駒ヶ岳ロープウェイ
西武鉄道とプリンスホテル系が運営する、駒ヶ岳ロープウェイ。
駒ヶ岳ロープウェイは、強風で運休することがあります。
どんなにお天気がよくても、山の天気は不安定なのですから、
必ず、代替案とルート、時間配分と動線も考えておきます。
寒さ対策必須
芦ノ湖の湖面標高が、723m。
駒ヶ岳山頂の標高は、1327m。
100m登ると温度が1℃下がると言われます。
山頂へ行くと風も強く、体感温度は実際よりかなり低いので要注意!
必ず、暖かい服装を用意するよう、箱根に出発する前にお伝えしておきます。
箱根園~駒ヶ岳ロープウェイ
芦ノ湖遊覧船を利用して箱根園で降り、駒ヶ岳ロープウェイへ行くルートは、
かなり頻繁に行程に組まれます。
箱根園桟橋から駒ヶ岳ロープウェイへ
船で到着した団体は、バス駐車場を抜けて、
上の写真左側の建物に向かいます。
階段は段数が多いので、足腰の悪い人、疲れた人は、
途中からエレベーターを利用しましょう。
お客様を一か所にまとめたら、ガイドは窓口へ行って、
乗車券を手配します。
全国通訳案内士のガイド証を見せたうえで、
インバウンド団体であることを告げ、
インバウンド料金を適用していただきます。
割引制度を最大限に活用することは、ガイドの大切なスキルで、
旅行社からの評価対象にもなります。
通常、運転間隔は15分おきですが、
繁忙期は、臨機応変に便数を増やして運行しています。
定員は、たしか101名ですが、団体の途中で区切られると困りますから、
係員に、自分の団体を全員まとめて乗れるようお願いします。
このようなちょっとした待ち時間にも、好奇心旺盛なゲストの皆様は、
あっちこっちへと出かけたり、写真を撮りがたります。
気持ちは、よ~~~く解りますが、
あまり散らばらないように、お声かけが必要。
あまりキツク注意すると雰囲気がビミョウだし、難しいところ。
よく使うのは、「みなさん、ペアの方は隣にいますか?」と聞く。
急に予定時刻よりも早く出発!となった場合でも、
全員揃わないと、改札を通過できません。
駒ヶ岳頂上散策
上に到着したら、帰りの時刻を確かめ、早めに集合をかけます。
ロープウェイの建物を出てすぐ右に下りると展望台。
鏡のような芦ノ湖を見渡せます。
逆に、建物を出て左手に回りこむと、富士山が見えるスポットがあり、
お天気ならば、トップの写真のような光景が見えます。
ここまでは、ぜひ全員に漏れなくご案内しましょう。
足腰の丈夫なゲストさんたちは、箱根神社元宮まで行きます。
いずれにせよ、足元が悪いので注意するようご案内ください。
風が強いと、寒いので早めに駅舎に戻る人もいます。
待合場所では、箱根の魅力を伝えるビデオも流れているので、
退屈しませんし、寒いとストーブが焚かれています。
有償施設や乗物を利用できなかった場合の対応
駒ヶ岳ロープウェイでも、箱根ロープウエイでも、
悪天候・強風などで止まって乗れない場合の代替案は、
だいたい、箱根関所跡か成川美術館になります。
予算も同程度にするべき、これが原則です。
たとえば、強風でロープウエイが止まったから、
代わりに箱根神社へ行くだけでは、ダメ。
箱根神社へ行くこと自体に問題はありませんが、
有償のサービスを利用しなかった代替案として、
無償施設である箱根神社は代わりにはなりません。
ロープウェイの代案場所@箱根
箱根でロープウエイに乗れなった場合の代替案として、
よく使われるのが、箱根関所跡と成川美術館です。
箱根関所跡の入場料は、500円、20名以上の団体だと1人350円。
成川美術館の入場料は、1300円、10名以上の団体だと1人1100円。
というわけで、どちらになるかは、ツアーと担当者次第です。
ロープウエイに乗れない場合は、悪天候ですから、
成川美術館の有名な展望ラウンジからも、良い景色は望めません。
美術館では、静かに作品を鑑賞するだけなのでガイドは楽できますが、
日本画コレクションを楽しめるお客様がどれほどいるかはビミョウ。
箱根関所は、日本史の有名な話ですから、ガイドとしては説明しやすく、
旅行社様にとっても、低料金で済むので魅力的でしょうが、
同程度の予算ということでは、これだけで済ませるのかどうか、
ツアー担当者と相談します。
お客様はかなりシビアで、利用料金をネットで調べて把握するからです。
そして「その差額はどうなるのか?」と言われた時の対応、
あるいは、その時言われなくても、帰国してからクレームになれば、
それもまた問題ですからね。
資料館まで行くにも少し歩きますので、
悪天候、大雨強風ならば、ズブ濡れ確実です。
成川美術館と箱根関所跡とのメリット・デメリットを比較しておき、
代案として行く場合について、ツアー前打合せで、
担当者と相談しておくことをお薦めします。
そのような会話を避けたがる担当者なら、
ガイドが、ケーススタディとして研究しておくべきです。
お客様は、オペレーションを見る目が厳しいとお伝えしました。
まさに、このような場合の対応には、
神経をとがらせているといっても過言ではありません。
たとえ、それがガイドの責任ではなくても、雰囲気が盛り下がり、
クレームになる恐れがありますので、充分に注意してください。
FITは、多くの場合、成り行きで決めて動けますが、
団体ツアーの場合、お客様によっては、行程が変更になると、
文句三昧になる人もいますので、慎重な対応が求められます。
お客様に言ってはいけません。
インバウンド料金は、どこにも表示されていません、
ネットにも表示しないそうです。
