるハズもなく、
最悪の事態を言っておけば
クレームにならないだろうとの想いから、
テキトーな事を言ってしまうのでしょう。
実際、初めて団体を引率して高野山へ行く時に、
このような質問をされて耳を疑いましたが、
これらの質問は、ほぼ毎回聞かれる内容です。
2022年秋時点、状況は変わっていませんでした。
宿坊
靴を脱ぎ靴箱に入れて、あがります。
1か所に集まって、ご住職様が
ご挨拶と説明をされる場合は、
そのまま通訳をすればいいだけです。
落ち着いて、館内についてや、食事の場所、
朝のお勤めの御堂、
お風呂の場所や時間などを説明できます。
一斉説明が無くて、いきなり、
お部屋に入ることになる宿坊もあります。
事前確認の際に、打合せをしておくことです。
チェックイン時間
高野山では、基本門限が17時です!
本当に、17時に正門が閉まります。
17時少し前でも締めるところもありますので、
宿坊へは遅くとも16時半には到着すること。
渋滞などで遅くなりそうな場合は、
必ず事前に連絡をすること。
到着してからの外出はたいてい自由です。
夕食後の外出は、私はオススメしていません。
足元も暗くケガでもされると困ります。
通信環境
Wifiはどの宿坊も、全館満遍なく
繋がるとは限りません。
全館Wifiが繋がる宿坊もあれば、
受付近辺しか繋がらない建物もあります。
ポケットWifiは、2019年時点では、
高野山では殆ど繋がりませんでした。
筆者はフリーwifiは使わないので、
高野山ではLTE頼りでした。
格安sim利用者も多いと思いますが、
通訳ガイドとしては、どこにいても、
安定した通話品質を保てないと困りますので、
高野山⇔白川郷のような場所同士でも、
問題ない通話品質は必須です。
高速道路や山道では、ポケットwifiが、
途切れることもありますが、
キャリアのLTEが切れることは、ありません。
部屋割り
多くの宿坊では、
ルーミングリスト通りの部屋割りをせず、
行き当たりばったりテキトー方式です。
1人部屋が何部屋、
2人部屋が何部屋、
3人部屋が何部屋という具合で、
1部屋の人数さえ合っていれば、
どこに誰を割り当てるかは、
行き当たりばったり方式。
事前に館内見取図をFAXいただけるなら、
是非、お願いしましょう。
高野山の宿坊は、増築を重ねているので、
館内が複雑な建物ばかりなので、
分かりにくいうえ、標識もほとんどありません。
データで戴いたら、印刷しておくと断然便利。
館内平面図があれば、
ゲストの様子などを見ながら、
ガイドが事前に部屋割りを考えておけます。
- 足/脚の悪い人はエレベーターの近くにする
(エレベーターがあれば) - 階段の昇り降りをしなくてもいい場所
- お手洗いに行く回数が多いというゲストには、
トイレに近いお部屋を選ぶ - 元氣一杯の人達は遠い部屋でもOK
- ゲストの状況に鑑みてお部屋を決めます。
その一方、到着するや否や、
「夕食は、この部屋で17時から。
朝食も同じ場所です。
朝のお勤めは、あちらの御堂で、6時から。
お風呂は、あちらで、21時まで」
と言われるだけで、
いきなり、近くにいる人から順番に、
行き当たりばったりに、
お部屋へ入れる方式のところもあります。
筆者は、初めて、そのような方式の宿坊に
行ったとき、何がどうなっているのか、
目がテンになってしまっているうちに、
ゲストが全員消えてしまった!という印象でした。
これでは、誰がどこの部屋にいるのか、
ガイドが把握できません。
このように、どさくさ方式で、
お部屋が決まってしまった場合は、
必ず、一部屋づつ回って、
誰がどこにいるか確認しましょう。
その際には、分からないことは何か、
困っていることはないかなど声をかけ、
とにかく夕食の時間と場所を再確認します。
チェックポイント
そのような事態にならないよう、
事前に館内図を手に入れ、
ガイドが部屋割りを考えて置き、
お客様を割り当てながら、
手元の図面と確認をしておきます。
お部屋
大部屋に全員でごろ寝することは、
ありません。
そんなことなら、
ツアーを引き受けるガイドがいなくなります。
基本は、ルーミングリストと同じ部屋割りです。
但し、お部屋の条件は、
必ずしも、全てが同じとは限りません。
- 宿坊は、ホテルでも旅館でもありません。
修道院付属宿泊所なので、
ホテルのようなサービスはないと
お伝えしています。
