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23. 【新人】通訳ガイド:空港から出発【専用バス】

オペレーション

空港から出発【バス】

ガイド席

ガイド席は、1列目、マイクの後ろです。
ドライバー席のすぐ後ろがほとんどです。

私は一番先にバスに乗り込み、
1列目4座席すべてを確保します。
ドライバー様の後ろ2座席にガイドの荷物を置き、
通路反対側の2座席には、
【Reserved】と大きな字で印刷したA4の紙を、
クリアファイルに入れたものを置き、
ゲストが1列目に座らないようにします
マイクの場所が反対側なら、入れ替えますが、
それは後からでも大丈夫。

【注意】ガイドが一番先に乗りこまないと、
ゲストが1列目を占拠してしまいます。

その場合も、以下の理由から
座席を移動していただきます。

かつて新人研修を受けたとき、
次のように教わりました。
1列目は最も危険な座席であり、
万が一事故が起こった場合、
保険がきかない

⇒どこまでホントなのか、
実際の詳細はナゾのままですが、
安全性を理由に、
1列目にはゲストを座らせません。
「事故が際、保険がきかない」
この一言で、普通は簡単に諦めます。

それでも、1列目に座りたいと訴える
お客様もいますが、原則お断りします。
依怙贔屓は厳禁です。

最前列は大きく視界が開けているため、
写真撮影には絶好の場所です。
最前列2席を開放してしまうと、
写真撮影用の争奪戦になります。
たとえ、毎日交代してもらうにしても、
全員を平等に扱うことはできませんし、
必ず、なんだかんだと屁理屈を言って
連続占拠する人が出ることは、
容易に想像がつきます。

結果として、
危険だからダメという理由で、
1列目NGにしてしまうのが、
安全上も、全体の雰囲気的にも、
全員平等の観点からも、
平和的解決策と思います。

TLさんが付いてくるツアーでは、
通路をはさんだ反対側がTL席。

ガイドやTLさんは、
書類など荷物が多いので、
普通は1人で2席づつ確保します。

それでも、1列目着席を許可せざるを得ない場合

1. 車酔いする人
視界が開けていると酔わないと言われる場合。
乗物酔いする人については、
初めに、申し出てもらいます。
車酔いする人については、
酔止薬をもっているかも確認します。
車酔いしてから最前列に来る人もいるし、
最初から最後まで1列目にいる人もいます、
いろいろ。

2. TLが、特定のお客様を
1列目に乗せると主張する場合

TLが、特定のゲスト、多くの場合は、
TLの顧客になっているゲストに、
「バスの1列目に乗せてあげる」と
予め約束してしまっている場合があります。
その場合も、TLとゲストの前で、
最前列の危険性と保険の件を説明し、
納得していただきます。
万が一、事故が発生して、
1列目のゲストが怪我をした場合、
ガイドは危険だから避けるように説明したが、
危険を承知で、そこに座ったことを
明確にしておく必要があるからです。
いつでも、ガイドの責任にならないよう、
対策を講じておくこと

3. ゲストがどうしても1列目に
座りたいと希望
する場合(レアケース)
「何が何でも1列目に乗りたい」と
主張した高齢者のケース:
「もう80代半ばになり、
明日にどうなっても何の不思議もないし、
人生に悔いもない。
事故になって怪我をしても、
文句言わないし、死んでも悔いはない。
保険がどうのこうのとも
騒がないからご心配なく。
この年になって、
やっと日本まで来ることができました。
多分これが人生最後の遠方旅行です。
わたしは、写真は撮らないので、
カメラも持ってきていません。
最前列の大きな窓から、日本の景色を、
じっくりと目に焼き付けたいのです。」

ここまで割り切られると、
「どうぞ」というほかありません。
しかも、車酔いもする方でした。
最前列の方のシートベルト着用は、
特に注意して確認します。

2列目の今後【インバウンド再開のとき】

新型コロナ感染が落ち着いても、
マスク着用や社会的距離は、
習慣化される可能性が高いでしょう。

マスクにウイルスの感染防止効果が
全くないことは、多くの科学者や医師が
エビデンスと共に発表していますし、
厚生労働大臣も明確に認めており、
2021年春の国会で、
「マスクにウイルス感染防止の効果が
無いことは、世界中の常識です」
と明言しました。
マスク着用は百害あって一利なし;
健康を害するだけ。

それなのに、なぜ、
マスク着用が推奨されているのかは、
各自、調べましょう;
ここに書くことはできません。
2023年3月13日以降は、改めて、
各自の判断になったにも関わらず、
なぜ、マスクを外せないのでしょう?
そもそも、日本政府は、一度たりとも、
マスク着用を義務付けてはいません。
憲法にも刑法にも抵触することを、
知っているからですね。

