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II-28. 【新人】通訳ガイドの動線ナビ:広島市内観光【広島駅~広島市内観光~ホテル泊】

動線Navi

広島駅到着

金沢を朝8時頃のサンダーバードで出発し、
乗換時間に余裕のある新大阪で乗換え、
12時半頃に広島駅に到着した設定です。

今回は、駅から歩いて昼食場所へ向かいます。
広島駅は大幅にリニューアルされて綺麗になっただけでなく、
分かりやすく、使いやすくなりました。

駅から徒歩移動でランチ、その後半日観光

広島では、ほぼ必ず、お好み焼きを食べるわけです。
広島駅南口、広島東郵便局向かいのビルの6階にある
「ひろしまお好み物語 駅前ひろば」がよく利用されます。
もちろん、別なお好み焼き屋さんへ行くツアーも沢山ありますが、
駅前という立地のよさから、「お好み物語駅前ひろば」さんは、
いつもインバウンドの団体客でいっぱいです。

ここに限らず、屋台方式のお好み焼き屋さんへ行く場合は、
1店舗に全員入りきらないので複数に分けます
ツアー前確認で、割当店舗名と各人数を聞き、
カップルや家族が一緒になるよう、ブループ分けしておきます。

駅からここまで移動してきて、そのままランチ。
新幹線を利用する場合、大きなスーツケースは別送しており、
小型キャリーやリュックなどの小さな荷物だけですが、
人数分まとまると、かなり邪魔になりますので、
お願いすると、置き場所を作っていただけます。

「お好み物語駅前ひろば」でランチをしてから市内観光に出る場合、
ほぼその前にバスが来てくれますが、ホントは駐車禁止場所です。
ドライバー様と連絡をとりあい、タイミングを合わせるよう調整します。

駅から専用車で移動の場合

広島駅に手配済の専用車に乗りこむ場合、
団体バスは北口(新幹線口)に到着します。

広島駅北口には、一度に多くの観光バスが入ることはできません。
駐車できる時間が決まっており、
旅行社様が予定駐車時間を予約しますので、
その予約時間内に乗車して出発します。

広島駅の新幹線口改札を出たら左手に進みます。
元気な人は階段を降りる。
足腰の弱い人、荷物がある人はエレベーター利用。
 広島駅北口。正面がホテル・グランヴィア。

 駅舎から真直ぐ伸びるデッキの手前が階段。
デッキの向こうに大型バス専用駐車場。
バス会社様に事前確認の連絡をするときは、
車番だけでなく、車体の色やデザインも聞きましょう。
車番は見えないことも多いからです。

中には、新幹線改札口まで、お出迎えくださるドライバー様も
おられますので、いちおう氣を付けてみましょう。

新幹線で広島駅に到着後、すぐに改札から出られればいいのですが、
お手洗いが混雑していて時間がかかりそうだと思ったら、
ドライバー様に連絡します。

駅前のロータリーですが、観光バス駐車場は有料。
20分以上は滞在できませんので、モタつかないよう注意。

広島から宮島へ公共交通機関利用の場合

募集ツアーでも少人数(ヒトケタなど)の場合、
専用車無し、公共交通機関利用になることがあります。
(大ショック)

広島駅に荷物を預ける必要がある場合

何等かの事情や行程によっては、
駅に荷物を預けてから公共交通機関利用で観光に出ることもあります。

大きなコインロッカー

広島駅南口を出て左折、直進してしばらく進んだ左手に、
コインロッカー・ルームがあります。
できるだけ近くのコインロッカーを確保し、
壊れ物や潰れ物などに氣をつけながら上手くまとめて重ねます。
領収書は出ませんから、個々のロッカーの金額を必ずメモ

路面電車

広島で公共交通機関利用と言われれば、まず路面電車です。
広島電鉄
広島で公共交通機関利用が確定なら、
行程をよく観察し、動線を徹底的に研究します。
駅と、原爆ドームあたりとの往復だけなら、
1日乗車券を買うまでもないでしょう。

特有の「乗換制度」もありますので、
詳細は、広電さんのサイトで研究しましょう。
広島市内を電車で観光する方法についてのサイトも複数あります。

タクシー

タクシーも、公共交通機関のひとつです。
少人数ツアーで公共交通機関利用と言われれば、
ホテルまでの移動も自分で荷物を電車利用になります。
(大きなスーツケースは別送済み)

