ブログの活用法を記事にしました。

II-45. 【新人】通訳ガイドの動線ナビ:京都-4【世界遺産:二条城】

動線Navi

二条城

二条城
二条城の見所

二条城のサイトがたいへん充実いたしました。
このサイトを見るだけで、ガイディングに必要な原稿は作成可能です。

ツアー前の確認

二条城といえば、ふつうは、二の丸御殿と庭と考えますが、
念のため、契約詳細を確認してください。

【二条城】見学の詳細確認
・二の丸御殿だけ
・二の丸御殿とその庭
・二の丸御殿と庭と本丸
・本丸が入っていればその詳細
【参考】
二の丸御殿だけなら、庭へは行かなくてもよいのです。
それでも、状況が許せば庭へも行けばゲストは喜びますが、
その結果、出発が遅れて後の行程に支障が出るようでは、
本末転倒になりますので、運用は適宜。
二の丸御殿とその庭とあれば、両方見なければいけません
それなのに、時間割が短い場合は、
二の丸御殿の庭を通り抜けて鳴子門から出なければいけないのか、
あるいは、有名な景色のところまで見て戻ってもいいのか、
それも確認してください。

もちろん、時間に余裕があれば問題ないのですが、
バス降車から見学場所まで、見学終了からバス乗車までの
ロスタイムがかなりありますので、
実際に見学に使える時間は、かなり短くなりますから、
先に対策を講じておく必要があります。

行程と見学範囲の例【筆者の経験】

二条城見学は、二の丸御殿と庭のセットだと、ずっと信じていました。
ある時、台風による暴風雨のなか、二条城へ行きました。
ゲストの靴は午前中に既に雨で濡れてどうしようもない状態。
それでも、はるばる日本まで来たからには、
行程にある場所は是が非でも行かないと気が済みません。
あまりにもひどい暴風雨なので、どうしようかと思い、
ツアー担当者に連絡して状況を説明したところ、
そのツアーの正式な契約には、二の丸御殿しか入っていない、
庭はそもそも行かなくてもいいので、庭については触れず、
そのまま終わっていいですよ、と言われたことがありました。
必ずしも庭へ行かなくてもよいケースもあるのだと分かったのが、
この時でした。

二の丸御殿しか行程に入っていないけれども、
状況次第で庭へもお連れできる場合は、追加サービスになります。
その場合は、いやらしいと思いますが、
「行程には無いけれども、追加で庭も行きましょう」と
いちいち言わないと、ガイドの配慮は伝わりません。

二条城の駐車場

予約が必要(旅行社手配)。駐車可能時間は2時間
二条城前に駐車できない場合は回送
その場合は、乗車15分前を目途にバスに連絡。

駐車場手前で、出発時間を聞かれたら即答すること。
出発時間次第で、駐車場所を決めたりするからです。

駐車場は2時間まで利用できますが、
出発時間をお伝えした場合は、その時間を厳守
その次に、別なバスの駐車を手配する可能性があるからです。
よって、持ち時間の中で、いかに効果的かつ効率的に
ツアーを回すかが、ここでも非常に重要。

チケット

最近値上がりいたしました。
クーポンがあればそれを渡しますが、
団体の場合は、個札ではなく団体券なのでガイドが持ちます。

減員がある場合は、証明書は帰りに受け取るよう言われます。
それを忘れると困ってしまいますので、
ダメモトで「今お願いしたい」と言ってみて、
ダメなら帰りに引き取りましょう。

もし、減員証明書を受け取り忘れた場合、
即座にツアー担当者に連絡をすること。
すると、その旅行社のツアーで、次にその場所へ行く団体のガイドに頼んで、
受取忘れた減員証明書をピックアップしてもらうよう依頼します。
筆者も、別な団体のガイドが受取忘れた減員証明書を
回収して自分の精算書と一緒に送ったことがあります。
それはイイけれど、自分が忘れる側にはなりたくありませんね。

全員を整列させて入場するとき、
係員がカウンターで人数を正確に確認します。

入城

お堀沿いに少し歩き、東大手門前で写真撮影タイム。
ガイドは、門を入ったところのパンフレットスタンドまで進み、
担当言語のパンフを、ゲストに配れるようスタンバイ。

二条城見学のコース

二条城ガイドマップ
二条城観覧モデルコース

東大手門から入り、唐門をくぐり、
先に、二の丸御殿を見学することは、全コース共通。

1. 最短コース

「早回り1時間コース」の簡略版。
これは筆者が考えたコースですが、
ツアー担当者の許可を得て運用しています。
早回り1時間コースの図の庭の6番付近に、ソテツの木があります。
そこから元来た路を戻り返し、二の丸御殿車寄せ前を通過して直進。
お手洗いへ向かう木戸をくぐり抜ける。
お手洗い・売店に少しだけ時間を設け、
トイレ前で集合かけ、全員でバスへ向かう。

