平安神宮
平安神宮を行程に含めているツアーはたくさんあります。
朱色の大鳥居、立派な応天門を見るだけで、
ぜひ中に入りたいと思わせる雰囲気があります。
平安神宮の魅力は、大極殿などの建築だけではなく、
神苑も素晴らしい見所です。
神苑が行程に含まれていればいいのですが、
格安ツアーでは、神苑へは入りませんし、
富裕層向けツアーでも、神苑が含まれていないこともあります。
平安神宮駐車場
平安神宮に向かって左側1か所。
岡崎公園バス駐車場
地図をクリックすると大きな画面になります。
いまは、駐車場と平安神宮正門の間に、
十二十二という文化商業施設があります⇒危険
十二十二 のサイト
平安神宮の駐車場は、場所も分かりやすく助かります。
バス降車前に、バスへの最終集合時刻を複数回確認。
当日のルート次第ですが、少し時間に余裕があるならば、
大鳥居を見てから駐車場へアクセスしていただけるよう、
ドライバー様にお願いしてみましょう。
大鳥居はどうしても、横から見ることになります。
このあたりは、ドライバー様に従いましょう。
平安神宮の駐車場でも、出発時刻を聞かれます。
駐車場所によって、バスが移動する場合と、
しない場合とがあります。
ここでも、行きはお店に入らないよう徹底周知。
見学を諦めても、ショッピングが大事な人は、
自由にしていただいて問題ありませんが、
その場合、予定訪問地を見学できなかったことは、
自分の責任になることを、みんなの前で確認します。
嫌らしいやり方ですが、ワガママはエスカレートし、
とんでもない話を作り上げて、
クレーム化させる人もいますので、
多くの人を証人にするためです。
実際には、もしクレームになっても、
その人達が証人になってくれることはありませんが、
証人が沢山いる!という事実を知らしめることで、
一定のクレーム防止対策効果はあります。
手を焼くほどの我儘客は一定数いますので、
そのくらいの対策が必要です。
見学時間
神苑に入る場合も、入らない場合も、
1時間と設定する行程が多いのです。
大極殿
1895年:平安遷都1100年記念
日本は、世界一古い国家であることをアピール。
外拝殿内部は、写真撮影厳禁+静粛に。
アクセスする前に説明はすべて済ませること。
大極殿・蒼龍楼・白虎楼・歩廊・龍尾壇の建築は、
ゲストに大好評です。
神苑に入らない場合
1時間も必要ありません。
駐車場との往復時間を入れても40分もあれば充分。
他の見学場所の時間が短い場合は、
ここでの滞在時間を短くして調整できます。
但し、見学時間があまり短いと拍子抜けして、
「たったこれだけ???」
などと文句を言われたりしますので、
ここは短い時間で見終わると、
事前にご案内をしておきます。
そして、若干は時間に余裕をもたせて、
十二十二に寄る時間も取れば大丈夫。
お店で時間超過しないよう注意しましょう。
格安ツアーのゲストは、あまりお買物をしません。
ウインドウ・ショッピングすらせずに、
さっさとバスに戻ってしまう人達もいます。
神苑に入る場合
駐車場からの往復の時間も入れると、
1時間では大急ぎでもギリギリでしょう。
神苑に入る前の大極殿あたりは手早く済ませましょう。
神苑に入ると、どのセクションも美しく、
いくらでも写真を撮り、動かなくなります。
美しさに見とれているのがよく分かるだけに、
急かせることもできません。
この石を渡ろうとして落ちる人が出る場所。要注意。
しょうぶ
この橋殿を渡ったら散策もおわり
帰りに十二十二に寄られると、明らかに時間不足になります。
次の行程も時間的に厳しい場合は、その旨を説明して、
十二十二はお手洗いを借りる程度にして引き上げましょう。
バスの延長料金の支払いは予定されていません。
終了時刻が遅くなって延長料金が発生する場合は、
ガイドのオペレーション能力不足と見做されます。
もし、延長になりそうな気配が感じられた場合は、
直ちに、早めにツアー担当者に連絡をすること。
【ゲストの想定外行動@神苑】
平安神宮も、京都観光2日目の訪問地に
組み込まれることが多いため、
京都観光1日目で疲れてしまっている人も、
それなりにいます。
そのような状況の中で神苑の美しい庭をそぞろ歩き、
コーヒータイムができる所を発見してしまうと、
吸い寄せられるように全員入り込んで、
くつろがれてしまうと完全にお手上げです。
ゲストの皆さんが、それを楽しんでいるのならば、
ガイドも諦めてお茶に付合い、一緒に楽しんでいます。
タイミングを見計らって「もう、行きますよ」と、
促すわけですが、雰囲気を壊さないようにね。
出発時刻が遅れるのは明らかですから、
ドライバー様に、早めに連絡を入れます。
神苑内のような場所にあるカフェは、
人手が少ないので、かなり時間がかかります。
【神苑が行程にはないが、行きたい人がいる場合】
行程には神苑が入っていないため、