しかし、高額ツアーのゲストにそんなことをすると、
まぁクレームになると考えて間違いありません。
その場で文句を言わなくても、帰国後に問題にされます。
「あれだけ高額な料金を支払ったのに、
自分で荷物を持ってホテルまで電車で移動???どうなってんの?」
ということになるのです。
旅行会社の手配担当者は若い人が多く、経験知識不足も手伝って、
何の疑いもなく自分の普段の感覚だけで、
自分で荷物を持ってホテルまで電車移動という手配をしてしまい、
ツアー担当者もそれに疑問を持たないこともあります。

ツアーのランクと照らし合わせて、不自然・不都合な事があれば、
とにかくクレームが出ないよう、早急な対策が必要です。
このツアーなら、当然タクシー利用と考え、
事前打合せで、そう言ってみたものの、
『我儘なガイド』と言われてしまったことがありました。

それは、13泊14日で、お1人様90万円近い価格のツアーでした。
その条件で、自分で荷物を持って電車でホテルへ行きますかね???
その後、そのツアー料金は値上げされ、お1人様100万円を突破しました。

こちらから指摘しても、旅行社側が「大丈夫」といい、
さらに、現地旅行社との取り決めもそうなっていると言われれば、
「そうですか」というほかありません。
私が遭遇したそのケース、同じツアーでも2度目は、
案の定、タクシー利用に変更になりました;当たり前です。
自分が客の立場ならどう思うか?—答えは簡単。
上手にタクシーを利用することです。

ランチのあと専用車で半日観光

この記事では、昼食後に専用車で半日観光に出発します。
インバウンド団体ツアーで広島市内観光といえば、
原爆ドーム、平和公園と平和資料館へ行きます。

広島駅から原爆ドーム

原爆ドーム、平和公園と平和資料館についての説明は、
多岐にわたり、内容も山ほどありますが、
駅から原爆ドームまでは、数分程度で到着してしまいます。

降車時と降車後の注意事項伝達をしっかり伝える必要がありますので、
ガイディングを展開する時間は、ほとんどありません。

到着したら速やかに降車しないといけないので、
網棚からモノを降ろしたりすることなく、
すぐに降りられるようスタンバイした態勢で、
シートベルト着用をお願いして出発します。

原爆ドーム

私はこれまで一度の例外もなく辿っているルート。
もちろん、ドライバー様と出発前打合せは必須。

【バス降車時の注意】
ここでバスを降りたら、その後はずっと徒歩移動になり、
平和資料館見学終にバスに戻るという旨を、必ずご案内します。
所要時間として2時間程度、バスに戻ることはできないので、
必要なものがあれば持参するよう、早めにお伝えします。
たとえば、雨が降りそうなら念のため傘は持つ。
また、二度と同じ場所を通らないので、はぐれないよう、
ガイドを見失わないよう注意喚起。

原爆ドーム前にバスを付けていただきます。
駐停車禁止云々で難しいとか言う方もいますが、レアケース。
繁忙期には、ここに続々と観光バスが到着します。
エノラゲイが、原爆投下目標とした相生橋手前になります。
 バスで降りる場所。路面電車の停留所も目の前。
 相生橋から見た原爆ドーム
道路から川沿いにドームを見学、少し先へ行くと、
ユネスコ世界遺産としての説明プレートがあり、
多くの人がその説明写真を撮ります。
多くの場合、バスの中でガイディングする時間がありませんから、
イヤホンガイドがあれば、ガイディングしながら進めます。
目の前に説明が書かれていても、基本情報は必ず話します。

時間に余裕があり、少人数で静かにするという条件付きなら、
爆心地の島病院まで行くこともあります。
必ず静かにしていること !! と念を押すこと。
グーグルマップのストリートビューで行き方が分かります。
すぐ近くなので、下見の時には必ず確認ください。

ドーム近辺に戻り、学度動員慰霊塔でご挨拶をして説明。
元安橋を渡って平和公園に向かいます。
 原爆の子の像
修学旅行や他の団体がいて混んでることが多い場所ですが、
鐘を鳴らしたい人がいれば、やってもらう。
折紙を見て回りたい人達がいれば、見てもらう。
どうすれば、貞子さんに代表される犠牲者に心を寄せられるか、
その雰囲気のほうが説明よりも大事な場所と思います。
貞子さんが作っていた折紙が資料館で見られることもお話します。

5月だと、お隣の薔薇園の薔薇が見事です。
そちらに燃えるゲストもいますし、思い思いでいいと思います。
花あるところに仏あり、ですから。

ガイドは時計を見ながら、ほどほどのタイミングで歩きだします。
ガイドが歩きださないと、絶対に進みませんから。
いつも一番最後で遅れを取りまくる人の行動を計算して歩きだす。