隣の部屋と襖で仕切られただけの
お部屋が連続している宿坊もあり、
その場合、お隣さんのイビキが煩くて
眠れないという被害者が多数出ます。
多くの場合、洗面所、お手洗いは共同。
- 宿坊の中には、旅館のような施設で、
洗面所やお手洗い付きのお部屋の
宿坊もありますが、
一般的な団体ツアーでは、
そのような宿坊には止まりません🤣
もし、お客様のお部屋が立派でも、
ガイドに割り当てられるお部屋は、
「通訳部屋」or「ガイド部屋」と呼ばれる、
お客様のお部屋とは比較にならない、
哀しくて呆然とするようなお部屋や、
ヘンテコリンな階段を曲がりながら登り、
やっと辿り着くと、お部屋というよりは、
物置同然のような”お部屋”にされることも
珍しくありません。
覚悟しておくことです。
そうでなければ、ラッキーです。
全体にショボイ部屋の場合は、
みんなほとんど同じランクのお部屋ですが、
お客様のお部屋が旅館クラスの場合、
ガイド部屋との落差が激しい場合があります。
- ガイドは、お部屋では、
やらなければならない業務があります。
ツアーに予算があることは百も承知ですが、
上記のような哀しい状況・実態は、
ぜひ改善をお願いしたいと思います。
宿坊の中には、お部屋に鍵のかからない
お部屋も、少なくありません。
夜中に、変な氣配がしたと思ったら、
男性が入って来ていたということがないよう、
旅行社には、宿坊では、
ゲストの部屋もガイドの部屋も、
きちんと鍵のかかる部屋かどうかを
確認しましょう。
ガイドは、多額の現金や
クーポンを持っていますし、
女性も多いので、
事件があってからでは遅いのです。
鍵がかかる場合でも、
入口にテーブル等を置いておき、
入ろうとすれば音が出るようにするなど、
対策も考えるべきです。
女性風呂も、覗かれりしないか、
死角は無いかなど、多方面に氣をつけるよう
強くオススメいたします。
お風呂
お風呂は、大浴場のみで、
時間制限があります。
ツアー前に、確認連絡の際に、
聞いておきましょう。
多くの場合、遅くても21時に閉まります。
バスタオル類
宿坊は旅館ではありせんが、
タオル類と歯ブラシは、
お部屋にセットされています。
ところが、一部の宿坊では、
バスタオルが付いていない場合もあります。
ある時は、バスタオル利用は、
別途200円追加の支払いが必要と言われて、
さすがに驚きました。
なんと、バスタオルの料金、つまり、その200円が、
ツアーの予算には入っていなかったわけです。
その時は、バスタオル利用希望者を聞いたところ、
数名しかいませんでした。
普通のタオルで何とかするからいい、
という人が多かったのですが、
そういうレベルの宿坊ですから
その「普通のタオル」は、
ペラペラで一度水を吸ったら、
どうにもならないシロモノでした。
それでも、バスタオルに200円払うのは
不本意な人が大多数だったのです。
格安ツアーではゲストのレベルもその程度。
それにしても、バスタオル料金200円を、
予算からはずした手配は問題ですね。
あなたは、
バスタオルを使わないのですか?
と旅行社に聞きたいところです。
ゲストに、
「バスタオルを使うなら、
200円お支払いいただきます」
と言わざるを得ないバツの悪さは、
いたたまれません。
「リネンの200円をケチられたのね」
という視線を一斉に浴び、
ガイドは、厳しい状況に置かれ、
雰囲気が一気に盛り下がります。
自分用のリネン類用意(ガイド)
上記の通り、高野山の宿坊の中には、
タオル類がついていても、
正直、とてもじゃないが、
使う氣にはなれないシロモノもあります。
一目見て「使わない」と思うこともあれば、
大丈夫そうでも触ってみると、
「やはり、やめよう」と思うこともあります。
そのようなことが珍しくないため、
筆者は、高野山へ行く際には、
自分用のタオル2枚と、
紙コップを持参しています。
さすがに、バスタオルは嵩張りますので、
タオルは2枚持ち。
破れないペーパータオルも便利です。
手を拭くには、ペーパータオルを持参しています。
宿坊のテーブルがベトベトで、
部屋に入った瞬間に、お掃除から
始めなければならないこともあります。
前の人の缶やペットボトルや、
靴下が片方残っていたこともありました。
そのような状態ならば、もはや、
衛生状態は信用できません。
しかし、お客様には、
この宿坊は非衛生的ですなどとは、
絶対に言わないこと!!!
そのような状態の部屋に置かれている
湯呑や歯磨きコップを、
とても使う氣には慣れないので、
耐熱紙コップを持参しています。
私はそうしているというだけです。
少し荷物が増えますが、
バス移動ですから問題ありません。
食事
精進料理
お料理については、
精進料理とは何かを説明します。
本来は、カツオも魚ですから
使わないはずですが、
インスタント味噌汁を出すところもあり、
カツオどころか、化学調味料も満載の
宿坊もいっぱいあり、
団体ツアーは、その程度の施設を利用
することが多いのです。
お椀にインスタントの具材と出汁が
予めて入っていて、それにお湯を注ぐだけ、
ということを皆の目の前でやるところもあります。
それでも、そのようなことは、
いちいちゲストに言わないでくださいね。
もしも、クレームを言われたら、
「旅行社に伝えます」とだけ答えます。
実際に、グルタミン酸アレルギーの
ゲストがいた時には、高野山の宿坊でも、
大いに苦労をいたしました。
グルタミン酸使用が標準だったからです。
夕食は、和食でも問題なく食べますが、
次の日、朝から和食となると、
受け付けない人が多いのが現状です。
夕食も朝食も、見慣れない食材が多いので、
それが何であるか、どう食べるかの説明が必須。
ガイドは、ゆっくり食べていられません。
あまり大声を出すと周囲に迷惑なので、
数人ごとに回ってザックリと説明していきます。
特に、海苔は、食べ方が分かりませんから、
ガイドがやって見せればいいのですが、
まぁ、真似できるゲストはほとんどいません。
海苔は、そのまま食べてもらうのが
最も手っ取り早いですね。
必ず、ごま豆腐が出ます。
ごま豆腐は、お豆腐ではありません。
食感がヘンとか色々な感想が出ますが、
「非常に各種栄養素の詰まった、
とても体によい食べ物であり、
これを食べているから、
精進料理でも皆元氣よ!」とアピールします。
フォークを依頼
お箸を使い慣れない人が多いので、
フォークをお願いします。
普通のフォークがなくて、
デザート用の小さなフォークしかない
場合もあります。
- 【ゲストには言えない裏事情】
- 特にフォークは、きちんと洗っているとは
想えない状態のものばかりです。
あの程度で食中毒にならない
強靭な免疫力も必要ですが、
それは、それで、別問題。
ビジネスとして客を受け入れるからには、
清潔なカトラリーを用意してほしい。
ゲストには言えないだけに、
非常に複雑です。
朝食
高野山へ行く際には、
前日迄には色々なことを説明をします。
特に、朝食に関しては、
パンもコーヒーもジュースなども一切なく、
精進料理という伝統的な和食だが、
それで大丈夫かどうか?
パンを買っておかなくても大丈夫ですか?