神苑の存在に氣付かれないよう、
神苑入口方面を避けて動いているのに、
ゲストが神苑の存在を発見してしまう事態が多発。
宣伝写真も掲載されているため、
「こんなに綺麗なところがあるのに、
どうして行かないの?」
と言われてしまうのも無理はありません。
こうなってしまったら隠しても無駄。
ありのままを説明し、次の点を確認します。
・よって、行きたい人は自己負担になります。
・1人、600円かかります。(2021年5月現在)
こういう案内をすると、必ず聞かれることが、
「お勧め度は、どのくらいか、綺麗かどうか?」
⇒ガイドとしては、是非お勧めしたいレベル。
20名のツアーで全員が入場したこともありました。
格安ツアーでも、是非行きたいという人もいれば、
富裕層で興味があっても、
自己負担を嫌がる人もいます。
行程にない以上、行く必要はありませんが、
これまでの筆者の経験では、
ここを見つけた人達は<Garden>と見て、
もう舞い上がってしまっているのです。
それを頭から却下はできません。
その時点での確認内容:
・でも、皆さんは、見学を希望しています。
・とはいえ、時間的余裕はありません。
・ガイドが同行して効率よく案内します。
・行程にないのに無理に行くのですから、
駆け足になることはご了解ください。
・行かない人は、これから自由行動にします。
・全員、バスに何時何分に集合します!!
よろしいですね!
ガイドはガイド登録証を見せれば、
無料で入れていただけますので、
同行して、効率よく案内をします。
これまでのところ、
自己負担をしても平安神宮の神苑を見た人は、
たったの600円で、素晴らしい景色を見られる、
絶対に行くべき、行って良かったと大好評です。
桜の時期は息をのむほど素晴らしく、
ゲストが感動のあまり、
動かなくなることもありますので、
とにかく時間配分を考えて引率します。
ハンディクラフトセンター(=ハンクラ)
京都ハンディクラフトセンター
行程に入っていなくても、日本に詳しいTLが付いてくると、
どうしても連れて行きたがる場所。
TL無しのツアーでも状況次第で、
ツアー担当者がOKならば立ち寄り可能ですが、
行程になければ、
ハンクラへ行く時間的余裕はありません。
駐車場は予約が必要なことがありますので、
直前でも必ず確認すること。
また、立ち寄る時間があるとしても、
ガイドがリベート欲しさに、
お土産店に連れて行ったと思われるリスクが
ありますので、普通はしません。
行程に無いのに、どうしても、
TLがここへ行くと主張して、
行かざるを得ない場合、
その点をゲストに明確にお伝えします:
皆様方のツアーリーダーさんが、
皆様をハンディクラフトセンターへご案内したいそうですので、
行程にはありませんが、立ち寄ることにします。
TLが、どうしても、
ハンクラへ行くと言い張る場合、
行程には無いけれど、
自分はこういう所も知っているのだよ~、
というアピールが目的かと推察されます。
ゲストの反応は以下の3パターン:
1. 全員が買物をして満足する。
2. 買物に興味がある人、
全然関係ない人に分かれて、賛否両論
3. ほとんどの人が興味なくて不発=
時間が無駄になったと文句が出る。
わざわざお土産屋さんに立ち寄る行動は、
リスクを伴います。
ほとんどの人が買物に興味がない場合、
クレームになりかねません。
不発に終わった場合、TLが、帰国後に、
ローカルガイドが行くと言い張ったなどと、
作り話をして報告する可能性がありますので、
このような場合でも、とにかく、
決められた行程と違うことをする場合は、
必ずツアー担当者に連絡をし、
TLさん主導であることも伝えること。
イザとなると、旅行社も、
クライアントのカタを持つこともあります:
予定外のことは、必ず、
迅速にツアー担当者に連絡して、
自分の身を守ることに繋がります。
あとになってからでは、言い訳としか
受け取られませんので要注意です。
ゲストから、お買物のリクエストを聞いた結果、
ハンクラへ行けば、ほとんど解決することが分かった場合。
行程がキチキチならば、ハンクラへの立ち寄りは無理ですが、
早めに終わる行程の場合、ゲストにお知らせする前に、
先にツアー担当者と相談して、バスの延長がOKならば、
制限時間を厳しく決めて、立ち寄り可能なこともあります。
三十三間堂
平安神宮から近いわけではありませんが、
三十三間堂へ飛びます。
蓮華王院三十三間堂
ここに限りませんが、到着前に概要は説明しておきます。
イヤホンガイドを使っても、
延々と説明することはできません。
そのことも、あからじめ、
バスの中で説明をしておきます。
靴を脱ぐことは、前日までにご案内が必要です。
駐車場
境内の中までバスが入り、駐車場も狭く、
バスを降りるとすぐに窓口があります。
注意事項:写真撮影厳禁
写真撮影厳禁!!!!!