平和の灯:反核と恒久平和実現まで燃やし続けられると言えば、
「じゃあ、この先もずっと消えることはないね」と言われます。
その灯の横を通り、慰霊碑へ向かいます。

原爆慰霊碑前、平和の池の中に数カ国語の説明プレートがありますが、
水の中にあるためか分かりにくいので、ご案内してください。
慰霊碑前は多くの人で混雑しますが、
できるだけこの近くで説明をします。
慰霊碑のアーチの中に原爆ドームがちょうどおさまるので、
写真撮影順番待ちで少し時間がかかります。

終わり次第、歩きだします。
平和記念資料館へ向かう前に、最近は寄り道します。
資料館玄関まで行かず、資料館横の売店方面へ向かい、
被爆樹木アオギリをご案内しています。
これも、グーグルのストリートビューで見られます。

被爆した木があると聞いている・・・とゲストから言われ、
最初の頃は、まったく知りませんでした。
ベテランの友人に教えていただいて、ご案内できるようになりました。

アオギリは上手く説明できません。
花鳥風月の説明は大変ですね。
稀に、学名でも分かる人がいますので、学名を言ってみる。
ダメなら、アバウトなところをお伝えする、でいいと思います。
それよりも、その木の歴史をお話するほうが効果的。

それが終わったら、資料館正面玄関へ向かいます。

平和記念資料館

平和記念資料館

団体でゾロゾロと館内(東館)に入ると、
守衛さんが誘導してくださいますので、
守衛さんに従うようにお伝えし、
ガイドは窓口へ向かいます。

音声ガイド

音声ガイドを借りるツアーがあります。
音声ガイドの団体利用は、事前予約が必要なので、
ツアー前に、必ず連絡を入れて、予定訪問時刻と、
人数分の確保台数を確認します。
その料金も窓口で払いますが、領収書は別々にします。

人数確認

入口や窓口があるのが東館、細長い建物が本館。
異動前に、東館と本館があること、見学の順路を説明し、
最後に集合時間と集合場所を確認します。
最後は、窓口横の階段(⇒見えます)から降りてくるので、
どこに、何時何分に集合と、集合時刻と集合場所をお伝えします。
入口・窓口があるのが東館:平面図

上の平面図をご覧ください。
3Fの常設展示室へ向かうのですが、
エスカレーター手前に、各国語のパンフレットがありますので、
ガイドがある程度まとめて取って配布するか、
1人づつ取っていただきます。

見学開始

3階に上ると、壁一面に写真があり、
ここでゲストはゆっくりと見始めるのですが、
「立ち止まらないで進んでください」と言われるので、
進まないといけないわけですよ。
空いていれば、問題ありません。

続いて、1945年8月6日と書かれた大きな部屋に入ると、
被爆前後の様子をCGで再現した展示があります。
米軍が爆撃前後に撮影した写真を基に作成された街の様子の上に、
6台のレーザープロジェクターを使い、
爆弾投下から街が破壊される様子が映し出される展示で、
展示模型の直径は5メートル。
気分が悪くなることがあるかもしれない、との注意書きあります。

この部屋を出たら左折、渡り廊下から本館をご案内します。
ここから先は、バラバラになりますので、
通過する人達ごとに、今後の順路をご案内します。

本館の展示は、順路通りに進み、突き当ったら、
自然と平和公園の慰霊碑が見える廊下へ出て、
この通路を戻り、そのまま真直ぐ進んで次の展示へ行くようご案内。

音声ガイドを借りた場合は、
本館奥の出口手前で、音声ガイド機器を返却すること。

最後の人達と思われる人達が渡り廊下を進んだら、
ガイドは、速足で団体の全体の様子を見に行きます。

先頭の人達が渡り廊下から戻る少し前に待機し、
「核兵器の危険性」の展示方向をご案内。
原爆ドーム、リトルボーイ、ファットマンの模型は、
必ず全員に見てもらうこと。

困ってしまうのは、熱心に展示を見たり、
資料を読む人達が多いのはとても良いことなのですが、
時間制限があることです。

中には、途中で嫌になって見学を切り上げる人もいます。
実際に第二次大戦の戦闘経験がある方、
辛いことを思い出して嫌になった方、
知ってはいたけれど、やりきれない思いに襲われる方、
せっかくの楽しい旅行気分を取り戻そうと、
休憩所でソフトクリームを食べる人達、いろいろです。

