ブログの活用法を記事にしました。

12. 【新人】通訳ガイド:行程の確認 【2】

オペレーション

行程の確認 【2】

行程の順番

ゲストは、プログラムを見ながら、1つづつ、契約の履行を確認します。
訪問場所にの日にちが入れ替ったり、訪問順序は変わっても構わないのですが、
ツアー担当者とは必ず打合せと確認をしておき、
ゲストにも、変更になった事項は早めにお知らせします。

団体旅行の場合、ふつう、貸切バスで移動します。
当日になってからの行程変更はできません。
最終行程を見て、順番を入れ替えたほうがよいと思う場合は、
早めに担当者と相談し、バス会社に変更の連絡調整をお願いします。

行程変更の例外

京都観光で起こりがちなことですが、他でも、
効率度外視の順番になっていることがありますので要注意です。

事例:龍安寺~金閣寺問題

多くのガイドが何度指摘しても、
金閣寺⇒龍安寺の順番を変えられない人がいるのです。
バスのドライバー様は、金閣寺から龍安寺という順番を見たとたん、
【仕事のできない人】と判断されるようです。
理由:
龍安寺は、3月から11月は8時から、金閣寺は、9時から拝観可能。
この2か所を見学したあとは、京都市内に戻ることが多いので、
9時に金閣寺~龍安寺~また金閣寺のほうへ戻ってから移動という順番ではなく、
早めに、遠くにある龍安寺へ行ったあと、金閣寺へ行き、
サクっと京都市内へ戻れるよう、効率的に回りたいからです。

この2か所の訪問に関して、毎回、訂正をお願いしています。
それでも、書類が訂正されないまま、バス会社にもその行程が渡されると、
ドライバー様は、意味不明な行程に悩まれ、当日朝に、
「ガイドさん、金閣寺と龍安寺を逆にしませんか?」と提案してきます。
そうなるであろうことを見越して、
旅行社の担当様には事前に知らせておきますが、念のため、
当日朝にもメールなどで、決定順番を改めて連絡します。

以前は、バス会社との契約時間内なら、行程の順番入替は自由にできましたが、
長距離バスの事故が連続発生して以来、当日の行程変更は禁止になりました。
そのため、事前に旅行社に通知していても、現場からも一言連絡は入れます。
万が一、事故になった場合、「行程表」通りに催行していたどうかが問題になるからです。

いちいち、細かく旅行社様に連絡をすると、鬱陶しいようですが、
これは、ガイドの自己防衛手段です

行程と予定時間

オファーをいただく際の行程には、時間は書かれていません。
実際のツアー前に受取る最終版の行程表には、
細かく時間が記載されていますが、
それらの情報はガイド用であって、ゲストにはお伝えしません。

ゲストには、見学場所ごとの集合時間だけを毎回お伝えします。

行程表に書かれている時間は、おおよその目安であり、
早めに終わる所もあれば、長くかかる所もあり、
状況に合わせて臨機応変に調整する必要があるからです。

たとえば、ランチは何時かとか、
終わってホテルに戻る時間は何時になるのかなどを聞かれたら、
おおよその時間をお伝えしてもいいのですが、
時間は前後するかもしれないと、一言添えましょう。

但し、食事時間は、できるだけ予約時間に間に合わせます。

ガイドは、微調整を含めて予定を頭に描いていますが、
迷子が出たり、何かトラブルを起こす人の対応をしたりすると、
そこでまた、時間の再調整が必要になります。
時間に関しては、TL(添乗員)さんにも、どこまで言うかは状況次第です。
あまり先の分まで言っても忘れるし、かといって直前でも困るし、
だいたい2~3日先の分くらいが目安でしょう、相手にもよります。

ツアーの価格

担当するツアーの販売価格も知っておくと便利です。
企画している旅行社のサイトに出ています。
シリーズツアーなら出発日によって若干の違いがあるものの、
ツアーの販売価格がわかれば、
お客様のお買物などのニーズを予測できます

同じ日程、同じ行程でも、宿泊や食事場所は、
ツアーの販売価格によってかなり変わります。
徐々に、ランクに応じたお客様の好みや要望が分かるようになります。
また、ゲストは、気に入らないこと、不愉快なことがあると、
—ホテルの部屋が狭い、食事がイマイチが、2大原因—
「コレコレ(金額)を払ったのに!」と言ってブ~たれるので、
予めツアー価格を調べておくと、
ヤバそうな空気になった時の対策にも役立ちます。

高額ツアー参加者のいろいろ

高額ツアーには、ふつう富裕層のお客様が参加しますが、
ときには、他の参加者とは経済感覚がかけ離れた人もいます。

富裕層向けツアー参加者であっても、服装も極めて質素、
どこへ行っても何も買わず、食事のときは飲物も一切頼まない、
食事がフリーの時は、ほとんど食べず、
徹底的に支出を控えていることが明らかな人も中にはいます。
お買物やレストラン紹介は、たとえ富裕層向けツアーでも、
幅広い価格帯のお店を紹介できるよう心掛けましょう。

詰め込み過ぎの行程【悲報】

稀に、どう考えても1日で回り切れない行程が、
詰め込まれている行程表を見かけます。
そのような非現実的な行程のツアーは、私はお引き受けしません。
たとえ非現実的な行程であっても、
すべて回らないと契約違反と見做されてクレームになります

