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II-41. 【新人】通訳ガイドの動線ナビ:奈良【東大寺・春日大社・興福寺・奈良駅周辺】

動線Navi

東大寺と春日大社:別々か続けるか問題

朝、バスのドライバー様と打合せする時に、
行程を確認するのは当たり前のことですが、
奈良観光ではまた別な事情の確認事項があります。

【東大寺と春日大社:別々か、続けるか問題】
・東大寺を参拝したら、いちどバスに戻り、バスで春日大社へ向かう。
・東大寺を参拝したら、そのまま徒歩で春日大社へ向かい、
春日大社参拝後にバスに戻る。

もちろん、ツアー前打合せで、ツアー担当者と詳細を確認します;
行程が、【東大寺から春日大社まで徒歩移動】になっている場合、
選択の余地がありません、春日大社でピックアップ確定になります。

その詳細が規定されていない場合は、ガイドの裁量に任せられます。
大仏殿から春日大社まで必ず歩くことにしていると豪語するガイドや、
自分でそのルートが好きだから歩きたいと豪語するTLもいますが、
本来は、その日のお天気、ゲストの体力などを総合的に見て、
最終判断すべきと思いますが、基本路線は決めておく必要があります。

東大寺だけ参拝する場合、バスに何時にどこに来てほしいか、
春日大社まで歩いて行くのなら、予定時間はどうなっているのか、
それを明確にしてドライバー様にお伝えする必要があります。

ここまで書いて次のように続けるのは、誠に申し訳ないことなのですが、
この原則は、南大門横の駐車場を使っていた頃のお話で、
南大門横の駐車場が原則使えなくなってしまったいま、
次のようなオペレーションが現実的かと思います。

東大寺参拝後にバスで春日大社へ移動

ゲストの中に後期高齢者か身体障碍者がいて、
南大門横の駐車場を利用できる場合に限定されます。
かつては、繁忙期には、東大寺から春日大社までの道が、
観光バスの行列になり全く進まないほどの渋滞が発生していましたが、
コロナ禍以降、インバウンドが再開となっても、
すぐに2019年レベルの混雑に戻るとは思えません。
南大門横の駐車場を利用できる場合は、
全体的な状況次第で判断すればよいと考えます
南大門横の駐車場を利用できるということは、
体力的にハンディのある方がいるということですから、
そのあたりも考えるべきです。

東大寺から徒歩で春日大社へ移動

奈良公園バスターミナルを利用する場合でも、
南大門まで片道15分かかりますので、東大寺参拝後は、
そのまま春日大社へ徒いて移動するほうが時間の節約になります

上記の通り、東大寺から春日大社へ向かう道路がひどく渋滞して、
全く前進しなくても、道路でバスから降りることはできません。
こんなことならば、歩いて移動すればよかった、、、という事態は、
以前から頻繁に起こっていたのです。
一方、繁忙期でなく、年配者が多い場合は、
若干の渋滞があっても、ゲストの体力に鑑み、
近くてもバス移動していたことは頻繁にありました。
ただし、南大門横の駐車場を使っていた時代の話です。

奈良公園バスターミナル降車~東大寺大仏殿へ

ここでは、奈良公園バスターミナルで降車、
東大寺を参拝し、そのまま徒歩で春日大社へ向かうことにします。
多くの一般的な団体ツアーの行程は、
東大寺大仏殿参拝に1時間、
春日大社参拝に45分~1時間です。
それに移動時間を加え、約2時間後に春日大社でバスに戻る計算になります。
もっとも、実際はもう少しかかります。

バス降車前にゲストにお伝えする予定
・これから、東大寺を参拝する。
・バスターミナルから片道15分程度かかるので、
・東大寺参拝後はここには戻らず、引続き春日大社へ向かう。
・だいたい2時間後、次の春日大社でバスに戻る。
・その間に必要なものがあれば持参すること。
奈良公園と鹿についてのガイディングと注意事項
・奈良公園の範囲と面積
・鹿についてのガイディング
・2020年時点で、鹿は約1300頭、うちオスが約2割。
・鹿がたくさんいるので、匂う。
・下を見て注意しながら、落とし物を踏まないように歩く
・襲う鹿もいるので、注意すること。
・むやみに鹿に触らない。(動物特有の菌があるので注意)
・食べものを見せない。(あげないなら、見せない)
・与えても良いものは販売されている鹿せんべいのみ。
・食物をあげるなら、さっさとあげないと怒る。
・紙を食べられてしまうので、要注意。
・もし、鹿に触ったら、必ず石鹸で手をよく洗うこと。
・お手洗い利用時は、鹿が入らないように必ず建物入口の扉を閉める。
・東大寺は混雑しているのではぐれないように。
・いつもガイド印が見える場所にいること。

