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II-17. 【新人】通訳ガイドの動線ナビ:箱根-3【温泉・食事場所】

動線Navi

温泉

箱根では、多くのツアーが旅館に宿泊します。
旅館でなくホテルでも、箱根なら温泉があります。
旅館宿泊については説明することが、いっぱいありますが、
ここでは、温泉利用の注意事項についてだけ触れます。

禁忌

大涌谷見学の禁忌事項は、温泉利用の注意喚起にもすべて該当します。
温泉利用の禁忌には、さらに、
感染症、発熱、血圧など循環器疾患も追加になります。

【温泉利用の際の禁忌事項】
気管支炎や喘息などの呼吸器疾患
血圧・心臓などの循環器疾患
気分がすぐれないとき
飲酒後(健康な状態なら、時間をおいて様子次第)
感染症・発熱時

念のためにやめたほうがいい、というレベルまで含めると、
温泉利用を控えたほうがいい人が、かなり増えてしまいます。
たとえ、温泉が原因ではなくても、たまたまタイミングが同じだと、
温泉に入ったから具合が悪くなった・・・ということでは、
ガイドの責任問題にもなりかねないので仕方ありません。

日本的な習慣を体験するとても良い機会ですが、
ツアー中に病人・怪我人が出るのは困ります。
身も蓋もない言い方ですが、ガイドの保身は常に考えること

子供じゃないのですから、【危ないと思ったらやらない】、
この簡単な判断ができない人も、中にはいるのです。

差別発言になるかもしれませんが、
安いツアーほど、文句を言う人や我儘な人が多く、
何かあると、必ず他人のせいにしたい人が多い傾向です。
もちろん、格安ツアーにも高額ツアーにも、色々な人がいますが、
全体の傾向として、不思議なことに、
高額ツアーの参加者のほうが、大人で我慢強く、
むやみに他人に責任転嫁しない人の割合が多いのは事実、
一般的な傾向として、覚えておくといいでしょう。

大浴場利用の一般的注意

大浴場内は床が滑りやすい!
湯船のお湯は皆で共有するので、常に清潔でなければいけません。
そのためにはまず、体をよく洗う。
隅から隅まで、特に不潔な場所は念入りに洗って清潔にすること。
(これを言うと、みんな笑っちゃうけど、ほんと一番大事)

湯船には、何一つ入れてはいけない。
たとえシャンプー直後でも、髪の毛も付かないよう、
女性は、必ず髪の毛をまとめてアップにすること。
タオルを入れるのもダメ。
頭に乗せるのはいいですけど、落とさなければ。

湯船の栓を抜いてはいけない。
むやみに水を足したりしてもいけない。

アクセサリーや金属は、必ず外すこと
泉質によっては化学変化を起こして変質します!

40度のお湯なんて熱すぎてとてもじゃないが入れない、と
反応していた人達も、実は、熱すぎるわけではないことを知り、
すっかり気に入ってしまう人も出てきますので、
湯あたり、湯冷めに対する注意もしておく必要があります。

気持ち良くても長く使っていると、眩暈することもあるので、
3分程度入ったら、いちど出て、少し時間をおいてからまた入る。
限度3回まで。
温泉は、ただの熱いお湯ではなく、
ミネラル成分が入っているので、長湯は禁物。
何事も、ほどほどがベスト。

湯冷め、湯当たり、という言葉は、なかなか翻訳できませんが、
毎日たっぷりのお湯に入る習慣に慣れていない人達を相手にする場合、
急激な変化がないよう、事前にお話をしておきましょう。

今では多くの旅館や温泉のあるホテルでは、
大浴場利用の注意事項が、各部屋や、大浴場に置いてあります。
イラストに日本語と英語を併記した説明書がありますが、
見ない人のほうが多いので、必ずガイドが説明します

