ブログの活用法を記事にしました。

18. 【新人】通訳ガイド:通訳ガイドとゲストの関係

オペレーション

通訳ガイドとゲストの関係

ゲストは全員平等

いつもガイドに近い座席を確保する人達は、バスの中でも質問攻め、
歩いているときも≪ガイド腰ぎんちゃく≫で、質問攻めを続けます。
一方、後ろにしか座らない人達は、ガイドの説明には興味はなく、
電話していたり、映画や動画見たり、音楽を聴いていたり、
自分の世界を楽しみたい人が多い傾向です。
それでも、

質問はすべて、必ず全員にお答えします。
バスの中が煩くて、説明を聞かない人が多くても、
たとえ誰も聞いていなくても、
基本的なガイディングをしなければ、業務放棄になります。

ガイドの注意喚起も聞かず、自分達がうるさくして話を聞かないことは棚に上げて、
ガイドの説明が少ないとクレームをつける人は、一定数いますので要注意です。
バスの中で、ガイド近くのゲストが身を乗り出して、いろいろ聞いてきた場合も、
全員に向かって質問を繰り返して、回答します

後ろの人の発言が聞こえない場合は、リレーして伝えていただきます。
危険ですから、走行中のバス車内を移動してはいけません。

外を歩いている時に、何か聞かれたら、その人に答えますが、
その質問と答えは、あとで全員が揃った時点で、
改めて全員に向かってお伝えします。

質問をした人は、同じことを2度聞くことになりますが、問題ありません。

最近は、イヤホンガイドを使えることが多いので、
歩行中でも、マイクで話せる場合もありますが、
ケースバイケースです。
観光中は、ゲストは写真撮影に大忙しで、
いったん写真に集中してしまうと、説明は耳に入りませんし、
周囲が煩く、音声ガイドのチャンネルから、
別な団体のガイドの声が聞こえることもあります。

急がない内容なら、バスに戻ってからお伝えするほうが確実です。
【重要】情報は必ず全員で共有します。
これを忘れると、≪依怙贔屓≫と見做され、クレーム対象になります。

ゲストは、疑問に思ったことを、いつどんな状況でも話しはじめます。
すぐに答えられないタイミングの場合は、その旨をゲストに説明し、
質問内容をメモしておき、あとで全員が揃ったところでお話します。

質問の内容

ゲストから何か質問されて、話がかみ合わないとか、
理解に苦しむことがあります。
ガイドとしては、質問がガイディングに関することと思いがちですが、
ゲストは、今いる場所とも話題とも全く関係ないことを話しているから、
話が見えないことがあるのです。そのようなとき時は、
「何についてのお話ですか?」と聞いてみると謎が氷解しますよ。

たとえば、総武線に乗車中、ず~っと鉄道と駅の話をしている最中に、
突然、「日本にマンゴーの木はあるの?」、と言われるだけでも、
何がどう繋がっているのか分からず、驚いてしまいます。

平等院鳳凰堂の景色を映す池の水面をマジっと見つめながら、
またある時は、ソフトクリームの巨大なオブジェを凝視しながら、
「なぜ日本人は、洗濯物を外に干すのですか?
貧乏でお金がないの?
貧乏だから乾燥機を買えないの?
日本は経済大国なのに、どうして?
洗濯物を外に干すなんて、みっともないと思わないわけ?」
という具合です。

平等院鳳凰堂やソフトクリームと、外に干された洗濯物とが、
どう結びつくのか分かりませんが、よくあることです。

社寺仏閣では不適切な話題を持ち出されたら、
神聖な場所でお話する話題ではないので「後ほどね」と、
一旦保留して、バスの中でお話するようにしています。

ある時、皇室のお話をしていたとき、とんでもない質問をした人には、
「皇室のお話をしている最中です、そのような不躾な発言は、お控えください。
別な時に、改めてお答えします。」と語気を強めて言ったことがあります。
あまりにも衝撃的で、ここに文字にすることもできない内容でした。
この一件は、他のメンバーには、問題なくご理解いただけました。
ゲストに悪気がなくても、ケジメは大切です。

微妙な質問に対する答え方の例

バスや電車で郊外に出て、農村地帯の家々を見ると、
「あの家は、とてもみすぼらしいが、貧乏なのか?」
と聞いてくる人が必ずいます。

筆者の答え:
「それは、わかりません。
世の中には、お金をためることに情熱を注ぎ、
とにかく使いたくない人達がいます。
とにかくお金を使わず、ひたすら溜め込んでいるのなら、
あの家の人達は、実はとてつもないお金持ちかもしれない。
もしかすると、本当に貧乏なのかもしれない。
そうだとしても、その人達がそれで充分と思って暮らしていれば、
それを貧乏と片付けることはできないと思う。
引越す予定があって、家にお金をかける必要がないのかもしれない。
街中に自宅があり、こちらは農作業にしか使わない建物かもしれない。
他人である私には何ともいえません。」

「一般庶民の場合、新しく家を建てたり、
マンションを買うには、ローンを組みます。
つまり、借金をして住居を手に入れるわけです。
素敵な家に住み、綺麗な服を着て、ブランド品を沢山持っていても、
家のローンが30年分ある状況を、お金持ちと言えるでしょうか?

