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II-24. 【新人】通訳ガイドの動線ナビ:金沢-2【近江町市場、長町散策】

動線Navi

金沢観光

金沢旅物語
金沢観光の総合情報サイト。

金沢の方は「小京都」と表現されるのを嫌うそうですから、
各国語でもその訳語は控えるべきでしょう。
確かに、金沢に限らず、京都と競争してどうこうということではなく、
各々、違う町であることは認識するべきです。
「小京都」という表現が必ずしも褒め言葉にはならないことは、
ガイドとして認識しておくべきです。

前回、金沢観光は1日が多いとお話しました。
2泊する場合は、1日目の夜は到着するだけで宿泊し、
翌日は、夕方までたっぷり観光してもう1泊し、
その翌日は朝早く次の場所へ移動する、
このような行程も多く見られます。

近江町市場

近江町市場
金沢観光の1日を、近江町市場から始めます。

市場へは午前中に行く!

あるシリーズツアーの行程では、
近江町市場が1日の最終行程になっていました。
行程通り、夕方に行くと、当たり前ですが、商品は少なく、
活気もなく、店仕舞いを始めている店舗もあり、
マヌケ以外のなにものでもありませんでした。

ガイド報告書にその事情とゲストの落胆ぶりを記載しました。
それでも、そのシリーズツアーの公式行程では、
やはり、近江町市場が1日の最後に設定されていたので、
毎度、ツアー前打合せ時に、
近江町市場見学を朝1番に変更していただいていました。
他のガイドさんは、どうしているかは分かりません。
市場は午前中に行かないと面白くありません当たり前です

近江町市場駐車場

百万石通りに、近江町市場を左に見て立ち、
十間町方面へ200 m ほど進んだ右手にある、
観光バス駐車場を利用することになります。
近江町観光バス駐車場
下見の際には、駐車場の場所まで足を運んで確認してください。

【近江町市場近くのホテルに宿泊の場合】
わざわざ、ホテルからバスに乗って駐車場へ行き、
バスから降りてゾロゾロと市場へ行くほうが、時間の無駄です。
私達はホテルから徒歩で市場へ向かい、
見学後に、観光バス駐車場へ行くことにしています。

そのあたりは、ツアー前打合せで担当者と確認のうえ、
バス会社へ連絡する際にも、再度確認すること。

こちらの観光バス駐車場へ到着したら、
駐車場を出て左へ、ずっと歩道を進み、
近江町市場パーキング口と見えるところで、
車に氣を付けて横断歩道を渡って市場へ入ります。

もちろん、別なところから入っても、どこから回っても、
全く問題はありません。
ただ、ゲストは、早く現場を見たいわけですから、
できるだけ近くから入るようにしています。

【バス降車前のお約束!!】
・バラバラになったら、バスに、何時何分に集合すること。
はじめは全員で動くこと。
・フリーにする地点を決めたら自由。
・時間になったら、市場内の集合場所に集まること。
・迷ったら、バスに約束時間までに集合。
市場はビジネスの場所なので人々の邪魔をしないこと。
商品を買いもしないのに写真を撮りまくるのは失礼
・たとえ何かを買うにしても、節度を守ること。

マナーに関しては、いくら説明したところで、
残念ながら、効果はほとんどなく、接近して写真撮りまくり、
大幅にお商売の邪魔をすることになるだけです。

ゲストが皆離れてしまったら、私はヒッソリと身を隠します;
マナー欠如した人達を引率するガイドと分かると恥かしいからです。

近江町市場内の歩き方

パーキング口から入るときに、
見学後の集合場所はここ、などと決めましょう。
市場内での集合は、非常に迷惑がかかります。

方向感覚が大丈夫そうなゲストばかりなら、
直接、バス集合でもいいと思うのですが、
迷子が出ると、駐車場と行き来するのは大変なので、
このあたりが無難と思うのです。

パーキング口から入って少し進むと、
すぐに十文字に出て、次の標識が見えます:
左矢印が、エムザ口、
直進矢印が、青果通り
右矢印が、生鮮通り口

このあたりで、自由に歩きたい人達と、
ガイドと一緒に歩きたい人達を分けます
ガイドと一緒に歩いている人達も徐々にいなくなる。
ずっとくっついている人達は、たいていお買物をするのに、
ガイドに手伝ってほしい人達なのでサポートします。

