動線編のまとめ
これからデビューする新人ガイドの皆様向けに、
一般的なツアーで訪れる訪問地での
オペレーション、注意事項と
動線を記載いたしました。
団体が成田に到着して東京から行程をスタート、
ゴールデンルートを徐々に西へ向かい、
最後は関西空港からお見送りする想定です。
1週間のツアーと2週間のツアーとでは、
行程内容は異なりますが、ほぼ、
当ブログで紹介する場所のどこかになります。
筆者が、ガイドを始めたときに直面した問題、
今でも、間違わないように氣をつけていること、
ガイド業務中に遭遇した様々な問題、
綺麗事では済まされないフリーランスの立場など、
すべて実際の経験を基にお伝えいたします。
下見の際の参考にする、新人研修の前に見ておく、
状況次第で、ぶっつけ本番にお役立ていただくなど、
少しでも有効にお使いいただければ嬉しく思います。
インバウンドが戻るとき
何らかの事情でインバウンド需要が激減したり、
止まってしまっても、ある時から急激に回復します。
コロナ騒動が終わり、2023年春には、
2019年から2022年度までの合格者が一斉に
稼働開始しました。
アサインは合格年度順ではありません(当たり前)。
面談会のプレゼンで高評価をいただくだけではなく、
不思議なご縁からも、お仕事が入るようになります。
オファーが来た時にスタンバイOKかどうか、
それが鍵です。
デビュー業務
新人のデビュー業務は、ほとんどが、
FITと相場が決まっています。
では、どのくらいのFITをこなしたら、
ツアーを任せてもらえるようになるのか?
それは、誰にも分らないのです。
正直なところ、英語の皆様は大変でしょう。
業務も圧倒的に多いので、
対応するガイド人員も圧倒的に多いため、
”箱根の山を越えるのに10年”とも言われる一方、
ある日突然、ツアーが決まることもあるのです。
繁忙期、「その日」は、突然やってくる!
そのチャンスを逃してはいけません!
多少の不安があても、それを解決しつつ、
是非とも成功させなければなりません!
自滅するだけですから、無理は禁物。
いつ、いかなる時も、
明らかなリスクは回避すること!
たった1度の失敗も、
ブラックリストからは消えません。
しかも、ガイドの責任ではなくても、
旅行社側は自分達の過失を認めません!
実際のツアー・オペレーションを、
具体的にシミュレーションしてリスクを見極め、
危険を回避できることが肝心。
若干の問題点については、
ツアーを辞退する前に、旅行に、
具体的な解決策を提示して相談すします。
問題は、具体的な解決策が通用しないほど、
実現不可能な行程を組んでいる場合は、
関らないのが安全。
それも、自分でシミュレーションできないと、
許容範囲の見当がつきません。
基本的に1人のガイドが全行程担当しますが、
(=スルーガイドという)
繁忙期にはツアーが集中するため、
ロングツアー担当ガイドの日程が、
一部調整がつかない時には、
1日だけ、最後2日だけ、中1日だけなど、
別なガイドがアサインされます。
繁忙期にヒマなのは、ほとんど新人ですから、
新人の団体業務デビュー戦となり、
団体ツアー業務を全般に経験できる
絶好の機会となります。
ツアー全行程なら、負担も絶大ですが、
このように部分的業務なら、
ハードルが低いので、始めやすく、
担当ガイドからの引き続きを受けるだけでも、
勉強になることが沢山あります。
その業務でポカさえしなければ、
次に繋がるのです。
先ずは、ツアーを無事に
引率できればいいのですから!