「人それぞれ価値観、暮らし方、必要性など、いろいろ違うわけですから、
一概に誰かと誰かを比べて、どうこういうことはできないでしょう。」

このようにお話します。皆様も、いろいろ考えてみてください。

文化や習慣の違い

自分達と違う習慣や文化に接したとき、
「ヘンだ」という人は、必ずいるものです。
自分達の習慣こそが正しいといわんばかり。
そのようなときは、各々の国にそれぞれの文化や習慣があり、
それは「違う」のであって、ヘンなのではありません、
とハッキリ言っています。

メールアドレスを教えて失敗した件

ツアーも終わりが近づくと、
メールアドレスを教えてほしいと言われるようになります。
感動や、嬉しかったことを、お知らせしてくれるのは、
たとえウソでも嬉しいもので、新人のころは、
帰国後の報告メールをいただいて喜んだりしていました。

ところが、中には、困ったちゃんもいるので、要注意です。
あるゲストから、メール・ストーカーされて、困り果てたことがありました。
このゲストは、ツアー中にどうしても自由行動をしたいと言い張り、
ツアー担当者が、そのゲストと直接お話をして、
離団中のことは、すべて自己責任と説明し納得していただいたうえで、
離団を了解した際に、何かあったときのために、
ガイドの名刺を渡すように言われたのでした。
団体に戻ったときに私の名刺を回収すればよかったのですが
ガイド経験が浅い頃で、その先に起こる事態を考えてもみなかったのです。

結局、毎回大量の写真を添付してきて、
メールストーカーされることになりました。
短い返事は出してはいたものの、あまりにもそれが続き、
ウンザリして無視したら、そのツアーの日本のエージェントに、
ガイドがメールに返事をくれない、と電話をしたというのです。

そればかりか、私のメールアドレスを、
自分の写真コレクションのサイトに勝手に登録してしまったのです。
非常識にもホドがあり、これには、激怒しました。
≪私のことを良い友達だと想ってくれるのなら、
そのサイトから私のメールアドレスを直ちに削除してください。
それは、仕事にも使っている大事なメールアドレスなのです。≫
と返信したら、ナシのつぶてです。

仕事にも使うアドレスをゲスト教えた自分が甘かったのです。

いまどき、「メールを教えない」といえばカドがたつでしょうから、
ゲスト専用のフリーメアドを作っておき、大事なメアドは教えないことです。

電話番号は、仕方ないので、通常使っている携帯電話番号をお知らせしています。
最近は、WhatsAppで写真を送って来る方もおり、SNS利用がかなり増えました。

朝食

通訳ガイドの基本業務に、朝食は入っていないのが一般的です。
行程に【朝食後、ガイドとミート】と書かれてあれば、
朝食は全くフリーです。

旅館や宿坊に宿泊する場合は、一緒にいないと問題になります。
食材の説明や、食べ方などを、説明しなければいけません。
それ以外の、ビュッフェ形式のホテルの朝食の場合は、
ゲストに付いている必要はありません。(ふつうは)

ガイドとしてのオススメは、一番に朝食会場に入ることです。
たとえゲストと遭遇しても、挨拶だけすればOK、
≪今は、わたし1人の時間ですからね!≫オーラを強烈に発信します。
もちろん、何か聞かれたらケアしますが、
できるだけ距離を取りましょう。
一緒にいたら話してばかりで、まともに食事ができません。

ホテルの従業員の方が、氣をきかせたつもりで、
ゲストの近くのテーブルにしてくれようとする方もいますが、
私はゲストからできるだけ離してもらいます。

通訳ガイドは体力勝負の業務です。
昼食や夕食は、同席しなければならないのですから、
せめて、朝食の時くらい、1人でゆっくりしましょう。

もちろん、ゲストとぜひ一緒に食べたいという方は、どうぞです。
自分達は食べ続け、相手は喋るから食べられないということが分からず、
それでも、延々と質問攻めを続ける人達と、おつきあいできそうならば。

朝食バイキングが取りやめになり、
和定食、洋定食になってしまった場合は、
必ず前日までに、その内容をホテルに確認して、
ゲストにお伝えすること。

旅館や宿坊での朝食

この場合は、ガイドもゲストと一緒に席につかなければなりません。
食材、調理法、食べ方を説明する必要があるからです。

一通りの説明が終わったら、あまり周囲を気にせずに食べないと時間がなくなります。

次回は、ツアー本番前の準備です。
19. 【新人】通訳ガイド:ツアー直前の準備

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