「早回り1時間コース」の図と比較していただければ、
明らかに距離が違うことをお分かりいただけると思います。
団体旅行では、出発前に必ずお手洗い必須ですし、
売店があれば、寄りたい。
さらに、ここからバスまで歩き、車内でもう一度人数確認をして、
出発するまでに10分かかる心積りが必要です。
売店+お手洗い+バス出発までの時間:20分程度を見積もります。

到着時は、バス降車から東大手門から入るまでに最短でも10分、
ということは、持ち時間から30分を引いた時間が、
実際に見学に使える時間と考えるのが妥当。
二条城の見学時間が1時間半しかない場合で、
ガイドの言いつけも守らない人が多い場合や、
大人数の場合は、この最短コースでオペレーションしています。

2. 標準コース

観覧モデルコースの「早回り1時間コース」の通り。
このコースを団体で歩くと1時間では無理、1時間半あれば大丈夫です
二条城見学が2時間あれば、このコースを採用できます。
観覧地図をご覧ください。
二の丸御殿の庭を抜け、鳴子門の先に「休憩所」があります。
ここで、座り込んでしまう人達がけっこう出て、
再出発には7~8分かかります。
展示収蔵室の建物まで来ると、ゲストが売店を見つけます。
そこで、売店タイム。
さっきお手洗いに行かなかった人は、こちらでどうぞとご案内。
「何時何分、この売店前に集合!」と確認をして少し放します。
この時点で、一旦バスに現状の予定を連絡します。

3. 少しだけ時間に余裕がある場合

「おすすめ2時間コース」の簡略版
もっと時間があるから、本丸方面へ行けると、うっかりしていると、
帰ってくるのに時間がなくなって焦ることになります。
本丸は、基本、建物内の見学はできません。
庭を歩くだけなのと、天守閣跡に昇る程度です。
全部回ると時間不足になる恐れがあります。
行程が、二の丸御殿と庭園だけになっているのなら、
本丸櫓門あたりを見て戻るほうがほうが無難です。

4. 時間に余裕がある場合:「おすすめ2時間コース」

全員が健脚で少人数、ガイドの言うことも聞いてくれるゲストばかりなら、
二条城での持ち時間が2時間でも、急げば可能です。
その場合でも、メインは二の丸御殿ですから、
そこは焦らずにじっくりと見学することが肝心。
そのうえで、二の丸庭園を見たあとでも、
時間的に大丈夫!と確信できたら、
ゲストに状況を説明します;
・行程には入っていないこと。
・広いところを急ぎ足になるが大丈夫か?
・その場合、売店に寄る時間はとれなくなるがいいか?
と聞いて全員意見が一致したら、Let’s goとなります。

二の丸御殿

東大手門から唐門まで

東大手門を入ると右側に番所。

左手には案内所があります。
下見の際にはぜひ音声ガイドを活用しましょう。
突き当って少し左側に、案内板がありますので、
現在位置と、これから回るコースを簡単に説明します。
二の丸御殿の建物の形が書かれていますから、
入口から入って、このように回って玄関に戻ることも説明。
万一、迷子になったら、玄関で合流するようにお話できます。
次の角を右折すると、唐門へ続きます。

唐門

二条城第1の見所

唐門全体の写真を撮ろうと、皆さん遠くに行きます。
今は、ほとんどイヤホンガイドを付けていますから、
唐門について、各モチーフの意味なども説明。
肉眼では見えなくても、撮影した写真をズームすると分かります。
唐門をくぐると、二の丸御殿の正面玄関が見えます。
ここでまた、ひとしきり写真撮影。

二の丸御殿の入口

唐門から見える正面玄関である車寄は、個人用になり、
団体はその横の「団体入口」から入ります。

チケットが値上げされてから、正面玄関付近に係員がいて、
団体で行くと検札があり、チケットを見せると、
「団体入口からはいってください」と言われます。
少人数なら、車寄せから入れるはずです。

ガイドが率先して進んで、巻きを入れます
団体入口にいる係員が、下駄箱の記号を割当ます。
向かって左から、アルファベットでAから並んでいます。
割り当てられた記号の棚に、靴を並べます。
毎度のことながら、靴を脱ぐ、履くだけでも、
かなりモタつき時間がかかります。

二の丸御殿館内の写真・ビデオの撮影は禁止。(ブーイングが出る)
到着前にバスの中でもお伝えしておく
団体入口で靴を脱いで整列した時点で繰り返し、
カメラは仕舞うように言われるのでお伝えする。

雨降りでレインコートやカッパなど、濡れているものは、
靴置きの上などに置きます。
二の丸御殿は国宝ですから、傷つけたりしないよう、
水で濡らしたりしないようにするためです。