そこが終わったら下の階へ降り、
さらに1階に降りると、ソファスペースがあります。
さっさと終わって座って休みたい人もいますし、
売店でお買物をする人達もいます。

いちおう、オバマ大統領が作ったとされる折鶴が、
そのソファスペース近くにありますので、
それも全員に漏れなくご案内ください。

お手洗いは、1階の売店へ行く手前が便利です。
そのお手洗いへ入る手前に、スタンプコーナーがあり、
けっこう人気なので、ご案内ください。

見学ほぼ終了

時間になって全員集合したら、バスに電話。
今度は正面玄関からではなく、
さきほど3階へ上るときに利用したエスカレーターがある出口へ向かい、
最後の展示を見ます。

・浜井信三氏の像
・ローマ法王ヨハネ・パウロ2世の平和アピール碑
・世界平和監視時計
⇒広島への原爆投下からの日数
⇒最後の核実験からの日数:これは頻繁にリセットされる。

以上を手短にご案内し、外に出る頃には、バスが到着します。
ちょっとモタつく団体なら、
バスへの連絡を少しだけ遅らせるといいかもしれません。

見学所要時間

原爆ドーム横でバスを降りてから平和公園内を歩き、
資料館見学をしてバスに乗り込むまで、
旅行会社が行程に設定する時間は、
平均1時間半、長くても2時間です。
資料館の展示をあまり見ない人達ならこれでも問題ありませんが、
多くの場合、これでは時間不足ですから、
適宜、前後の調整や工夫が必要になります。

とくに、平和資料館見学後、お客様から、
「あのような大虐殺を行ったアメリカは、日本に謝罪したのか?」
と聞いてくることがよくあります。
そのあたりのことは、客観的に答えましょう。
また、戦没者慰霊碑には、
「安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから」とあります。
日本が自国民を虐殺したわけではありません、
日本語に主語がないことを悪用されているのです。

大東亜戦争の目的は、
アジア諸国を白人による植民地支配から解放すること;
日本は負けましたが、この目的は達成されました。

GHQは、日本を占拠した翌年から、
合計で7000冊以上もの書籍を焚書にしました。
焚書は、国際法で禁止されているため、
焚書自体も、なかったことにされているようです。
最近、アメリカで公文書が次々と公開され、
隠されていたな事実が、一次資料に基づいて明らかにされてきています。
それらの事実については、日本人通訳案内士として、
いち早く入手し、自分で消化したうえで、
お客様へのご案内にも役立てていきたいものです。

アメリカ人のお客様に対しては、難しい局面もあるでしょう。
そのあたりは、相手の雰囲気を察知しながら、
臨機応変に対応すればいいでしょう。
誰もが、客観的に物事を判断できるとは限りません。
事実は伝えたいけれども、それによって、ツアーの雰囲気が、
氣まずくなってしまっては、そのほうが問題です。

戦争とは、軍人同士が、軍服を着用し、
国や軍の所属などを表す決められた記章などを付け、
戦闘規則に則って、武器を持って戦うことであり、
負けて捕虜になったら、相応の扱いを受ける決まりですから、
軍服を着用していないと、正式な捕虜の扱いは受けられない。
民間人しかいない場所への攻撃は、戦争ではなく虐殺です。
東京をはじめとする各都市の大空襲、
広島や長崎への原爆投下による被害と犠牲者は、
戦禍ではなく大量虐殺によるものなのです。

大東亜戦争中に日本中の都市が空襲され、
最近の研究によると、東京大空襲では少なく見積もって20万人、
多ければ30万人が犠牲になったとされています。
広島と長崎の原爆だけではなく、日本中が火の海になったことも、
併せてお伝えするべきでしょう。
東京をはじめ、日本中の都市の空襲のことは、
意外と知られておらず、驚く方も沢山います。

このような話題は、シリーズツアーでも、
個々のグループやお客様次第ですから、嫌がる場合は軽く流し、
突っ込んで色々と聞かれたら、詳しく語るようにしています。
ゲストが、第二次大戦中の体験を語ってくれたら、
お互いに情報共有して活かしています。

どこもかしこも、駆け足ばかりで、
実際、ゲストからは「全然ゆっくり見られない」と、
毎度言われるので、その旨を報告書に毎回書いていますが、
状況は依然として変わりません。

少し時間に余裕があり、状況が可能であれば、
広島城が見えるように通っていただきましょう。
車窓だけでもとても喜ばれます。

このあと、広島市内のホテルにチェックインする場合、
少し自由時間ができるはずです。
繁華街に近いホテルなら、ホテルに近隣地図をお願いしておき、
ショッピングや近くの散策をご案内し、
夕食時の場所と集合時刻を確認して一旦解散します。

次回は、宮島へ行きます。

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