フリーランスでのお仕事は、アサインをいただくのと同じくらい、
あるいは、それ以上にリスク回避が重要です。

いちどでもクレームになると、いかなる理由であろうと、
そもそも詰め込み過ぎで非現実的な行程が原因であっても、
ガイドのオペレーション能力がなかったということにされてしまい、
そのエージェントとのお仕事は、しばらくは消えますし、
他にお仕事がアサインされていても、外されてしまう事態にもなりかねません。

詰め込み過ぎの行程でも、それぞれの場所の見学時間を短くして、
駆け足で回ればいいのではないかと考える方もいるでしょうが、
まぁ無理ですわ。

インバウンドゲストに、「急ぐ」という感覚は、ありません。
観光旅行に来て、なぜ急がなければならないのか?と言われますし、
はるばる日本まで来て珍しい光景を目にしているのですから、無理です。
また、急がせて怪我でもされたら、ガイドの責任になりますよ

詰め込み過ぎの行程が出来てしまう原因は、現地側も日本側も、
現場を知らずに安易に決めていることが原因と考えられ、
そもそも、各訪問場所の閉館時間すら調べていないこともあります。
基本的な項目も確認せずに行程を組んでしまうような旅行社は、
不測の事態が発生した場合の対応も、信頼できるとは思えません。
何があっても、全部ガイドの責任にされかねないリスクがあります。
怪我人や病人の発生、自然災害による不測の事態などが起こったときに、
ツアー担当者がしっかりしていないと、致命的です。

詰め込み過ぎの非現実的なツアーを作ってしまう原因は、
多くの場所に行けるという触れ込みで集客するためでしょうが、
知らずに参加する方々が、お気の毒でなりません。

オファー時に提示さえる行程確認【重要】

以上のことから、行程を見て、その業務を引き受けられるかどうか、
判断できる能力が必要なのです。

「非現実的行程」を見たら、おかしいと氣が付かなければいけません。
ポイントは、「非現実的行程」と「頑張ればできる範囲」との境界です。

そのためには、各見学場所の所要時間、
行程内に示された移動にかかる時間などが把握できていないと、
その行程が現実的かどうか、判断できませんね。

駆け出しの頃は、旅行社が設定する日程を疑ってもみませんでしたが、
徐々に、受けて良い仕事はどんなものか、分かってきました。

変な仕事には最初から関わるべきではありません。
新人で活躍の機会が少ないからといって、
ブラック案件に巻き込まれると、本末転倒になってしまいます。

一般的な団体ツアーでの見学所要時間などんついては、
オペレーション編の次、動線編で観光地ごとに記載します。

その他

行程表を提示せず、日程だけで予定を聞いてくる旅行会社さんもあります。
その場合は、行程をお知らせしてほしいと依頼し、
内容を見てから決めるのが得策です。
筆者は、必ず日程を送ってもらって確認します。
行程を見ないと、その業務をお引き受けできるかどうか判断できません

業務に慣れてきて、シリーズツアーなら、
「いつもの行程」で分かるようにもなります。
それでも、大筋はいつも通りでも、細かいところが変更になっていて、
それが「知らない場所」なら下見が必要ですから、確認は大事です。

ツアー直前に行程が変更になり、知らない場所が入ってしまい、
下見に行けない場合は、ツアー担当者と相談して対応します。
もしも、そのようなことになったら、
グーグルマップやネットを頼りまくるほかありません。

手配

行程、ホテルの選定、レストランのメニューは、
ガイドが決めていると思っているゲストが、たくさんいます。
手配は旅行社様の業務ですから、
その決定経緯や内容についてコメントしてはいけません。

食事場所を全部ガイドに探して決めてもらうツアーもあるそうです。【超危険】
筆者は、そんなお仕事はやったことはありません。
膨大な時間と手間暇がかかり、実際のオペレーションも大変でしょう。
FITならともかく、団体でそこまでやるとなると、リスク満載です。

ホテル、客室の広さ、食事のメニューの内容も、
現地エージェントからのリクエストに応じて、
ランドオペレーターである日本の旅行社が選び、
それで了解済みなのですから、ガイドが余計なコメントをしてはいけません。

特に、格安ツアーでは、なぜホテルの部屋がこんなに狭いのかと聞かれます
理由は、とても簡単で、予算がないからに決まっていますが、
間違っても「だって、格安ツアーだもん」と言ってはいけません !!!
筆者は新人の頃、正直に、そのまま言いそうになって、
先輩から「そんなこと言っちゃダメ!」と教えてもらいました。

ゲストからホテル客室の狭さなどに不快感を示された場合の対応については、
エージェント担当様に、事前に聞いておくと心の準備になります。
宿泊ホテルのサイトをみれば、部屋の平米数や設備がわかります。

現場で、お客様から色々な文句、
たとえば、ホテルの部屋が狭いと言われても、
ガイドはひたすら黙って聞き、
「エージェントに伝えてます」と言うのみにとどめ、
勝手にコメントをしてはいけません。

次回は、「バス」についてです。貸切バスのことです。
13. 【新人】通訳ガイド:バス乗降~訪問場所~アクセス

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