当たり前ですが、脱衣場も大浴場も、撮影禁止です!
いちいち言わないと、屁理屈を言う人がいますから、要注意。

多くの場合は、露天風呂もありますから、
ぜひ体験していただけるようご案内してください。

旅館関係の説明は、日本独自の習慣になり、
ゲストには全く新しいことばかりで、説明にも時間がかかるため、
ロングドライブの時間を利用して、徹底解説。
説明時間が短いと、ゲストは、とてつもない想像をめぐらし、
とんでもない行動に出るリスクがあるからです。
徹底的に説明をし、できるだけ多くの質問を受け付け、
疑問点を解いていくのです。

大浴場へ行く時の注意事項

部屋の金庫に貴重品を入れること。
若干の小銭を持って行くと、自販機などですぐ飲物を買える

部屋の鍵をどうするか?
大浴場には貴重品を入れる小型ロッカーに入れて、その鍵を持って入る。
鍵にはゴムが付いているので手首に付けて外さないこと。

たいてい、お風呂セットのビニール・ポーチが1人に1個付いています。
わたしは、それに部屋の鍵、金庫の鍵も入れて、必ず近くに置き、
大きな湯船に入るときも、すぐ近く目の届くところに置いています。
そんな対策もお客様にお話しています。

シャンプーやリンス、ボディーシャンプーはありますが、
女性は、洗顔フォームは、自分の物を持参したほうがいいですね。

大浴場の入口で、自分のスリッパに番号を付けるシステムが増えました。
そのことも説明します。

大浴場訪問

ガイドが女性なら女性客を連れて、
ガイドが男性なら男性客を連れて、
宿泊するお宿の大浴場を見学に行きます。
実際に、脱衣場で、何をどうするのかを、現場で説明。
 
他のお客様の迷惑にならないように気をつけながら、
大浴場のシャワーがある場所、湯船、露天風呂、
場合によっては、水風呂の湯船もあるので、そのあたりを説明。

その後、ガイドと一緒に行けなかった性別のお客様に、
その人達に説明を伝えてもらいつつ、
質問を受けながら補足説明をしたり、繰り返したりしていけば、
だいたい、分かってもらえます。

その他

大浴場の営業時間。
施設によっては、男女の場所を入れ替えるところもあり、
そのスケジュールも表示されています。
迷ったら、暖簾の色で判断できることもお伝えします。

昼食場所

団体のランチ

団体ツアーで昼食に利用する場所は、だいたい限られています。
一番多いのは、海賊船や双胴船の桟橋近くにある食事施設。

関所跡
箱根関所跡の桟橋に直結した「箱根旅物語館」さんは、
多くの団体ツアーが利用する、団体専用の食事施設。
船から下船後すぐ、あるいは、これから乗船するときにも、
桟橋と直結、関所にも通じているのでロケーションは最高。
バスは、建物前の広い駐車場に停められます。

ランクの良いツアーだと、お隣の箱根ホテルへ行きます(雲泥の差)。
こちらは、桟橋から少し歩きますが、地図で見るとすぐ隣。
注意事項としては、桟橋から、旅物語館のお土産店を通過するので、
そこで、時間をどれくらい取れるのかをキッチリ決めて、
集合をかけること。

箱根園
プリンスホテルのビュッフェレストラン。

湖尻
ターミナルの建物上の食堂。
ここは、旅物語よりもレベルが下がり、煩いし、
給食かそれ以下のレベルですが、時々お世話になるのです。
場所が便利だからでしょう。

桃源台
ターミナル内の食堂。
わたしは、桃源台のターミナル内の食堂を利用したことがありませんので、
詳細は不明です。

フリー昼食

少人数の団体やFITでは、指定されたレストランがなく、
フリーになっている場合があります。
その場合は、予定された行程と動線を把握するだけでなく、
天候不良で行程と動線が変更になった場合についても、
事前に調査しておきます。

FITで専用車付きだと、ゲストの希望にできるだけ沿える場所へ行けますが、
少人数でも団体扱いで、予算が限られている場合は、
海賊船か双胴船の桟橋近くが、催行的に便利です。

食事をフリーにするのは、東京・京都・大阪など、
大都市で選択肢が沢山ある場所にすればいいのに、
箱根で、団体なのにフリーランチにされると、頭痛の種です。

ゲストは、必ずしも日本食を希望するとは限りません。
ランチがフリーの場合は、料理のカテゴリーと価格帯を複数用紙し、
事前に、混雑具合も電話で確認しておくくらいがお薦めです。