御殿内に入るとすぐ、ウグイス廊下になりますので、
音を注意して聞くようご案内。

御殿内での説明場所問題

ここからは、順路にしたがって進み、適宜説明します。
二の丸御殿の説明はこれでOK!
他言語は、英語版から翻訳するほうがラクです。

御殿内では、どの場所でなら立ち止まって説明してもいいのか、
なかなか分かりにくいのです。
新人のうちは、ほぼ必ず注意されることとして、
「通訳さん、そこで説明しないでください」という鶴の一声
係員が誘導してくれますが、それがイマイチな場所なんですよ。。。。
筆者は、いまだに、この説明場所問題でお叱りを受けます。
「言われちゃうかな」と思いながらやってると、
やっぱりね・・・ということも頻繁に発生。
ゲストには、もうその通り、
「ここで説明しちゃダメって怒られた」とお話してます。

ガイドの立ち位置

二の丸御殿の見所のほとんどは障壁画です。
ゲストによく見てほしいので、私は後ろからお話をします。
イヤホンガイドがあるので、どこにいても音声を飛ばせるので便利。
ところが、人とは不思議なもので、慣れないうちは、
ゲストが、一斉に振り向いて、ガイドの方を見てしまうのです。
「わたしを見るのではなくて、前にある絵を見てね」なのです。
ガイド1人分のスペースもあけて、皆様によく見てほしい、
だから下がっているだけですよ、と言うと安心します。
これは必須事項ではありません。
状況に応じて、適宜、最良の方法でご対応ください。

御殿内の障壁画

二の丸御殿内の障壁画は、現在すべて複製。
できあがって間もないので、実に鮮やかです。
本物は収蔵館にあります。
普通のツアーでは、収蔵館へは入りません。

うぐいす廊下

筆者は2008年に初ツアーをした時は、
ウグイス廊下は、人の動きを察知するための仕掛けであり、
衣擦れの音などで、どのような服装の人が—登城時は裃着用—
何人歩いているか推測できた、と説明していたのでした。

ところが、そうではなかったのでした。
二条城への登城時は、高価な生地の正装で行き、
裃を引きずって歩く。
床に釘の頭が出ていると、ひっかかって着物が破れてしまいます、
そうならないように設計されたため、確かに釘頭がありません。
建築当初、床の音はなかったそうです。
建築から100年くらい経過してから、
固定されていた金具が緩んで、音が出るようになったのだという。

ゲストの中には、とてもよく予習をしてきて、
ウグイス廊下=SECOM説を滔々と説明する人もいます。
その場合は、即座に否定せず、
「そうそう、昔はそうだと言われていました。ところが、
最近になって研究者達が明らかにしたところによると・・・」
というふうに、ゲストの主張もたてて、
でも、それは日本にいないと分からないことなのですと、
それにしても、よくご存じでしたね、などとカバーしてあげてください。

そして、ウグイス廊下といえども、
忍者は音をたてずに歩くことができたという。
さすが、プロフェッショナルといえば、丸くおさまります。

うぐいす廊下の構造の仕組みは、
英語版でも図が展示されるようになりました。
うぐいす廊下の説明はこのページの下にあります
また、二の丸庭園に行ったとき、
実際に、廊下の下に潜り込んで金具を見られる場所があります。

遠侍一の間・二の間・三の間

日本では、畳の上に直接座る。
人間の目線と虎の目線を比べてみましょう。
獰猛な虎から睨まれているような設計で描かれている、
こう言わないと、実感が伝わりません。
絵のモチーフは、竹と虎ばかり。

廊下の天井のモチーフ

ブロックごとに廊下の天井のモチーフも変わりますので、
変わるたびにご案内。

式台

ここでは、私の説明方法に問題があるかもしれませんが、
ゲストは「賄賂を渡す部屋ね」と理解されます。
高山陣屋を見た後なら、
「菓子箱の下に現金入れてくるのか?」と言われてしまいます。
この裏側が老中の間。

大広間:一の間・二の間・三の間

二の丸御殿最大の見所コーナー。
三の間の厚さ35cmの無垢の檜板を両面からの透かし彫りの
欄間の彫刻は、モチーフまでお伝えします
帰りに、四の間から反対側を見ることができます
一の間・二の間では、格天井、二重降り揚げ格天井。
武者隠しについてもお伝えします。

将軍と小姓、裃姿の大名のマネキンが配置されていましたが、
マネキンが取り払われていることもあり、
かと思えば、復活していることもあります。
マネキンがいるなら、将軍、小姓について、
大名の服装についてや、こういう時にこそ、
扇子は結界を示すものでもあることも説明できます。