写真撮影禁止の場所は、沢山ありますが、
三十三間堂では、本当に氣をつけてください!
お堂内部見学時は、余計な詮索をされないよう、
カメラは鞄などに仕舞ってもらいましょう。
参考記事:28. 【新人】通訳ガイド:旅の情報と注意事項(2)
写真撮影厳禁・要注意の項目
靴を脱ぎ、できる限り、
近くの靴棚に置きます。
どこに置いてもいいのですが、
置き場所が分からなくならないように。
静粛保持が極めて難しい国民性の場合は、
到着前に繰り返し注意喚起し、
現場でも注意します。
ヘタすると、旅行会社・担当者・
ガイドの名前まで聞かれかねません。
イヤホンガイドを使う場合でも、
ガイドの声は大きくなりがちなので要注意。
注意事項:拝観時間
受付時間は30分前です。
その時期は、15時までに
駐車場に入らないと拝観できません。
このことを確認せず、
1日の最後に行程に組まれていることがあります。
行程表を信じたままツアーを催行すると、
1か所見られなくなった=契約違反問題発生、
という悲劇が起きかねませんので、要注意です。
通常期でも、17時には出なければいけません。
外で建物の写真を撮る時間も計算に入れると、
16時には駐車場に到着しないと、
見学はかなり難しくなります。
お堂内部
仏像の配置情報は、下見をして確認しますが、
変わることもあります。
こういうコトを言うのもアレですが、
下見ができない場合の対策:
今は、様々な情報が充実しています。
情報をある程度暗記しておき、
見えた順番に訳していけば、
急場はしのげるのではないでしょうか。
124体は、創建当時の作。
中央の湛慶作、千手観音座像は
間違えようもありません。
あとは、風神雷神と二十八部衆像。
固有名詞を言うのではなく、
役割を言わないと理解されません。
ザックリいいので、
何世紀初め/中/終わり等と言うなり、
今から何百年前と言わないと、
ゲストは理解できません。
一堂に並ぶ千体の等身大の仏像は、圧巻です。
(修理のため出張中の方がおられるとしても)
他の団体やFITの方々を見ても、
ざっと通り過ぎて行くことが殆んどです。
一か所で詳しく説明するガイドは、
見たことがありません。
ピンポイントで手短に解説しましょう。
お堂の突き当りまで行くと、右に折れて、
回れ右するように玄関方面に戻ります。
千体の仏像の裏側にあたるこの通路には、
色々な仏像や品々が展示されています。
ゲストは色々聞いてきますが、
適宜に切り上げないと、
時間が足りなくなりますので要注意。
私は、目立つものをピックアップしています。
三十三間堂の庭園
通し矢
見学ルート最後のあたり、売店前に
通し矢をする場所に来ます。
外・建築
外は最後がいいと思います。
三十三間堂の名前の由来も、
外なら落ち着いてお話できます。
小規模ながらもお庭もあり、
どうしても行きたい人達もいますので、
少し写真を撮らせる程度の時間を見つつ、
お手洗いに行かせつつ、まとめます。
行程に入っていない場合
行程に入っていない場合で、
フリータイムがあるときに、
お勧めできる訪問地の筆頭です。
日本人は、京都駅から市バスに乗りますが、
欧米人なら歩いてしまっています。
若干距離はあるものの、
道順がシンプルなので迷いません。
こんなに素晴らしいお寺は初めてみた、
絶対に行くべき場所であると大好評です。
フリータイムでゲストが自由に行く時でも、
上記の注意事項を伝え厳守するようお願いしましょう。
*** *** ***
次回は、平等院と、伏見稲荷大社へ行こうと思います。
引続き、皆様のお越しをお待ちしています。
コメント