と聞いても、多くのゲストは、
「いい経験になる、大丈夫、
パンなんか無くても問題ない」
と言う人がほとんどですが、
実際は、そうはいきません。
当日朝に、
「ホントにパンが無くても大丈夫?」
高野山に行ってしまえば、
パンなんか無いよ!と言うと、
「やはり、買っておく!」という人が出てきます。
パンを買うべきかどうかと悩む人は、
お金を使いたくないから、
我慢しようという結論になる印象です。
パンを買った人達も、
その日の夕食は問題なく食べます。
問題はやはり朝で、様子を見に、
いちおう食事会場に来てはみるものの、
食事をみた瞬間に拒絶反応で、
お部屋に戻る人達もいます。
パンを食べたい人は、当たり前ですが、
自分の部屋で食べること。
そのことは、パンを買う際にも、
事前に伝えておくこと。
コーヒーもありません。
100円コーヒーマシンを導入した
宿坊もありますが少数派ですし、
それがどんな味かは、
想像するまでもありません。
下見の際の宿坊選び
下見の際に、ランクの高い宿坊を選ぶと、
高級旅館並みのお部屋に、
トイレも洗面所も付いており、
とても美味しい豪華なお料理が、
供される宿坊もありますが、
多くの団体ツアーでは、
高級旅館のような宿坊には泊まりません。
下見の時だけは旅館のような宿を選ぶのもよし、
一般的な募集ツアーで利用される、
問題の多い宿を選んで馴染んでおくのもよし、
お好みでどうぞ。
お料理の素材・種類・味も、
グレードに応じてピンキリです。
宿坊の構造
元々あった建物に次々と増築していることが多いので、
どの宿坊も、かなり複雑な構造になってしまっています。
どちらに行けば何があるのか、早めに把握しましょう。
・食事会場
・朝のお勤めをする御堂
・お風呂、洗面所、お手洗いなど。
事前確認の際に、平面図を送ってもらうと便利です。
その際、担当する団体に割り当てられる
部屋も教えてもらうと、ガイドが、
部屋割りを事前に考えることができます。
また、ガイド、ドライバー様の部屋の場所も
確認しておくこと。
宿坊の廊下
どの宿坊も、玄関で靴を脱いで靴箱に入れると、
廊下沿いにあちこちへ行く構造になっています。
この廊下が、夜に寒くなっても締められず、
どんなに寒くても開けっ放しのことが多く、
震え上がります!!!
朝のお勤め
チェックポイント
朝のお勤めは、
もちろん義務ではありませんが、
出席希望者は多めです。
床に座るのか、椅子があるか、
椅子があるなら何人が椅子に座れるか、
事前に確認しておきます。
モーニングコールは、ありません。
ドラを鳴らすところや、
廊下を太鼓を叩いて回るところもありますが、
何も無しのところもあるので、
スマホの目覚まし頼りです。
朝のお勤め出席希望者は、
必ず時間前に、決められた場所へ入ること。
そのために、前日のうちに御堂の場所を確認。
朝のお勤めは、
暖房が入っていても寒いことが多いので、
暖かい服装で来るようお伝えします。
寒い場合は、コートを着ていても大丈夫。
ご住職様の祈祷内容について、
「何を言っているのか訳す」ことはできません。
お勤めの邪魔にならないよう、
静粛にしていなければなりませんし、
そもそも、日本語ではありませんから、
意味は分からないということは、
前日までに、事前に伝えておきます。
何がどうなっているか分からなくても、
静寂を守る。
お勤めがほとんど終わると、
説明ができるタイミングがあります。
宿坊によってプログラムが違いますから、
指示に従うということも、
事前にお伝えしておきます。
大阪から高野山へ
筆者は、高野山へは大阪からしか
行ったことがないので、
大阪から高野山へ行くルートを
レビューします。
パン屋さん問題
翌日の朝食用のパンが必要だが、
宿泊ホテル近辺にパン屋さんがない場合は、
途中、どこかへ寄ってもらうことになります。
ガイドが事前に調査して営業時間を確認のうえ、
バスをどこに停められるかまで検討
しておく必要があります。
高野山へ出発前のホテル近辺にパン屋さんがなく、
高野山へ行く途中にバスでも立ち寄れない場合は、
ゲストには申し訳ないのですが、
その事情を説明したうえで、
最寄りのコンビニで、大手メーカーのパンや
クラッカーかビスケット類などを買って、
我慢していただくほか選択肢がなくなります。
ホテルの朝食ビュッフェから、
いただいてくるのはダメですよ!!