この市場での見所は、色々な魚はもちろんですが、
数々のカニ、エビ、貝類関係でしょう。
 
中には、市場の店先で、食べることを楽しみにしている人もいます。
フランス人ゲストとしては、珍しいのでしょうが、
「市場で、ウニを食べるのを楽しみにしていたの」といい、
そういう場合は、ガイドが率先して通訳してサポート。
突然、生牡蠣を見て食べたくなる人もいますので、
それも、通訳などしてサポート。
但し、生牡蠣は、せいぜい2個程度までにさせてください。
生物は、やはり注意が必要です。
 

長町

駐車場

長町散策用の地図URLが消滅して使えなくなりました。
恐縮でございますが、武家屋敷周辺の観光地図か、
google mapなどをお手元に準備のうえご参照ください。
たとえば、朝一番に近江町市場へ行く場合なら、
そのまま徒歩移動して長町散策も可能ですが、
団体の場合は、バスで駐車場発着にするほうがスムーズです。
長町観光駐車場にバスを停められます。

長町散策では、この駐車場からの動線でお話をすすめます。
バスを降りたら、そのまま中央公民館長町館の横を通り、
道路に出て左折。
その道には、ずっと大野庄用水が流れており、
歩く道すがら、絶えず水音が聞こえます。

この道は、必ず歩道を歩くよう注意喚起
当たり前ですが、普通に車輌が通行します。
観光客だから大きな態度で歩いてよく、
車輌のほうが気を付けて当然ということはありません!
当たり前のことですが、中には、
勘違いするゲストもいますので理解していただきます。
写真を撮る場合は、通行車両に要注意です。

土塀のまちなみ

この道に出たとたん、いかにも武家屋敷風の風景になります。
二の橋まで進んだら、道を渡ります。
ここからは、長町の見所「土塀のまちなみ」。

テーマパークではなく、実際にお人が住まわれていますので、
騒がず、静かに歩きましょう。
もう、日本でも他では見られない土塀が続く風景のなか、
真赤なSECOMのロゴが、現代を感じさせますよ

直進してぶつかったところが、金沢九谷ミュウジアム。
道なりに、右に折れると、保存樹クロマツがあるお宅があり、
すぐに道なりに左に折れるので直進、
長町街園という小さな公園までが「土塀のまちなみ」。

時間がなければ、そこから引き返します。
少し時間に余裕があれば、もう少し進み、
長町研修塾まで行くと、お庭を拝見できます。
 お茶室も空いていることが多いので、説明できます。
行程にないところを「追加」してあげることは、
ゲストにとってはとても嬉しいポイントなので、積極的に活用しましょう。
 これがその問題場所付近にある小さな公園
但し、このあたりまで来てしまうと、九谷焼のお店屋さんなどがあり、
吸いこまれると、なかなか出てこなくなりがちです。
観光客には地元にお金を落としていただきたいと思う一方で、
行程と時間の配分を考えるとビミョウなところです。

基本的に、この「土塀のまちなみ」散策では、
ショッピングタイムは計算に入っていません。
それでも、お買物をしたい人はいますし、
それに上手に対応するのもガイドの役割。
お買物をしない人は、その人達を待つので嫌気がさす、
そのあたりを上手に調整するのもガイドの役割です。

ここでは、この小さな公園に土塀の説明がありますので、
土塀がどんな構造になっているのかなどをお話する。

あるいは、ゲストからの質問に順次答えるなどしつつも、
お買物組には、早めにするようお願いします。

元の用水沿いの道に戻り、さらに進み、
次の三の橋を渡り、野村家へ行きます。

武家屋敷野村家

武家屋敷跡野村家
金沢観光では、長町散策はほとんど行程に組み込まれ、
長町にある武家屋敷で唯一公開されている野村家見学も含まれます。
最近、団体見学は事前申告が必要になっていますので、
事前打合せの際、ツアー担当者と確認してください。
大きな建物ではありませんので、内部での混雑を避けるためでしょう。
当日、到着が遅れそうな場合は、早めに施設に連絡を入れましょう。