FITと団体ツアー
多くのガイドは、FITも団体も両方こなします。
細かい対応ができるという理由で、
FITをメインにする人もいます。
最大の難関は、家を空けられない人は、
通勤可能な範囲のFITがメインになるでしょう。
長期間留守にしても問題がなければ、
ツアー指向になりますね。
多くの旅行社では、ガイド報酬が、
ゲスト数(PAX)がヒトケタか、
10名以上かで分かれており、
1日あたり、数千円の差があります。
ガイド報酬を、25人以下・以上で分ける
エージェント様もあります。
長期のツアーは、荷物も多く大変ですし、
1日の平均稼働時間は10~13時間ですが、
”通勤”せずに済みます。
通勤不要は、かなり大きなメリットです。
(好物が食べられないストレスは積もりますが)
FITなら、遅くともミートの
30分前には現地に到着し、
基本的には8時間業務をして、
往復の通勤時間を足すと、
全体として、10~11時間程度
かかってしまうことになります。
結局、費やす体力は、同じくらい。
FITなら、きめ細かい対応ができますが、
ず~~~っと一緒にいなければなりません。
同性同士は、お手洗いまで一緒の行動になり、
お喋りも延々と続き、鬱陶しいのは確かです。
同じ人達と一緒に暮らすようなものなので、
各々の人の特徴や傾向が分ってきますし、
大きな家族のようにまとまって、
我儘ゲストの集団でも一致団結します。
これは、ガイドに大きな力、
自信と喜びをもたらせてくれますよ。
旅のシミュレーションと荷造り
3月末~4月初め、桜の時期に出発する、
1週間、10日、2週間の3種類の行程を想定し、
旅のシミュレーションと荷造りをしてみましょう。
この時期は、お天氣が変わりやすく、
花冷えの時期は、まだ暖かな服装も必要です。
アホかと思うかもしれませんが、
実際に持って行く荷物を並べてみるのです。
基本、ランドリーサービス無しで想定します。
(荷造のスキルアップのため🤣)
旅の荷物に加えて、業務書類、雨具、新聞紙、
ガイディング原稿、資料、地図、文房具、薬、
PCやタブレット、各種ケーブルや充電器等で、
かなりの荷物になることが分かります。
大量の荷物を、大きなスーツケース1つに
纏めることが得策とは限りません。
特に女性は、「自分でそれを持てますか?」
実際に、中型のスーツケースでも、
荷物をいっぱいに詰めると相当な重さになります。
ホテルの廊下がモコモコのカーペット張りだと、
キャスターの滑いが悪く、
荷物の重さを痛感することになります。
筆者は、桜の時期に2週間のツアーに出る時、
65Lのスーツケースと、
40Lのスーツケースを2つ、
その他に書類鞄の合計4つの荷物になります。
貴重品が入ったショルダーバッグは別で、
体から絶対に離しません。
靴1足でも、ウォーキングシューズは嵩張ります。
たとえ1週間のツアーでも、靴の替えは必須。
3つめの小型スーツケースは、
資料・文房具・薬・紙コップ等専用。
桜の時期は寒暖の差が激しく、
高野山では雪も降ります。
ガイドは体調を崩しても、薬局へ行けませんので、
薬も沢山持ちます。
いつも持参するけど、結局使わないので、
要らないと思って持たないと、必要になる。
薬とは、そういうものですから、
少し荷物が増えても、色々な想定して、
薬は持つに越したことはありません。
問題は、長期間のツアーでも格安ツアーだと、
宿泊ホテルのランクが低いので部屋が狭く、
置き場所に困ることですね~。
まだ新人で色々な事情に疎かった頃、
部屋が狭すぎて(なんと驚きの12平米!)、
スーツケースを3つ置いたら人が通れない!
という事態に遭遇した経験があります。
追加料金を自己負担して広い部屋に移ろうにも、
繁忙期につき満室で無理;
ただただ呆れて、しばし途方に暮れ、
空を眺めていたこともありました。
置けるかどうかの分岐点は、
部屋の面積が最低15平米 が目安です。
大きなスーツケースに纏めるほうが、
使いやすい人もいるでしょう。
色々な想定をして、一度は、
荷物シミュレーションをしてみましょう。
5月になるとブ厚い服は不要になり、
荷物も減ります。
5月~6月にかけての1週間のツアーなら、
中型スーツケースだけで事足ります。
但し、書類鞄は別ですよ。
スーツケースは消耗品と考えましょう。
バスのドライバー様は丁寧に扱ってくれますが、
1日中バスの荷物室で揺られ続けるわけですし、
宅配便でどんな扱いを受けるか分かりません。
これから大型や中型のスーツケースを買う予定で、
どのようなタイプにしたものか迷っている方は、
レンタルを利用してみると、気軽にお試しできます。
私も、一度利用しました。
大型スーツケースを買うほどでもない方も、
レンタルならお手軽です。
クタクタに疲れて、ツアーから戻っても、
自分の荷物整理よりも、
清算や報告書の提出が優先ですから、
1日か2日長めにレンタルすると気が楽です。
今後の予定
ガイド業務は激務です。
いつも新鮮な空気を存分に吸い、
毎日歩き、免疫力を高め、
素材のよい季節のものを食べ、
健康第一に有意義な毎日を
過ごして参りましょう。
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