以上を、バス到着する前にお知らせしておくこと。

GoogleMapで確認

京都から日帰りで奈良観光に出掛け、
最初に東大寺大仏殿参拝という行程が多いわけです。
この場合、バスターミナル到着直前に大仏殿の屋根が見えるのです。
 ここまで大きくは見えません。
見えた瞬間にご案内必須ですから、上記の注意事項は、
その前迄にお伝えしていないと間に合いません。

下見に行っても、団体バスで京都から奈良まで、どの道路を通り、
どこから何が見えるかの景色までは下見ができませんので、
ドライバー様にご協力をお願いしましょう。
だいたいの目安として、東之坂近辺から大仏殿の屋根が見え始めます
隠れたり現れたりしながら、大きく見えるようになると、
輝く鴟尾が見えると、バスターミナル到着直前です。
とはいえ、バスターミナルに入るに一回りしますので、
降車・持物・はぐれないようになどのご案内については、
今一度、注意喚起してください。

東大寺【ユネスコ世界遺産】

東大寺
多くの団体ツアーでは、東大寺といっても大仏殿しか行きません。
さて、バスターミナルで全員降車したら、念のためお手洗いタイムを設けます。
全員揃ったら、出発。
ここよりは、GoogleMapが分かりやすいと思います。

アクセス

バスターミナルから、登大路町の交差点を東大寺方面へ渡り、直進。
120~130メートルほど進み、突き当ったら左折(=道なりです)。
1つめ、Noelというお店の角を右折して直進。
250メートルほど直進すると、東大寺境内です。

本来は、南大門から東大寺境内に入るものですが、
このルートでアクセスすると、
境内に入った時点で南大門は後方に見えると言う、
実にマヌケな事態となります。
かといって、南大門から入ろうとすると、
さらに膨大な時間がかかりますので仕方ありません。
東大寺境内図
ガイドは、ゲストの様子に合わせつつ速度を早め、
突き当りの中門まで来たら左折。
迷子が出ていないか確認しながら全員を誘導。
直進し、右手にある入口から入ります。
チケットを購入。

東大寺大仏殿と大仏様に関してはバスの中で説明を済ませておきますが、
大仏殿と大仏様の大きさに関するデータは、入場券に記載されていますよ~
とお伝えすればゲストも安心できます。
頑張って、メモしたい人達がけっこういるからです。

大仏殿

ガイドが入場券を購入し、全員に渡しますが、
ここで、例外なく全員揃って写真撮影に夢中になります。
ゲストには、この場所にはもう戻らないこともお伝えします
写真撮影がOKなら、全員まとまり1列になって改札を通過します。
特に混雑時など、団体の統制がとれていないと注意されます

入場券を見せて改札を通ると、中門内側。
ここで、大仏殿を正面から撮影するのにまた時間をとられます。
観相窓の説明をお忘れなく。
ここから大仏殿までの間は絶好の撮影スポットが続きます。
八角灯籠をご案内し、いよいよ大仏殿内に入ります。
大仏殿内は時計回りに一方通行であることも、事前にご案内しておきましょう

堂内は、全員一緒に行動することは、まぁできませんが、
できるだけ多くのメンバーに、同じ説明をするよう頑張ります。

入るとすぐに大仏様。
大仏殿では、大仏様にご挨拶を済ませたら速やかに左側へ移動
適当なスペースを見つけてゲストを集めてピンポイントの説明。
ここでは、ガイディングの内容には触れません。
時計まわりに進むと、建物奥に1/50の大仏殿の模型があります。
かつて、東と西にそびえていた七重塔の高さは100m。

その右横に、鎌倉期に再建された大仏殿の模型と、
江戸になってから再建された大仏殿の模型がありますので、
比較説明すると興味を示します。

大仏様の後を進むと、大仏様の鼻孔と同じ大きさの空洞がある柱があり、
そこを通り抜けようといつも行列ができていたものですが、
最近は、取りやめになっているもようです。

その先、左手には売店。
時には御朱印を希望する方もいます。
御朱印を知らなくても、偶然発見して希望する方もいます。
そのあたりでは適宜、通訳をするなどサポート。

売店あたりでは、ほぼバラけてしまいますから、
大仏殿参拝後の再集合地点は、大仏殿出口外が分かりやすいです。
そこには、びんずる様がおられますので説明。

全員揃ったら帰路方面、中門まで直進したら左方向へ。
ここから出口までずっと売店が続きますので、
「5分後に奥の出口に集合!」と言えば10分後に集まる感じです。
その時も、全員が必ずそこに来るのではなく、
外に出ていたり、とんでもない場所に遠征している人もいますので、
メンバーの動向を気にしつつ、全員を集合させます。