全国通訳案内士がガイド証を提示すれば、
インバウンド用の料金が適用になります。
お客様から料金を聞かれたら、正規料金を言いましょう。
その他の代案
何度も繰り返して恐縮ですが、
団体旅行の行程は、時間ギリギリで組まれており、
見学場所を追加することは、難しいことが多いため、
有償施設の代替案としてよく使われるのが、
食事時のワンドリンク・サービスです。
必ず、エージェントの担当者に連絡して確認しましょう。
箱根ロープウエイ
こちらは、小田急電鉄系のロープウエイです。
行程により、桃源台から大涌谷へ行く場合、
早雲山から桃源台へ行く場合があります。
登る/降る
こちらのロープウェイは、団体旅行では、ふつう片道のみ利用します。
当たり前ですが、登るか、降りるか、どちらかです。
【登り】桃源台から乗って大涌谷で降り、バスは大涌谷へ回送、現地で合流。
【降り】早雲山か大涌谷から乗り、バスは回送、桃源台でバスと合流、
または、そのまま海賊船に乗り、元箱根か箱根関所跡の駐車場で合流。
時間管理とルート
いずれにしても、片道は専用車で移動することになりますが、
桃源台or湖尻と大涌谷を繋ぐ道は、1車線の山道のため、
渋滞したら、まったく身動きがとれません。
箱根の行程では、必ずその前後に芦ノ湖クルーズがはいっており、
船の出航時間は少ししかないので、遅れるわけにはいかない。
1便遅れると約40分のロス、その後の行程に壊滅的な影響が出ます。
ましてや、もしも、小田原や三島から新幹線に乗る予定なら、
目も当てられない事態となります。
ですから、箱根では、時間管理に極めて神経を使い、
いつも、早め早めに行動することです。
ツアー前打合せ時の確認
登るか、降るかまで決められているかどうか、ツアー前打合せで確認してください。
なぜならば、上でお伝えした通り、道路状況などにより、
登りと下りを入れ替えることもあります。
そのとき、
「ロープウェイは、下から登るのが普通であり、
上から下ってくるという経路は、おかしい!」
などという文句を言う人がいるからです。
も~、あり得ないレベルの文句を言う人が中にはいるのです。
そんなとき、登り/降りは問わないのか否か、
契約内容を確認しておけば、慌てずにすみますし、
それをゲストに伝えることもできます。
箱根ロープウェイ利用の注意
桃源台から大涌谷、あるいは早雲山まで乗るときは、
ガイドが一緒なら問題ないのですが、
分乗になる場合、ガイドのいないキャビンは、
姥子でドアを開けないようにお願いすることもできます。
それとは別に、ガイド無しグループには、
降りる駅名を書いた紙を渡し、所要時間も言っておきます。
基本、ガイドは先頭キャビンに、
TLがいる場合は、最後のキャビンに乗ります。
大涌谷駅は乗換駅
早雲山から桃源台まで乗る時、大涌谷で降りて乗換があります。
このことは、乗車前に必ずご案内が必要です。
1台に18人まで乗れますが、それは一般的な日本人の場合ですから、
まぁ、欧米系はデブがいるので、15人前後が目安でしょう。
1分ごとに運行していますので、人数が少なくても、
1台やりすごして、自分達だけで乗ると存分に楽しめます。
2台になったら、ガイドが先のキャビンに乗り、
念のために、係員に、次のキャビンも同じ団体であることと、
降車駅をお知らせしておきます。
黒たまご館
今は、玉子茶屋まで行けないので、大涌谷へ行けるとしても、
大涌谷駅前から写真を撮る程度で、あとは、
隣接する黒たまご館でフリータイムとなる感じです。
お客様がお買物で困っていそうなら訳してあげるなり、
説明してあげるなりしてサポートします。
必ず、お手洗いはご案内します。
大涌谷の注意事項
箱根観光のハイライトのひとつでしたが、
火山ガス発生以降、アクセスが制限されたり、台風の被害も重なり、
ここしばらく、すっかりご無沙汰している場所です。
富士山が見えないことが多い大涌谷で受けるダントツ1位の質問はこれ。
下見に出掛けたら、必ずチェック!
もし行けなくても、今は、グーグル先生に頼ることもできます。
今後、状態が安定して、大涌谷へ行けるようになった場合は、
大涌谷駅と隣接する駐車場のあたりでも、既に濃霧で、
周囲がほとんど、時には全く見えなくなることがありますので要注意。
そのような日は、バスと黒たまご館の間を歩くだけでも、
震え上がるほど寒いので、事前にご案内してください。
健康上の注意
箱根ロープウェイの公式ホームページを必ず参照ください。
火山ガスと、健康上の注意喚起と安全対策
箱根へ出発する前に、該当者がいないかどうか確認します。
アレルギーなどの状況によっては、接近すること自体が危険な人もいます。
筆者の体験では、喘息持ちの人とそのパートナーさんは、
利用した船の桟橋、湖尻のターミナルに残っていただき、
本隊の大涌谷散策後、湖尻に戻りピックアップしたことがあります。
喘息やアレルギーが酷い人は、大涌谷へ行ってしまってからでは遅いので、
必ず事前に確認しておきましょう。
玉子茶屋
大涌谷自然研究路は、2020年現在まだ立入禁止なので、
玉子茶屋へも行けませんが、行けるようになった場合の注意事項:
噴気孔に近づかないこと!
【禁忌】
気管支炎や喘息などの呼吸器疾患
心臓などの循環器疾患
飲食後
気分がすぐれないとき
飲酒後
と、箱根ロープウェイのサイトと同じです。
次回は、箱根の3回目、箱根のその他諸々についてお話します。
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