ウイルスも黴菌も、ずっと昔から、
あらゆるところに沢山いて、
人類は、沢山のウイルスと
ずっと一緒に過ごしてきたわけですし、
私達の細胞にもウイルス由来のものが
沢山あります。
そもそも、PCR検査は、
遺伝子を増幅するためのもので、
ウイルス検出に使ってはいけないと、
発明者が教えて回っていました。
おかしなことが、いっぱいあるわけです。
それは置いといて、この機会を利用して、
バスの2列目は空けるという
習慣ができれば便利です。

ツアーは、短ければ1週間程度ですが、
2週間以上に及ぶものもあります。
集客のために、訪問場所を多くすれば、
いかにも充実したツアーに見えるため、
結果的に、タイトでキツイ行程が
出来上がるわけです。
ツアーも中盤を過ぎ、
疲れてくれば免疫力も下がります。
それは、ゲストも同じで、
風邪ひきさんも出てきます。
さすがに、ガイド席のすぐ後ろで、
派手に咳をされ続けると、
ほぼ確実に感染するわけです。
マスクで防げるものではありません。
ガイドの体調が悪いと、
ツアー催行に支障が出ますので、
ゲストには、できれば3列目以降に
座ってもらいたいと思うのです。

苦い経験:参考までに

駆け出しの頃、大風邪を移されて、
ひどい目に遭ったことがあります。
そのツアーには、ベテランで
優秀なTL(添乗員さん)が付いて来ました。
問題ゲストはツアー初めから、
ずっとガイドのすぐ後ろの席に陣取り、
ひっきりなしに咳き込み続けて、
困ってしまいました。
もちろん、マスクを持っているわけもなく、
マスクを差し上げても要らないといい、
口も覆わない。
風邪ではないか?と聞いても、
風邪ではないと言い張りました。
咳がひどくなり、風邪ならば薬局へ行って、
薬を買ったほうがいいとTLさんが諭しても、
風邪ではないと言い張り、
咳はさらに酷くなっていきました。

私は、毎日ずっと「咳」が吹き付けられ続け、
いよいよ、私への感染も明らかになり、
頭痛と寒気にも襲われはじめ、
声がかすれはじめてきました。
TLさんが、問題ゲストに
座席を移動してほしいと言うと、
その人は、ブチ切れました;
好きな席に座る権利があるはずだ、と。

好きな席に座る権利はあるかもしれないが、
独り占めしてはいいことにはなりません。
毎日、交互に座席を変えてくださいね、
とご案内しています。
別な人が先に来たので、
ガイドの後ろ席に座っていると、
「そこは私の席だ」と言い張り、
先に来た人を追い出してまで、
自分の好き勝手を続けていたのでした。

添乗員さんが、ガイドの声が出なくなると、
ツアーが催行できなくなると言うと、
「客にイジワルをするのか」と、
わめき散らす始末。
あのベテラン添乗員さんが、
あれだけ優しく、氣を使いながら、
対応してくれてましたがお手上げ、
全員がドン引き状態。

問題ゲストはトラブルメーカーでしたので、
他のお客様達も、
色々な件で呆れ果てていました。
その人の病状はさらに悪化しましたが、
日本の薬を買うのは嫌だと
薬局行きを拒否していました。
しかし、他のお客様達から、
自分達にも感染させるつもりかと言われ、
やっと、薬局へ行って風邪薬を買い、
薬を飲んだら、みるみる回復したのです。
「日本の薬がこんなに効くなんて
思わなかった」なんて言われても
私は人間ができていないので、
「うるせぇ、コノヤロウ」と
思ってしまったのでした。
思っただけですよ、
実際にはそんなことは言いません。
「呆れてモノが言えない」という
雰囲気は振りまいたと思いますが。
ウイルスを移した人はさっさと回復しますが、
移された人は簡単には回復しません。

この問題ゲストは、その後、掌を返したように、
添乗員さんとガイドに媚びてきました。
何をどう考えたのかは全く理解できません、
恥を知らない人は、けっこういるものです。
 

ガイドは声が出ないとアウト

上記が、駆け出しの頃に、
大風邪を移された嫌な経験です。
「声が出なくなったガイドさん」が
降板を余儀なくされ、急遽、
代役を務めたこともありました。
それらの経験から、ツアー最初に
「風邪をひいたり咳をする方は、
ガイドから離れていただきたい。
ガイドの声が出なくなると、
ツアー催行に支障をきたします」と
言うことにしていました。
こんなセリフを言うべきではありませんが、
事前対策と割りきっていました。
今は、ツアー開始時には言いませんが、
状況次第で早めに注意喚起します。

