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II-26. 【新人】通訳ガイドの動線ナビ:金沢-4【成巽閣・ひがし茶屋街・21世紀美術館】

動線Navi

成巽閣

成巽閣

兼六園と成巽閣の両方が行程に入っているツアーでは、
花見橋から、そのまま成巽閣裏門へ立ち寄り、
成巽閣見学が終わったら、また兼六園散策を続けます。
 兼六園側から入ったところ。
両方が行程に入っていても、
兼六園だけを先に散策して昼食、その後、
あらためて成巽閣へ行くこともあるかもしれません。
場合によっては、兼六園から成巽閣へ立ち寄るのではなく、
バスで成巽閣正面から入ることもあるかもしれません。

バス駐車場の関係や効率性を優先し、多くの場合は、
兼六園と成巽閣がセット、続けて見学を済ませます。

アクセス

 兼六園側の門から入った成巽閣敷地内
こちらの裏口から入る人がほとんどです。
正面に見える縁側で靴を脱ぎ、
向かって右手にある靴ロッカーに入れて鍵を持ちます(無料)。

桜の時期の金沢はまだ寒く、
厚手の履物が用意されているのでゲストにオススメします。
館内を見学中、徐々に足元から冷えてきます。
ゲストも、履物を借りておいて良かった!と言いますよ。

ご利用案内

料金は表示通りですが、補足情報があります。

特別展

サイトにある通り、企画展(常設展)と特別展の2種類があります。
この点を確認しない多くの手配担当者は、何の疑いもなく、
常設展の予算のままで行程を作ってしまう人がいますが、
成巽閣さんは、頻繁に「特別展」を企画します
4月上旬、桜の季節は、お雛祭りの特別展の真最中。

行程に記載された料金と違うと困ってしまいますが、
ここまで来てしまったからには、料金が違っても入るしかありません。
ツアーとして、1人300円の違いは無視できない差額ですし、
そもそも、経費は行程に記載された金額と一致して当然ですから、
このような場合も、すぐにツアー担当者に一言連絡を入れます。

そもそも、ツアー前打合せで、入場料の確認もすること!
成巽閣さんでは頻繁に特別展を行うので、
最初から特別展の予算で計画を立てるほうが安心です。
休館日の確認もお忘れなく。
ツアーに成巽閣が入っていても休館日と重なっていることもあり、
その場合は、似たような別施設が手配されます。
要は、事前にそれらの手配がきちんとされることが大事で、
当日行ってみたら閉まってた!⇒⇒⇒これはアウト!

人数と料金

こういうコトをブログに書いてしまっていいものかどうか、
少しは悩みましたが、問題ないと判断してお伝えします。

団体の人数と、合計金額の問題です。
さて、20名以上だと、団体料金が適用になります。
19名なら個人扱いで、団体にはなりません。
特別展なら、1000円x19=19,000円となります。
ところが、成巽閣さんでは、しばしば、
20名以上なら団体料金になり、合計金額が安くなるので、
団体扱いにしませんか?
という素晴らしいご提案をしていただけるのです。

勿論、こちらから、そういうことを申し出るべきではありません
あくまでも、係の方がそのようにご提案くださったら、
ありがたく、お言葉に甘えさせていただきましょう。
これも当たり前ですが、領収書には、20名と記載されます。
それについては、精算書の備考欄に事情を記載します。

他の施設様でも、このようなご提案は、珍しくありません。
オペレーション編でお話しました通り、
ツアーは予算的にもギリギリで計算されています。
たとえば:  1人1000円x19名=19,000円
団体料金なら、1人800円x20名=16,000円
この3,000円の差は、ナカナカというわけです。
企画展(通常展)の場合も同じ。
ぜひ覚えておきましょう。

見学

【注意】
館内撮影禁止! 庭園は可。
障子や壁、建具には手を振れないこと。

成巽閣全体について、サイトにあるような詳細をお話しても、
ゲストは、たぶん、よく分かりません。

いつ、だれが、何のために作ったのか
特徴となる構造や技術について、ポイントをお伝えします。

「誰が」というのは、前田家12代齊廣という固有名詞ではなく、
何世紀(初/中/後)のこの地方の封建領主で、
カクカクシカジカに匹敵する絶大な富があった、などとお話しています。

解説

受付でいただくパンフレットに平面図があり、
テープによる解説がある場所が示されています。

ゲストの国籍や興味を持つ深さにもよるでしょうが、
歴史上の日本人のお名前は、云われても意味不明のようです。
「人名は言わなくていいよ!」と言われたことが何度もあります。
もっというと、日本人でも、前田家といえば利家以外の人の名前は、
あまりよく分からないのが本音ではないでしょうか。
ですから、いつの、どんな人で、なぜ有名なのか、をお知らせします。
もっとも、徳川家康のような人物名は、言いますよ。
「退屈かもしれませんが、スルーできませんのでね」と補足してます。

見所は、なんといっても入ってすぐの「謁見の間」。
特別展の時は、隣の「鮎の廊下」続く「貝の廊下」にも、
見事な工芸品が展示されます。
各々、障子の腰板に鮎の絵、貝の絵が描かれていますが、
気を付けて見ないと素通りしそうです。

謁見の間から広間を抜け、「中の間」から「亀の間」。
「亀の間」は、やはり障子の腰板に亀の絵。
兼六園の蓬莱島で鶴亀の話をするでしょうから、
間をあけず、ここでもう一度亀の長寿について繰返します。

万年青の廊下から万年青の緑庭園を鑑賞。

ここで、適宜、お手洗いをお借りしましょう
兼六園の公衆トイレよりもオススメですよ。

正面玄関へ通じる廊下を横切り、
つくしの廊下からつくしの緑を鑑賞。
廊下はうぐいす張り。
縁側の長さは20mほどもあるのに、間には柱が一本もないのが自慢。
ここも成巽閣のハイライトのひとつ。
できれば、これは桔木(はねぎ)という軒先を支える構造について、
担当言語で分かりやすく説明できるように準備できればベスト。

つくしの緑庭園、万年青の緑庭園では、
ココゾとばかりに写真撮影に忙しく、
ガイドの話など、ウワのソラでも説明は行います。
あとから聞き返してくる人には、繰り返してあげてください。
そのとき、「・・・・ったくもう・・・」という態度はしないこと。

「蝶の間」は、やはり障子の腰板に超の絵。
その隣の「松の間」は、このお屋敷の見所のひとつで、
障子の腰板に松の絵、
書院障子の腰板に花と鳥のギヤマンが嵌め込まれています。
当時の日本としては大変珍しく貴重品だったのだと言わないと、
欧米人ゲストには理解されません。
欧米人ゲストは、とてつもないステンドグラスを見慣れていますから、
この程度のギヤマンは、よく説明しないと、目をテンにするだけです。
この部屋から武者隠しを通って謁見の間に出られるそうです。

二階

二階にある3つの部屋はすべてハイライトで、
詳細はサイトにある通り。
階段室も風情があります。

見学終了したら、兼六園散策を続けます。

ひがし茶屋街

観光バス駐車場

兼六園方面から浅野川を渡って2つめの信号「ひがし茶屋街」の角、
左側にありますので、左折でのみ侵入可能

【降車前のお約束】
全員でどこまで一緒に動くか、
おそらく後半はフリータイムになること、
最終的には、何時何分に直接バスに集合、
など、その場所での見学と出発情報を確認します。
志摩さんへ行かなければ、1時間弱。
志摩さんへ行くなら、1時間半(到着から出発までの所要時間)。

敷地お隣のこんぶ屋さんの前から横断歩道をわたり直進。
烏骨鶏とか、ソフトクリーム、金箔ナントカの看板を見ながら直進。
観光客でいっぱいですが、歩行者専用道路ではなく、普通に車輌が通行しますので、
横に広がらずに歩くようお願いします。

ものの100m程度で突き当り、上の写真のこの建物から右に伸びる道が、
よく金沢観光のポスターで有名な、ひがし茶屋街メインストリート。
京都祇園の花見小路に相当する場所といえるでしょう。

この道も、100mほどで突き当ります。
特に行程に指定がなく、時間に余裕があれば、
裏道に回り込んで歩いてみたりするといいのですが、
この「ひがし茶屋街」のメインストリートには、
観光客の目をひくお店があります。

特にお買物をしなくても、途中の箔座さんはご紹介しています。
金箔を使った色々な商品が揃っているのと、
黄金の茶室があり、誰でも見ることができるからです。

金沢のお土産では、金箔がオススメ。
金箔が嫌いな人も珍しいでしょうし、まったくかさばらないので便利。
お料理の飾り付けやカクテル用など、食用金箔が揃っています。

女性ゲストは、金箔のアクセサリーを買う人も多いので、
それなりに時間がかかります。

ひがし茶屋街で、お茶屋志摩さんへ行く場合は、
先に見学をすませること。

お茶屋志摩

旅行社様から、見学日とだいたいの訪問時間が伝えられています。
ツアー前に、念のため連絡して確認すること。
館内が狭いので、大人数の団体がかちあうと大変なのです。
お茶屋志摩
靴を脱ぎ、ラックに入れます。

志摩さんでは、持物を持ち込んでの見学は禁止
お玄関から入って、囲炉裏付近に係の方がいまして、
荷物をすべてロッカーに入れるように言われます。
国指定重要文化財ですから仕方ありません。
ガイドのバッグは貴重品満載なのですが腹をくくるほかありません。

ロッカーには、できれば複数人の荷物を入れるように言われますが、
ガイドは必ず自分専用にしましょう。
100円硬貨が必要ですが、荷物を取り出す時に戻ります。
自分の100円硬貨を使う場合は、忘れずに回収すること。
係の方から100円硬貨を借りた場合は、必ずお返しすること。
カメラは、小さなカメラかスマホのみ持込可能。

館内は狭いので、周囲のものに気を付け、
襖などに触れないよう、飾り物にも触れないよう、
文化財保護に協力してほしいとお話します。

どのお部屋も一度に全員を集めて説明するのは無理ですから、
数人ずつのご案内を繰り返します。

館内見学

まず最初に2階へあがります。
お茶屋志摩さん館内平面図
なかの間をはさんで、通り側と反対側に接待部屋。
なかの間には三味線が賭けられているのでちょっとご案内。
小さな部屋2つが1セットになっており、
どのようにお客様をおもてなしするかを説明。
サイトやネットで、お座敷遊びについてと、
これらの部屋の使われ方を勉強しておくこと。
係の方がいて説明しているなら通訳します。
通りと反対側の部屋からは坪庭が見えます。
奥のはなれをみたら、階段を降りますが、
この階段は非常に急で滑りますので、注意喚起!

1階に降りたら、先に台所と石室。
奥にお手洗いがありますが、敢えてご案内はせず、
必要と申し出られた方にのみご案内。
台所の奥には茶室がありますが、有料スペースなので行きません。

坪庭伝いに戻り、奥の間、茶の間、帳場。
帳場から道路側に小さな資料室があります。
とても細かい手の込んだ工芸品の数々をよく見られるように、
大きなルーペがありますので、ご案内してください。

お茶屋志摩さんが行程に入っているときは、
先に見学をすませ、そのあとで散策をします。
バス駐車場まで近く、迷う心配もないので、
メインストリートをご紹介したら、フリータイムにしています。

もしも時間が余ったら

少人数で、お買物もせず、ひがし茶屋街散策でもしも時間が余ったら、
浅野川沿いの主計町散策もお勧めです。

21世紀美術館

2週間程度のツアーなら、金沢観光は1日半~2日時間をかける行程もあります。
その場合、21世紀美術館も入ることがあります。
21世紀美術館の見学はしないが、ランチかディナーで、
ここのレストランを利用することもあります。
21世紀美術館

問題は、21世紀美術館を見学することになっていても、
無料ゾーンの設定が多いことです。
それでも、それなりに楽しめますが、
あの有名なプールは、お金を払わないとプールの中に入れません。
だからといって、わざわざ追加料金を払う人は、まずいません。

旅行会社様は、21世紀美術館を行程に入れるのならば、
有料ゾーンも見られるようにしてくれるとゲストの満足度はあがります。

ここは美術館として新しい試みをするところとして有名ですし、
妹島和世+西沢立衛 / SANAAによる建築そのものも有名です。
歴史の街という範疇を抜け出て、
まさに21世紀の可能性を見いだせる面白い場所です。
直島のベネッセとも共通する屋外展示もあり、
現代美術が好きな方には好評ですが、
そうでない方は、けっこう退屈してしまう方もでてしまう、
ちょっと難しい場所かもしれません。

スタンダードコースのツアーとしては、
金沢で観光する場所は、このくらいです。

次回は、金沢から広島へ向かおうと思います。
広島・宮島から、徐々に東へ移動しながら、
大阪、京都、奈良方面に戻るルートを考えています。

今日と明日、2月27日と28日は、ブログ更新できません。
3月1日から再開できるよう、がんばります。
引続き、お越しをお待ちいたしております。

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