この出口付近の売店に、東大寺の解説本が数カ国語versionで販売されています

出口から外に出るとすぐに、七重塔の相隣があります。
これは、大仏殿を出たあたりからも見えるので、
「あれは何か?」と聞かれます。
1970年の大阪万博で古川パビリオンで東大寺七重塔が再現され、
その時の相輪だけがこちらに保存されているもの。

南大門へ

中門まで戻ったら南大門へ向かいましょう。
南大門の説明をしてから、春日大社へ向かいます。

手向山八幡宮経由で春日大社へ向かう場合の注意

大仏殿の出口を出るとすぐ左に手向山八幡宮の鳥居があります。
南大門横の駐車場を利用できて、全員が健脚の場合、
ここを登り、山の道を通って春日大社へ向かうこともできます。
その場合、春日大社の正面からではなく、
水谷神社から入ることになりますが。

奈良公園バスターミナルから出発し、南大門をくぐらずに大仏殿を参拝し、
そのまま、手向山八幡宮経由で春日大社へ向かえば、
南大門を全然見ることができませんので、要注意です。
南大門を見ないとなると、クレーム対象になると心得ましょう。

東大寺と春日大社、あるいはその間の移動に関してまで、
事前打合せでは、細かく確認を行うことです。

南大門

本来、東大寺の説明は、ここから始まるものなのですが、
駐車場システムの変更により、参拝経路まで変わってしまいました。

南大門:1199年に再建【国宝】
日本最大の寺院の山門:18本の柱、屋根までの高さ約25m。
南大門に使われている木材だけで、普通の日本家屋が780軒建つという。
両側の金剛力士像は8.4m、世界最大の仁王像。
運慶と湛慶が69日間で作り上げた(1203年)。

南大門を鑑賞したら、鹿がいるあたりを通りながら春日大社へ向かいます。

奈良公園

ツアー行程には、「奈良公園」と必ず記載があります。
奈良公園は広大であり、東大寺も春日大社も興福寺も、
すべて奈良公園内にあることも、忘れずにご案内します。
「奈良公園に行かなかった」などと言われないよう注意しましょう。

春日大社【ユネスコ世界遺産】

春日大社

専用車・徒歩でアクセス

いずれの場合も、国宝館前からスタートします。
車舎を説明、二の鳥居前で、必要に応じて鳥居と狛犬の説明をしたあと、
一礼して進むと、もう石灯籠がいっぱい。
このあたりも、東大寺ほどではありませんが、鹿がいっぱい。
石灯籠に貼ってある紙がなぜ破れているのか?が氣になる人がいっぱい。
しばらく坂を昇り、南門から入ります。

時間がタップリあるとか、TLが「行く!」という場合は、
この先の若宮15社巡りのいくつかを見ることもありますが稀です、
そんな時間的余裕はありませんから。

一礼して南門から入ると、左手に御朱印所とお守り授与所。
そちらには、藤の簪をつけた巫女さんたちがいますが、
巫女さんの写真撮影は厳禁です。
隠し撮りしようと頑張る人もいますので、よく見張ること

春日大社ご本殿回廊内

ツアーによって、御本殿に入る行程と、入らない行程があります。
ほとんどのツアーは、御本殿には入りません。

どさくさに紛れて、料金も払わずに入ろうとする人が時々います
本殿に入らないツアーの場合は、その旨を説明し、
入りたい人は、別途料金を支払う必要があることを明言します。
そうすると、たいていはあっさりと諦めます。

ゲストの振る舞いは、どんなことでも許すのが良いガイドではありません!
間違った行動をしたら説明をして正してもらうのが、ガイドの務めです。
ましてや神聖な場所で、おかしな行動をとらないようにしましょう。
数の中には、ほぼ必ず道徳観念が欠如している人がいるものですが、
自分が担当するツアーの間は、そのようなことがないようにしたいものです。

幣殿前でご挨拶。
目を引くのは、樹齢約800~1000年、周囲約8mの大杉ですが、
根元から柏慎が生えており、直会殿の屋根の穴から空に抜けています。
この近くに扉がありますが、御本殿を参拝した方の出口で、
入場券を持たない人は、入ってはいけません。
「でも、ちょっとだけ」もダメです!!
ここは、困ったちゃん続出箇所なので、しっかり見張りましょう。
下手すると、ガイドの責任になりますし、
エスカレートして旅行社様の名前まで聞かれたら目も当てられません。