黙っていると、それを
やってしまうゲストがいるので要注意。
そんなことをしてはダメといっても、
やってしまうゲストもいます。
ガイドに見つからないように
コッソリと持ち出したことが、
後になってから分かることがあります。
嘘をついても、持っているパンを見れば一目瞭然。
本人は嘘がバレていないと思っているけれど、
自分で恥かしくないのかどうかという
個人の倫理感は、どうにもできません。
宿泊ホテル出発
オペレーション編でお話した通り、
バスは出発時刻の15分前には
所定場所に来てくれますので、
バス到着時刻には全員が乗る込めるよう
スタンバイして、
10分でも5分でも早く出発できるようにします。
ドライバー様は、一路、
高野山へ向かうとしているハズなのに、
パン屋さんへ寄ってほしいと言うと
戸惑われますが、何とかお願いしています。
パン屋さんではなく、
薬局に立寄る必要が出ることもあれば、
ぜひとも電池を買う必要がある、
という人も出てきたりします。
何しろ、高野山へ向かってしまえば、
本当に何もありませんから、
そうしたお買物は街中にいるうちに、
済ませておかないと、問題になります。
こういう時間も、行程には含まれていません。
以下のような情報を、
ブログのようなところで書いてしまうのは、
イカガかと思いますが、お伝えしてしまいますわ。
推奨ではありません、
誤解なさいませんようお願い致します。
必要に迫られたときの対策に過ぎません。
- パン屋さん、薬局、コンビニ
- JR大阪駅桜橋口近くに、
バスを一時停車できます。
ドライバー様が分かります。
桜橋口の駅マルシェには、
パン屋さん、コンビニ、薬局があり、
朝早くから営業しています。
(ご利用前に要確認
高野山へ出発してしまうと、
本当に何もありませんから、
特に薬が必要な人が出たら、
出発前に街中で用意します。
お店に行く必要がある人と
ガイドだけが降り、
手早く買物を済ませてバスに戻ります。
全員揃っているかどうか、
必ず再確認。
お買物に降りなくても、
いつの間にかバスから降りて、
ほっつき歩いている人がいますので、
必ず人数確認をします。
このあとは、ひたすら高野山へ向けて
走ることになります。
しばらくは、車窓からの景色を説明したり、
質問に答えたりして、ネタが途切れたら、
ロングドライブ用のネタを展開します。
その時の団体の雰囲気や
興味のありそうな傾向次第です。
途中休憩場所
最近の行程は、
経由地まで記載されており、
それと違う経路を通る場合は、
事前にお知らせする必要がありますので、
よほどのことがない限り、
行程に記載された道を進みます。
大阪を出発してから
約1時間ほどで到着する休憩所のひとつ、
和歌山県かつらぎ町にある、くしがきの里
くしがきの里
実は、ここにもパン工房がありますが、
道路事情によっては、必ずしも予定通り、
こちらに立ち寄れるとも限らないのです。
ここで20程度休憩します。
空気の綺麗な良いところです。
- 【ガイド専用情報】
- 現在も有効か否かは定かではありません。
2019年迄は習慣になっていたことで、
ここに限らず、似たようなことを
される施設様がありますので記載します。
くしがきの里の駐車場に観光バスが到着し、
休憩のためお客様が全員降りたタイミングで、
お店の方が、
「お客様をお連れいただいたお礼」として、
千円入った封筒を、
ドライバー様とガイドにくださっていました。
その場合は、もちろん、そこで千円以上の
お買物をするのが筋です。
少し日持ちのしそうなお菓子などを買って、
みんなに配るとかしてもいいですね。
筆者は、ガイドの分の封筒は、
ドライバー様にお渡ししています。
その後、大変な山道を登っていただくのです。
さらに、お店でも何か購入します。
別な休憩場所では、ドライバー様とガイドに、
押し寿司のお土産をくださるところもあります。
これから、高野山へ行くというのに、
お弁当のようなものをいただいても、
夕食も待っているわけですから、
まぁ、食べられませんので、
その場合は、宿坊の方に、
食べて手伝っていただくことにしています。
食欲モリモリで、全部食べられる方は、
ぜひ、どうぞ。
他に、休憩スポットは、
かつらぎ町の「紀ノ川万葉の里」もおなじみです。
こちらは、道の駅が併設されており、
果物を買うこともできます。
高野山 登りはじめ
休憩後、出発する際の注意事項
休憩が済んだたら、山を登りはじめるので、
網棚から荷物が落ちないよう出発前に確認。
しばらく進み、山を登りはじめる時には、
ドライバー様から、改めてシートベルトの
確認を求められますので、ガイドも、
念のためゲストにお伝えします。
山を登りはじめるタイミングで、
説明を始めるとイイ感じですよ。
- 空海について:生い立ち、キャリア、業績
- 空海は、なぜ高野山を修行の場に選んだのか
- 真言密教について
- 高野山が世界遺産になった経緯
- 本日の訪問場所について
上記についてのガイディングをしながら、
ガイドは、スマホのGPSをオンにして
地図を目で追います。
山を登りはじめたら、ガイディングタイム
高野山入口まで約40分、
マシンガントークを炸裂タイム。
早口で話すという意味ではなく、
集中講義をする感じで、
バスの中で必要な説明をします。
たとえ、ゲストが飽きて寝ていたり、
話を聞いていなくても、喋りまくる!