私が咳き込む場合は、
私から離れてくださいとも言います。

ガイドが体調不良となり
途中で業務降板になれば、
収入が絶たれるだけではありません。
繁忙期で、代わりが見つからなければ
責任問題にもなりかねません。
そのツアー契約が
「スルーガイドを付ける」となっていれば、
契約上の問題にも発展する場合もあり、
その旅行会社からは、干されるでしょう。

新コロでなくても、
普通の風邪(コロナウイルス)でも、
氣を付けるべきことです。

ご夫婦・カップル

20名ほどの団体なのに、
45席の大型バスが手配されることもあります。
1人で2席使える計算になりますから、
「ぜひ、ゆったりとお座りくださいね」
とお伝えしても、多くのご夫婦やカップルが、
くっついて座るのには毎度驚きます、
どう見ても、けしてスリムとはいえない方々、
見ているほうが暑苦しく思う方々が多いので、
「座席の余裕はいっぱいありますのよ」
と言っても、
「こうして一緒にいると落ち着くから」と
答える人がたくさんいて、目がテンになります。
あんなに恰幅がよくて、
1人1座席では到底足りなそうな人達が、
窮屈だとも思わずにくっついているのか、
わたしには理解できませんが、
お客様がOKなら問題ありません。

ガイド席を最適化

バスが発車する前に、
マイクの位置やコードの長さに合わせて
自分の陣地を決め、
通路側に書類鞄など、
少し高さのあるものを置いて
バリケード化します。

通路側の座席を
後から見えなくすることにより、
アンチョコを隠すことができます。

最初から、すべてを暗記して、
淀みなくステキなガイディングを
展開できるとは限りません。
すくなくとも、私はできませんでした。
自作メモを見るのは問題ないとはいえ、
あまり見られたくはないわけです。
【参考】ガイディング原稿や
アンチョコについては
4. ガイディング原稿作成を参照。

バス発車

荷物を積み終え、全員がバスに乗り込んだら、
今一度、名簿を元に全員の確認をします。
改めて、歓迎のご挨拶と手短に自己紹介、
ドライバー様のご紹介
をします。
ドライバー様は、東京なら
「東京のベスト・ドライバー様、
西園寺さんです!」

これが定番のご紹介表現です。
大阪、京都、行く先々で、
場所を入れ替えて同じようにします。
ずっと同じバスで催行する場合は、
「日本一のドライバー様」になります。

食事制限がある人について、
バスが止まっているうちに、
情報確認できるといいのですが、
空港の団体バス駐車場には、
あまり長い時間、停まっていられません。
せめて、日本到着後に食事制限があると
分かった人の名前だけは、
チェックしておきます。
食事制限についての情報確認は、
次回、お伝えします。

シートベルト着用のご案内をします。
交通規則により、ガイドも着席し、
シートベルト着用が義務付けられているため、

お客様の方を向いては、
お話はできないことをお伝えし、
ご理解をお願いします。

ガイドも含めて全員が着席し、
シートベルトを着用しないと、
バスは出発できません。
なかなか座らない人もいますよ。
ドライバー様が、バックミラーで
確認をしますが、ガイドも確認します。
ツアーでの指揮命令者は、
通訳ガイドですから、ガイドが、
ドライバー様に「お願いいたします」
と言うと、バスが動きます。

ガイドも着席してシートベルトを付けると、
運転席のバックミラーに写っている範囲しか、
お客様の反応は分かりませんが、
たまにチラりと後ろを振り返れば、
大体の様子は分かります。
お話が面白ければ大声で笑うし、
驚けば大騒ぎするし、
不思議なことがあれば、
質問をしてくるので心配ありません。

昔は、ガイドは立って、お客様のほうを向いて
ガイディングをしていたそうです(ひぇ~!!)
急ブレーキで転倒して骨折したガイドが出たり、
長距離バスの事故が続いてからは、
ガイドも着席してシートベルト着用が
義務付けられたそうです。
立ちっぱなしだったら、とてもじゃないが、
続いていなかったでしょう。
(自慢じゃないが、根性はありません。)

お客様を気にするあまり
シートベルトを付けた状態で体をひねり、
斜め後ろを向いてお話をするガイドも
いるようですが、変に疲れて、
体が歪む原因になりますし、
長続きしませんし、
そこまで体に無理をかけたところで、
見える範囲はタカが知れており、
どう頑張っても後部座席の人には、
全然見えないのですから、
むしろ不公平になります。

ツアーは長く体力勝負ですから、
無駄な体の負担は減らすべき:
これが私の業務方針
です。
通訳ガイドも人間ですから、
疲れれば機嫌が悪くなります。
そのようなことにならないように、
業務をするほうがハッピーですよ。

次回は、空港からバスが出発してからの
注意事項について、お話します。
24. 【新人】通訳ガイド:バス車内での確認と安全注意事項

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