団体でもランチ場所が遠いケース【時間に注意】

よく団体旅行に利用されるレストランがいっぱいのときは、
離れたレストランでランチになることがあります。
問題は、その場合、移動時間が僅かしか設定されていないケースです:
関所跡や元箱根から、箱根湯本までの移動は、
どう考えても10分や15分では無理です。

さらに、バスを降り、全員で向かう施設のレストランまで移動して、
実際に食事を始めるまでには、さらに時間がかかりますし、
繁忙期で、桟橋付近の食事場所の予約が取れないときは、
当然、道路も渋滞していますから、余計に時間がかかるのです。

どうやら、このケースに当てはまるという場合は、
朝の出発を早めて、早め早めに行動することです。

旅行社の新人さんの中には、デスクの上で、乗換案内だけを頼りに、
PCの画面に出てくる時間を真にうけて行程作成したりする人がいます。
当たり前のことですが、それは渋滞していない時の話であること、
さらに、たとえば高速道路を利用する場合は、
高速道路まで行くのにかかる時間、
それ以前に、全員揃ってバスへ向かって乗りこみ全員を確認する時間と、
団体旅行には、目に見えないロスタイムがかなりあるのに、
そうしたことは、一切考慮せずに、時間を区切られると、
時には、時間通りの催行が不可能になることもあります。

それゆえ、ガイドはたとえ新人であっても、
行程表を見たときに、適正か否かを見る目が重要なのです。

箱根で朝早く出発する場合

上記のような行程になってしまった場合は、朝早めに出発することが
第1の解決法ですが、その場合の注意事項は以下の通り。

ドライバー様

ドライバー様の業務規定時間との兼ね合いがありますので、
ドライバー様と話し合いのうえ、若干の範囲でご協力をいただきます。

船の時間

箱根観光の日は、だいたい芦ノ湖クルーズとロープウェイが入ります。
各々の営業開始時間を確認し、動線と時間配分を考え、
これも、ドライバー様と相談します。
同時に、船の会社に電話をして、状況も確認しておきます。
もしかして、大人数の団体がいっぱい入っていて、
早く到着しても乗れないかも・・・ではお話にならないからです。

あるいは、早く到着しすぎて、待ち時間が増えただけになっては、
本末転倒ですし、お客様にもご迷惑をかけます。

朝食時間

箱根などのリゾート地では、朝食時間の開始が遅いホテルがあります。
その場合、ダメ元で、たとえば15分でも早めていただけないか聞いてみる。
ダメなら、全員、朝食前にチェックアウトしてもらい、
荷物はフロントあたりにまとめて置いていただけるように手配して、
お客様にも場所を実際に示して説明し、
朝食時間開始前に全員が並んで一番乗りできるようにする。
それでも、どうしても、部屋で歯を磨きたいという人もいますので、
とにかく、出発時刻厳守をお願いして、
できるだけ予定時間キッカリの出発を目指す。

ケーススタディ

わたしの経験では、ランチ場所が箱根湯本に設定されたとき、
1本早い船に乗れるよう、30分早く出発しました。
朝は道路が空いているので、30分早い出発で全体を40分早められましたが、
それでも、ランチ場所に到着したのは、行程表通りの時刻でした。
ということは、つまり、予定通りに出発していたら、
ランチ時間は、大幅に遅れることになったということです。

旅をすればお腹がすくものです。
ランチも、13時頃までならお客様も我慢されますが、
13時半となると、「遅い!!!」と言われます。
このことも、毎回、報告書に記載しているのですが、
なかなか改善されません。
ちょっとしたことで、お客様の満足度が下がるのは残念ですから、
みんなで、きちんとゲストの声をお伝えしていきましょう。

今回は、温泉と食事場所だけになってしまいました。

次回は、箱根神社、箱根関所跡、成川美術館の動線について触れて、
箱根シリーズを終えたいと思います。

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