- ガイドの説明を詳細もらさず
聞いてる人は、必ずいる。 - ガイドの説明が多いとゲストは満足する;
たとえ聞いていなくても。 - 情報量が多いと、ゲストは納得する;
たとえ理解できなくても。 - 外の景色で説明するものがないだけに、
喋りまくると吉。 - 空海と真言密教について説明するには、
時間がたっぷりあるので便利。 - 逸話関係も話してしまう;
たとえ、あとで繰り返すことになっても。 - 奥の院、壇上伽藍へ行ってしまうと、
珍しいも景色の写真を撮るのに夢中で、
ガイドの説明など耳に入らないので、
バスの中で説明をしておく。
山を登りはじめると、
wifiが繋がらなくなる場所が出てきます!
頻繁にwifiが切れる区域になったら、
Wifiは諦めてキャリアのLTE利用。
Wifi環境は、徐々に進んでいますので、
皆様が高野山へ行かれる時には、
もっと状況が良くなっているかもしれません。
高野山までの外の景色確認
高野山も、下見に行く場合は、
公共交通機関になりますね。
バスを1台チャーターして、
下見準備できる人は別ですが。
はじめて団体を引率して
団体バスで高野山へ向かう時は、
どのあたりに何が見えるのか、
全くわからない状態でしょうが、
大丈夫、1本の山道だけで、
特に説明するものはありません。
Google Mapでチェックしておきましょう。
道はどんどん整備が進んでいますが、
対向車とすれ違いができない場所もあり、
すれ違い専用のスペースもあります。
バイクでツーリングしている人達を
見かけると、ゲストが、
ライダーの服装やバイクの型式を言い当てて、
けっこう、盛り上がります。
チェックポイント
一番大事なことは、
高野山の入口である大門の写真を撮らせること。
大門(カバー写真)の説明は、
到着時点で2~3回繰り返す。
写真撮影に夢中で、
聞いていない人がいっぱいいるからです。
大門到着周辺で、GPSが必ずしも正確に
作動するとは限りませんので、
ドライバー様には、
大門まで5分ほど前のお知らせと、
大門では、可能な限りの
スローダウンをお願いします。
大門まであと5分程度になったら、
その旨をアナウンス。
ゲストは写真を撮るスタンバイをします。
もうすぐ、高野山入口です。
左に、高野山入口を示す
大門が見えます。
現在の大門は、
1705年の建築で4代目、
高さ25m、横幅21m、
両脇に国内で二番目に
大きい仁王像が門を守ります。
高野山に到着してすぐランチの場合、
大門通過時に電話を入れるように言われます。
夕方に宿坊に到着する行程でも、
大門通過時点で電話するよう言われるため、
大門通過時は忙しいのです!
でも、そこで、バカ真面目に、
電話をしてはいられないのです。
大門を過ぎると、あっという間に、
壇上伽藍の中門に到達、
その中門のご案内も必須だからです。
中門でも、ドライバー様に
スローダウンをお願いします。
大門と中門の写真撮影は超重要なので、
そちらが優先です。
中門。この奥が壇上伽藍。
進行方向左側に見えますから、
帰りは反対側の人が見えるよう事前にご案内。
中門をご案内し、スローダウンをした直後、
レストランなり宿坊なりに、
「大門通過しました」と電話します。
大門はとっくに通過していますが、
実際は、到着してからバスが駐車する
時間もかかりますので大丈夫。
- スローダウンのお願い@中門、大門
- 中門と、高野山入口の大門は、
高野山に向かう時は左側にあります。
右側の人はよく見えません。
高野山から帰る時は、
ドライバー様にスローダウンをお願いして、
今度は、反対側に座った人達が、
よく見えるようにします。
*** *** ***
今回は、高野山到着まででした。
次回は、実際に高野山を歩きます。
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