砂ずりの藤:樹齢約800年。
毎年、170cmほどまで房が垂れ下がる。
 毎年、どのくらい伸びたかのサイズリストがあります

 この近くからは、金属製の灯籠が続く
慶賀門を出ると、ユネスコも称賛した自然の緑の中に映える朱色の回廊。
この西回廊を直進、内侍門の階段を降り、
酒殿・竃殿を左に見て、坂道を下ります。

時間があれば、貴賓館から右折して一言主神社あたりを少し見る、
さらにいっぱい時間があれば、水谷神社方面まで行ってみる。
いずれの場合も、貴賓館へ戻り、坂を下り、
船戸神社で交通安全祈願の説明をするなどしつつ参拝終了。
バスに戻る前に、お手洗いをご案内。
お手洗い建物の手前には、両替機があります。

水谷神社方面からアクセス

東大寺の手向山八幡宮経由で山の道を通ってきた場合は、
水谷神社方面から春日大社の境内に入ります。
この場合は、すべて逆方向から進んでバス駐車場へ向かいますが、
逆方向は、どうしてもマヌケ感が拭いきれません。

興福寺

興福寺
行程に興福寺参拝が入るツアーがあります。
筆者の経験では、かなり数は少ないうえ、
そのほとんどが、「興福寺散策」という内容。
境内が広く、色々な建物があります。
団体ツアーでの立ち寄りは、ほとんどが「無料ゾーン」です。
面白そうな場所は、どこも有料なので、実にビミョウです。
 五重塔と東金堂

 中金堂
 猿沢池と五重塔
猿沢池方面へご案内してもいいでしょう。
2018年落慶の中金堂は実に立派ですが、
団体ツアーで参拝することは、今後もないでしょうから、
下見に行った際に、ゆっくりと堪能しておきましょう。

無料ゾーン部分のみの散策でも、国宝館はご案内します。
追加料金を払っても行く人は、ごく少数派ですが。

一部のツアーでは、国宝館見学が含まれている場合もあります。
興福寺の国宝館はコンパクトですが、国宝を含む傑作が沢山あります。

興福寺から近鉄奈良駅方面

興福寺散策のあと、その近くや近鉄奈良駅近辺でランチの場合は、
徒歩移動のほうが、気持ちもよく、時間的にも効率よく動けます。

近鉄奈良駅周辺

興福寺境内から、ひがしむき商店街へ抜けることができます。
ひがしむき商店街
近鉄奈良駅により近い、小西さくら通りも、要チェックです。
小西さくら通り

奈良でのランチは、<ひがしむき商店街>や<小西さくら通り>に集中します
奈良でフリー・ランチの場合も、このあたりをご案内することになります。
さらに、ちょっとしたショッピングも楽しめるので、
下見の際には、一通りチェックしておくと便利です。
小西さくら通り~ひがしむき商店街~興福寺境内の通路も
一通り歩いてみることです。
念のため、ならまちも、自分の足で歩いて下見をしておくと万全です。
大雑把にでも、重要場所を把握しておくと、何かと便利です。

JR奈良駅周辺

団体ツアーでJR奈良駅周辺に来る場合は、
ほぼ、JALホテルでのランチくらいのものでしょう。
その場合、バスは、概ね駅前広場に駐車できるようです。
筆者の経験では、いつもホテル前に駐車できていました。
今後、どうなるか分かりませんので、毎度確認が必要です。

奈良観光のポイントはアクセスと順番

とりわけ、アクセスについて事前に理解しておくことです。
京都から日帰りで奈良観光をする場合、
最初が東大寺になるとお伝えしました。
そうしないと、スムーズに動けないからです。
東大寺南大門横の駐車場に入るには、
春日大社方面から来ると右折できません。
今も、後期高齢者がいるなどで、南大門横駐車場を使う場合、
必ずバスは左車線に入っている必要があります。
先に、春日大社へ行ってしまうと、右折できないからです。
いまは、奈良公園バスターミナルができ、
ここでは乗降しかできませんが、それでもやはり、
春日大社方面からきて右折すると、そこからまた
大きく回ってこなければいけないという無駄が生じます。

京都から奈良へ移動して観光する順番としては、
1.東大寺
2.春日大社
3.興福寺
これが、スタンダードです。

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次回は、奈良観光第2弾、法隆寺へ行きます。

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