蘇鉄の間

お部屋ではなく通路的スペース。
窓を開けると庭に蘇鉄がある場所。

黒書院

ここから先は、徳川家に近い家柄と公家のみに限定。
障壁画の題材・モチーフの趣向が全く違うことを説明。
大政奉還は、黒書院で決定されたようです。
黒書院を過ぎると、狭い廊下部分に入ります。
かつては、ここから先は、将軍しか立入できませんでした。

白書院

実は、昔は、ここに将軍と何人かの女性のマネキンが
配置されていましたが、最近は変更になりました。
マネキンは全員が男性です。
団体で進むと、係員が、
「通訳さん、説明はこちらでお願いします」と、
一の間・二の間の横に通されることがあります。
こうなると、少し落ち着いて説明できます。

これまでとの最大の違いは、障壁画がすべて水墨画であること。
確かに、寝室まで、鮮やかな色と金キラキンの絵で囲まれていたら、
落ち着けないかもしれない、などとお話しています。

ゲストの質問

なぜ女性がいないのか?
二の丸御殿は、パレスではなく、行政機関です。
当時、女性の大名はいませんでした。
大名とは武士でもあります。
武士が集まる行政施設ですから、女性はいません。

それでも、寝室には女性がいるでしょう?
なぜいないのか?となかなかシツコク食下がります。
それは、二条城には、ずっと誰かが住んでいたわけではなく、
この白書院は、京都に出張してきた時のホテル代わりで、
用事がすめばすぐ江戸に帰るからです。
会社付属の宿泊施設と考えればすぐ分かります。

どうしても、その方面について詳しく知りたい向きには、
江戸城に大奥があったことをお話すれば、
それはそれは、大いに盛り上がります。
ただ、この場所でそこまでお話すると、
「通訳さん、そろそろ切り上げていただけますか」
言われてしまいますので、バスの中などでお話しましょう。
跡継ぎにする男子を沢山確保することが重要で、
子供が52人もいた将軍がいるなんてことを話せば、
「世界中、どこもおなじ」ということになり、
ゲストのリクエストに応じて、より深くお話すれば、
二の丸御殿よりも、そちらのことのほうが深く記憶に
刻まれること間違いありません。

「大奥」というドラマとか映画がありますね。
あのダイジェスト版があれば、ぜひインバウンドゲストに、
見せたいと常々思っています。
人間関係の様々だけではなく、建築、インテリア、
何よりも登場人物の豪華絢爛な衣裳が圧巻です。
ああいうものを見られる機会が、ないんですよね。

白書院から

白書院が終わったら、外の廊下に出て順路に従って進みます。
黒書院の裏側を通り、牡丹の間に出ると、
先程通った蘇鉄の間に戻り、
こんどは、大広間四の間の方向へ進む。

大広間四の間

将軍上洛の時、要は京都へ出張に来たとき、
武器をおさめた場所だったという。
絵は、松鷹図。
歴代の将軍は、鷹狩をしていました。

老中の間

老中のオフィス、使われたことがあったかどうかは不明。
絵の説明だけ簡単にします。
一の間を別な方向から見て、勅使の間前に到着。
勅使が上段に座り、将軍は下に座り頭を下げてお言葉を聞く
2019年時点では、勅使の間は工事中でした。
柳の間もどうなっているか、現在は不明ですが、
これで御殿内はおしまい。
自動的に入口に戻るようになっています。

二の丸庭園


庭園入口に釣鐘があり、これは何かと聞かれます。
何かあった際に京都所司代へ伝えるため。

松が立ち並ぶスペースを抜け、開けた場所に出ると、
二の丸御殿の大広間の部屋が集まる建物があります。
 この左側の手前あたり
廊下の下に潜り込んで、うぐいす廊下がどのようになっているか、
金具を見られる場所がありますので、ご案内します。

だいたい、池に沿って写真を撮ったりします。
あとは、最短コースなら、ガイドが蘇鉄まで行って、
そこから先へは行かないようにコントロール。

「1時間コース」なら、そこから先へ進み、二の丸庭園を出て右折。
そのあとは、地図通り。

御殿内は写真撮影禁止のため、絵葉書などを買いたい人がいますので、
売店と、隣のお手洗いへご案内。
何時何分に、どこに集合と決めて少しだけ放します。

締め

二条城の詳細については、売店に日本語と英語の解説書があります。
しかし、いま、ここまで二条城のサイトが充実した今、
二条城さんには申し訳ないけれど、
その本は買わなくてもいいと思われます。

それよりも、様々なYouTubeや、
世界遺産や文化財系の優れたテレビ番組も沢山ありますので、
そのような番組を活用して、普段から目を慣らして、
見所、見方を押さえておきましょう。

売店まで辿り着き、出発時刻の目途がついたら、
いったんバスに連絡します。

*** *** ***
次回はどこへ行こうか、まだ検討中です。
毎日更新ができないかもしれませんが、
引続き、よろしくお願い致します。

コメント

error:Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました