服装
ガイドの服装
ツアーでは、毎日長い距離を歩きます。
京都観光の日や、
都内で公共交通機関利用の日は、
2万歩前後、10kmは歩きます。
長く歩いても疲れにくい靴を、
複数スタンバイさせておきます。
服装は、お天気や温度によって、
細かく調節できるようにします。
初日はビジネススーツ
お客様をお迎えする初日と、
お見送りをする最終日は、
ビジネススーツをお薦めします。
目から入る情報が9割近くを
占めると言われるほど、見た目は大事;
見た目が大事ならば、
服装で良い印象を整えればいいのです。
ゲストは、こちらの予想以上に、
ガイドの服装を観察しています。
自分達のツアーを引率するガイドが、
清潔感あるビジネス仕様の服装で現れれば、
信頼感を持たれます。
スーツでなくても、ジャケット着用は必須。
このひと手間が信頼感に繋がります。
初日、空港での初対面し、
ゲストと過ごす1日の印象が、
ガイドのイメージを決める要因になります。
一旦、固定されてしまったイメージは、
簡単には変わりません。
ツアー初日の行程は、たいてい、
歩行距離が短めに設定されています。
飛行機の遅延に柔軟に対応するためと、
—といっても、充分タイトですが—、
到着するゲストの疲れ具合を考え、
空港からすぐ観光を始めても、
夕方早めにホテルに入ることが多いので、
スーツやジャケットを着用することで、
動きが制限されて不便ということは、
ほとんどありません。
詳細は、行程を見てご判断ください。
お客様に対するだけでなく、
お仕事に対する礼儀でもあります。
旅行中も、スマートカジュアル路線が、
あまり崩れないよう、
折り目正しく、清潔感のある服装が大切。
高価なものを着る必要はありません。
TPOに合わせる必要はあります。
どんなに高価な一流ブランド品でも、
セーターは普段着、
有名デザイナーの高価なものでも、
ジーンズはジーンズ、論外です。
よほど、必要に迫られない限り、
プロの通訳ガイドの服装としては、
相応しくないでしょう。
昨今は、お手頃価格で、
コスパの良いスーツが沢山あります。
混紡・シワ加工、乾きやすい生地
のものは、たいへん便利。
ビジネススーツなら、
高級ホテルでも問題なく出入りできます。
高価なものである必要はないのです。
シャツ類もできるだけ襟付きを選びます。
きちんと見えるかどうかは、とても大切。
真夏の熱い時などは、
汗だくでガイドを余技なくされることもあり、
Tシャツになるような場合は、
お客様に一言お断りをしています。
靴
ビジネスシューズに見えるような、
ウオーキングシューズが沢山あります。
長い距離を歩くとき、
スニーカー派の人もいますが、
ウオーキング・シューズ
と言われるもののほうが、
結果的には疲れにくいのだそうです。
もっとも、人それぞれですから、
いろいろな靴を履いて長距離歩いてみて、
実際にガイド業務を行う時には、
履きなれた靴をお薦めします。
大丈夫…と思っていても、
ツアー中に靴ズレができると辛いので、
新しい靴は馴らしておきます。
2週間の行程なら、靴は2足あれば大丈夫;
つまり、荷物に1足あればOK。
お天気と空調に応じた服装を準備
春も秋も、旅行シーズンは、お天気が不安定。
欧米人は暑がりが多く、
日本人は寒がりが多いので、
大多数を占める暑がりに
空調を合わせると寒いので、
脱ぎ着しやすい服装、
ショール等の微調整小物も役立ちます。
どのような天気や気温にも対応できるよう、
荷物の準備をします。
途中で買物する時間的余裕はありません。
薬・サプリメントなど一式
ゲストが体調不良になれば、
ガイドが付き添って、
薬局や病院に行くことはありますが、
ガイドは、それができませんので、
想定される薬は、最大限持参します。
風邪(軽症~重症まで)、胃腸、
切り傷、軽い怪我(捻挫など)、
喉スプレー、喉飴、うがい薬、酔い止め、
バンドエイド、消毒薬、傷用軟膏、
初夏以降は、虫刺され薬、虫よけ剤、など。
ツアー日数と、起こり得る体調不良を
考慮した日数分を用意すると、
かなり余計な荷物になりますが、
私は必ず持参します。
邪魔でも持っていくと、まぁ使わない;
いつも持つけれども、結局使わないと
思って持たないと、必要になる***
だいたい、そういうものですよね。
薬を、ゲストにあげてはいけません。
医師・薬剤師以外の人が、
薬の処方をしてはいけません。
もし、ゲストが、
その薬を知っているから大丈夫、
と所望されてもダメ。
その場合は、事情を説明して、
薬局へお連れすることです。
小物
ガイド棒・・・団体旅行を引率する
ガイドや添乗員が持っているアレです。
団体旅行の引率者がどんなガイド棒を
持っているのかよく観察し、
オリジナルの印をつけましょう。
多言語ガイドで、特に、
フランス、ドイツ、イタリア、など、
国旗を使っている人が沢山いますが、
繁忙期に、同じ旗が複数あると、
自分のグループが判別できなくなります。
遠くからも目立ち、コンパクトで軽く、
分かりやすいものがお薦めです。
ぬいぐるみを下げてる人がいますが、
雨に濡れると可哀想ですし、
乾きにくいでしょう。
どういうわけか、鯉のぼりは、
使っている人が既にいっぱいいますので、
やめたほうがいいでしょう。
帽子・・・飛ばないようにしておきます。
5月になると、もう日差しは強いので、
帽子はあったほうがいいですよ。
サングラス・・・強い日光に晒されると
目が辛くなります。
バスのガイド席は、強力な強い日差しの
真只中にありますので、
バスの中でもサングラスを付けないと
目が辛いことも多々あります。
5月でも日焼けしてしまうほど。
折畳傘・雨具
コンビニや100均で買える
使い捨ての雨合羽、
ズボンの上から着用するズボンカバー、
底に滑り止めが付いた靴カバーなど、
Amazonにもいろいろあります。
大雨の場合、
持参の折畳傘では厳しい場合は、
コンビニで大きな傘を買います。
雨に濡れると風邪をひきますから、
そのようなことは自己防衛です。
新聞紙
雨などで靴が濡れたら、
新聞紙をくしゃくしゃに揉んで中に入れ、
別な新聞紙の上に靴を置いて湿気を取ります。
靴の湿気取剤と併用すると効果的です。
スーツケース
様々な大きさやタイプのものがあります。
ハードかソフトか、
フレームタイプからファスナータイプか、
両開きタイプから、片開きタイプか、
各々の好みと使い勝手次第です。
これからスーツケースを購入予定なら、
レンタルで試してみるのもお勧めです。
筆者も、最初は、レンタルを利用しました。
購入前に、実際に利用できるととても便利です。
まだお仕事が安定しているわけでもないとか、
大型スーツケースの置き場所に
困るときにも助かります。
Wifi、ポケットWifi
ツアー報告書も、スマホで少
しづつ作成できるようになり、
ツアー中は、何かと検索することが多く、
土地感のない場所では、
スマホやタブレットに地図を出して、
それを見ながらガイディングの目安に
することも多々ありますので、
ネット環境は重要です。
観光バスには、フリーwifi完備が増え、
どこへ行っても、フリーwifiがあって
当たり前の世の中ですが、
筆者は、フリーwifiは利用しません。
リスクを考えると、とてもできません。
以前は、通年で契約していましたが、
コロナ禍で、ガイド業務が無くなり、
解約しました。
業務が復活したら、またwifiを契約します。
キャリアのギガ放題もあり。
出張中だけなら、レンタルでいいでしょう。
ゲストの中にも、空港到着時に借りて、
帰国時に郵便ポストから返却する人がいます。
端末がどの国の製品か注意!!!
中国製品だと、
バックドアから通信データが、
すべて抜かれる可能性あり。
アメリカでは、既に中国製のIT端末の
バックドアの存在が明らかになり、
法律で規制が始まりました。
以上の理由から、念のため、
レンタルwifiのアフィリエイトは、
外しました。
各個人が、注意しなければいけません。
ご自宅の光回線のONU(ルーター)も、
ファーウェイやZTEなどの場合、
極めて危険なので、早急に、
今後の対策を検討されることを、
強くお薦めします。
【LINE】
サーバーは、韓国だけではなく、
中国にもあり、
データは見られ放題との報告あり。
【TikTok】=超危険=
これをインストールした瞬間に、
AIプログラムが入り込み、
その端末の情報はすべて抜かれる。
電話番号やメールアドレスは勿論、
すべてのメール通信内容、
写真・文書、端末の利用履歴
インプットのキィストローク迄、
可視化可能。
早い話、中共の監視下に置かれる。
アメリカでは、2023年2月現在、
31の州がTikTokを禁止済み、
他の州も、法律改正中のようです。
EU欧州委員会も、
職員のTikTok使用を禁止。
どのくらい危険かというと、
既にこのアプリを使ってしまったのなら、
まずはすぐに削除して、
新しい端末を買うよう勧告されている、
そのレベルだそうです。
情報源は明らかにしませんが、
ネット上に関係情報は出ています。
Windos 11には、ご丁寧にも、
TikTokがプリインストール済み、
最初に、アプリを削除すること!!!
確かに、グーグルをはじめとする
あらゆるプラットフォームで、
個人情報は見られているはずですが、
その目的は、各社の利益のため。
中共の場合は、抜いた情報で、
何をしでかすか分かりませんし、
社会を分断するための
超限戦にも使われる懸念があります。
このアプリを使うことにより、
近い将来、国を分断する武器として
使われることになることを、
ぜひ、認識してください。
中国の国家情報法がいかなるものか、
ぜひ、ご自身で調べてみてください。
顔認証監視用で殆どが中国製;
ダーファテクノロジー、
ハイクビジョン製品が大多数。
当然、バックドアが付いており、
データはすべて北京に行くようです。
感染症対策として、
体温測定の必要があるなら、
非接触体温計で計測すればよいわけで、
顏認証をする必要は、全くありません。
私1人で出掛ける時は、
すべて拒否しています。
大規模施設などで拒否できない場合は、
監視カメラを見たら、
顏をパンフレットなどで隠すか、
帽子をかぶり、サングラスをかけ、
顏全体が隠れるマスクをして通過、
そこを通過したら、外します🤣
携帯電話:通話品質の確認
1週間程度のゴールデンルートのツアーで、
東京~鎌倉~箱根~京都~奈良~姫路~大阪、
あたりを回るだけなら、
どのキャリアでも問題ないでしょう。
しかし、高野山や白川郷など
辺境の地へも行く場合でも、
常時、携帯電話の通話品質確保が肝心です。
SIMフリータイプの契約では、
あまり通話を使うことなく、
メールやLINEがメインという方も
増えている昨今ですが、
通訳ガイドにとっては、
通話品質が大変重要です。
wifiがつながらない環境にいても、
常に、クリアな音質で電話連絡
できることが、必須条件です。
緊急事態が発生した際、
電波状況が悪くて、
相手の音声がよく聞こえないと、
お話になりません。
携帯電話のキャリアを変えたら、
雑音が増えたとか、
ビル内部で繋がらないようでは、困ります。
念のため注意喚起いたしました。
ゲストの服装に注意
空港でミートしたとき、
お客様の足元をご注意ください。
「この旅行行程では、かなり歩きます。
歩きやすい靴でご参加ください」と
パンフレットに書かれていても、
素足にサンダル靴で来てしまう人もいます。
そのような方には、その日の行先、
歩く距離や時間をお伝えし、
バスに荷物を載せる前に、
歩きやすい靴に履き替えてもらいます。
昨今は、突拍子もない服装で来る
ゲストが増えています。
社寺仏閣へ、ノースリーブ、ミニスカート、
ショートパンツなどで行くことはできません。
男性も、バーミューダバンツに、
スネ毛の脚を露出したままツッカケ、
という人まで現れるようになりました。
社寺仏閣への服装としては、アウトですし、
ホテルやレストランでも失礼にあたります。
その恰好で、教会のミサに行きますか?
と、立場を置き換えれば、
すぐわかることですが、
その程度の常識もない人が増えた昨今、
初日にご案内します。
多くのゲストにとって、
社寺仏閣も遊園地感覚ですから、
訪問前日に、服装に関する注意を、
繰り返してご案内します。
春や秋は問題ないのですが、
暖かくなると、肌の露出が増えます。
実際に社寺仏閣へ行くと、
タンクトップにミニスカートの女性を、
見かけることがあります。
明らかに日本人ではありません。
「ああいう服装をしている人がいるのに、
なぜ自分達はダメなのか」と
不満を言う人もでてきます。
その場合は、私は次のようにお話します:
≪最低限の常識もない情けない
可哀想な人ですね。お里が知れます。
恥かしいことのないようにしましょう。≫
ふつう、これでおとなしくなります。
暖かい服装の用意
必ず、事前にお知らせします。
ツアー中は毎日、1日の終わりに、
翌日の予定と併せて、天気予報、
予想最高気温と最低気温、
服装の注意、雨具などの持物も、
併せてご案内します。
お客様は、行程を細かくチェック
している人もいる一方で、
行程などまったく氣にせず、
全面的にガイド任せの人もいます。
「今日は、これから、どこへ行くの?」
「これから、ナニするの?」と、
毎回聞いてくる人も珍しくありません。
聞かれたら、その都度応えてあげるだけです。
箱根も、夏以外は、やはり寒い。
駒ヶ岳ロープウェイで山頂まで行くと、
風は強く、気温はかなり低く、
普通の服装で行くと震え上がり、
簡単に風邪をひいてしまいます。
箱根へ行く前日には、
箱根の標高やお天気を説明し、
暖かい服装を用意すること、
いつ雨が降るか分からないので、
雨具の用意も忘れないようご案内します。
他に、高野山、高山、白川郷も
かなり寒い場所になります。
高野山は、4月初めでも雪が降り、
朝は零下まで冷え込みます。
高山は、よく雨が降ります、
雨の高山は底冷えし、
4月頭でも零度近くなることもあります。
金沢~白川郷~高山は、
服装対策もセットで対策をします。
荷物の別送
大きなスーツケースを、
1~2日後に泊まるホテルに
宅急便で送り、
1~2泊分の小型荷物だけを
持って移動することがあります。
その場合の注意事項:
例えば、朝に熱海から出発して、
到着地が高山になる場合や、
京都や大阪から、高野山へ移動して
宿泊する場合など、
暖かな場所から寒い場所へ行く場合や、
途中に寒い場所が含まれている場合、
暖かい服を持って来たのに、
大きなスーツケースに入れて
発送してしまって手元にない……
という事態にならないよう、
繰り返し、注意喚起して、
必要な服装を手元に残すようご案内します。
当然、ガイドも同じ。
姫路から金沢へ行く場合も、
到着するとかなり寒く感じます。
金沢から白川郷へ行くと、もっと寒い!
また、大きなスーツケースを
バスの貨物室に乗せて移動する場合でも、
暖かい服は貨物室の中、
到着してみたら寒いから、
バスの貨物室にあるスーツケースから
服を取り出したい、ということになりますと、
かなり時間のロスが生じます。
そのような場合も、
服装調節に関しては、事前によくご案内し、
必要な物は車内に持ち込んでもらいます、
雨具などについても同様です。
誰か風邪ひきさんが出ると、感染しますから、
全員が、うまく体調管理をするよう氣を付けます。
次回は、お客様とガイドの関係について。
18. 【新人】通訳ガイド:通訳ガイドとゲストの関係
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