日本家屋へ入るわけですから、当然、靴を脱ぎます!
前日までに、ゲストにお伝えしておいてください。

団体がいくつも入ってしまうと、襖や壁に傷がついたり、
何かと不都合があるのかもしれません。

外国人観光客は、自分がどんな荷物を持っていて、
その状態で次を歩いたら、どこを傷める可能性があるか、
などということは一切考えないので、
貴重な家屋・家財を傷つけないよう、
ガイドが見張り、危ないようなら注意喚起が必要です。

内部の説明は、上のサイトにすべて出ています。
英語なら、そのまま使えますが、
パンフにないこと、一般的なガイドブックにないことも、
少しでいいので追加することが必要です。

お玄関から上がるとすぐに、鎧がありゲストの目を引きます。
次の部屋に入ると、展示よりも、ほとんどのゲストは
庭園に面した窓に行き、そこが混雑します。
周辺にダメージがないよう見守ってください。

その次の部屋に入ると、左手に立派な仏間。
その次が、上段の間。
続いて、濡れ縁と庭園。
 
こちらの庭園は、アメリカの庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ガーデニング」が実地した
日本庭園ランキング3位に選ばれたことがある、と入口に出ています。
また、ミシュラン・グリーンガイドでも2つ星を獲得。

濡れ縁近くにあるナゾの箱と説明書き:
 鶯の鳥籠を桐箱に入れて、鳴き声を共鳴させて風情を楽しむ、とあります。

濡れ縁を更に進むと、お茶室に上がることができますが、
その途中は、たいへん滑りますので要注意であることと、
ふつう、ツアー料金に、お茶の分までは含まれていません。
ゲストが、追加料金を払ってまでお抹茶をいただくとは思えませんし、
そんな時間的余裕もありません。
皆がお茶室方面に行くと渋滞を引き起こしますので、
そこから先は、お抹茶をいただく人だけといい、
百歩譲って、坪庭だけを拝見して引き返すほうが無難です。

上段の間を通って廊下の向こうにある蔵が展示室になっており、
野村家伝来の刀剣、書状、陶器、硬貨などが展示されています。
少し奥まっていますので、お見逃しなく。
この蔵へ行く途中右手に、お手洗いがあります。

見学が終わったら、順次お玄関へ移動し、靴を履いて出ます。
すると、ちょうど、出てすぐのところにお土産屋さんがあり、
そこへ吸い込まれる人も出ますので、適宜対応してください。

長町で時間が余ったら

長町散策で野村家を見学しても時間が余ったら、お連れする場所の候補。

長町武家屋敷休憩館

野村家のある場所が三の橋近く。
大野庄用水に沿って少し進んだ左手にあり、
疲れた人は座って休めますし、お手洗いもお借りできます。

旧加賀藩士高田家跡

四の橋の角あたりにあり、無料です。
中には入れませんが、厩舎など一部を外から見られます。
この高田家跡から先は歩道がありませんので、
左側白線の中を歩くようゲストにお伝えください。

足軽資料館【一番遠いがイチオシ】

さらに進み、四の橋を通過、
五の橋を渡るとすぐ左手から足軽資料館に行けます。
こちらも無料。

四の橋の向こう側に、金沢精霊総合病院がありますが、
欧米ゲストは、十字架に敏感に反応しますので、
キリスト教の病院であると覚えておきましょう。

足軽資料館は、靴を脱いで中に入ることができます。
野村家との、あまりの違いに驚かれます。
実際にお連れしたゲストさん達の反応としては、
靴を脱ぐのが嫌で入らない人もいますが、
当時の暮らしぶりが感じられると好評です。

長町散策補足

長町では、休憩館、高田家跡、足軽資料館は、
すべて無料ですので、少人数で時間が許す時、
若干人数がいても、時間が余ってしまったときに、
上手に利用してゲストの満足度を高めるようガイドします。

いずれも、出発時間には遅れないよう、駐車場へ戻ります。
駐車場にもお手洗いはあります。

***
実際の金沢観光は、1日ですが、
今回は、近江町市場と長町でいったん終わり、
次回、兼六園とひがし茶屋街を回ることにします。

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